本日は、わたくし みつまめがもっとも敬愛する邦楽アーティスト・井上陽水氏のカタログから1曲をセレクトしますギター

 

 今回は、『赤い目のクラウン』

 

 

 2010年11月発売 「魔力」(過去エントリー) 収録曲。

 

 行定 勲監督で2010年1月に公開された 「今度は愛妻家」 の主題歌です。主演は豊川悦司/薬師丸ひろ子。

 原作の中谷まゆみという方は鴻上尚史主宰 《第三劇団》 の劇作家。テレビドラマでは 「ぽっかぽか」 「いいひと。」 「WATER BOYS」 などで脚本を書いています。

 

 行定監督はかねてから陽水氏のファンで、共通の衣装デザイナー・伊藤佐智子さんの紹介で陽水氏と初対面。古い映画には詳しい陽水氏とは、フランク・キャプラ監督の話で花が咲いたとか。自分は知りませんでしたが、1920~30年代の監督なんですねぇ。

 

 「今度は愛妻家」 映画化にあたり、主題歌の依頼を受けてもらった行定監督からの注文は、”ラストに主人公が現実に戻り、ふたたび歩き始めるようなもの”。

 ところが出来上がった曲はまったく違う世界だったので、聴いたとき戸惑ったそうです。なんだかわかる気がする(笑)。

 

 「しかも、お願いした場面より5秒遅く曲を始めてほしいという要望もあって。監督は誰なんだ? と思いましたが(笑)、合わせてみたらスタッフたちがものすごく感動した」

 「歌詞を読んで、映画をすんなり終わらせたくないんだなとわかりました。終わりでなく、ここから始まるんだって」(行定監督)

 

 クラウンとは最初トヨタの車かなと思ったら、道化師のことなんですね。ピエロはフランス語でした。涙で赤い目の道化師...いろいろ物悲しい想像が浮かびます。

 

 曲調は低音の地味めなメロディーながら、陽水氏の声のせいで味わい深さがあります。アレンジした 《H.GARDEN》 とは小川 弘、黒沢永紀の音楽クリエイトチーム。チルアウトというスローテンポのディスコミュージックを得意とするそうなので、なるほどな組み合わせと仕上がり。

 

 それでは 『赤い目のクラウン』(作詞/作曲:井上陽水 編曲:H.GARDEN) ですヘッドフォン

 

 

 ♪悲しみのラストはあとにして 想い出の最後は雪にして
  愛は果てしなく 深く限りもなく 夜の静けさに壊れそう
  赤い目のクラウン

  あざやかな記憶を夢に見て ほほえみを最後の謎にして
  夢はさりげなく いつも終わりもなく 夜を一筋に沈みそう
  涙目のクラウン 赤い目のクラウン

  さみしさを合図に会いに来て おやすみのライトを消しに来て
  夜はいつになく 空に飾りもなく 遠く密やかに忘れそう
  眠い目のクラウン 涙目のクラウン
  赤い目のクラウン