みつまめの「このレコード聴いてみた」
「魔力」
井上陽水
古今東西あまり関係なく、みつまめのお気に入りレコードを披露している「このレコ!」、今回は邦楽フォーク&ニューミュージックから、井上陽水氏のアルバムです。
1st から順を追って陽水氏の作品を取り上げていこうと試みて、約1年。
これが現時点での最新作のため、本日が “井上陽水アルバムシリーズ” の最終回となります。
実はおととし4月、当ブログ第1回 「このレコ!」 で、この 「魔力」 を記事にしているのですが、当時はブログ始めたてで文章が不慣れでした。
まだ動画も貼れませんでしたし、書き漏らした話も多いため、今回 “増補版” として、もう1回改めて書いてみたいと思います。
「魔力」 (2010年11月17日発売)
1.覚めない夢
2.BLACK SISTER
3.69(SIXTEEN NINE)
4.世界はミステリー
5.赤い目のクラウン
6.TWIN SHADOW
7.G-ROCK
8.MAP
9.Love Rainbow
10.LOVE LILA
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
前作 「LOVE COMPLEX」 から4年5ヶ月、陽水民生ユニット 「ダブルドライブ」 から3年9ヶ月・・・長いインターバルのわりには、この間の陽水氏の動きは活発でした。
毎年だいたい春から夏にかけて大規模な全国ツアーを敢行し、夏のフェスティバル系イベントへの出演も積極的。
特に Mr.Children と共演した 「ap bank fes」 では、かつて共作した小林武史さんとも久々の邂逅を果たしています。
公式のCDリリースとしては、シングル 『Love Rainbow』(2009年9月) くらいでしたが、映画やドラマで楽曲が起用される機会が多く、いきおい曲が貯まり・・・ニューアルバムは、そうしたごく自然の流れで完成しました。
アルバム 「魔力」 は2010年11月17日に発売され(オリコンチャート23位)、翌年2月から全国ツアー 「Tour2011 Powder」 を敢行。
なお、2011年3月11日は、故郷・福岡でのライブでした。
その後、2012年には 「Tour2012 Hello,Goodbye」、2013年は 「Tour2013 Missing」 と、盛況のなか元気に完走しています。
このアクティヴな活動ぶりは、もしかしたら旧友である筑紫哲也さん(2008年11月)、長年ディレクターを務めた盟友・金子章平さん(2011年10月) と、身近な人を喪ったことに対するアンサーでもあったかも知れません。
井上陽水氏は、この8月30日で65歳。
デビューから44年・・・これからは出来たらどんどんと、新作アルバムも作っていっていただきたいと思います。
前述のとおり、アルバム 「魔力」 は、非常にタイアップ楽曲が多く、『Love Rainbow』 は資生堂 “ザ・コラーゲン” のCMイメージソングに起用されました。
ピアノ独奏のみで歌う冒頭の静かなバラード 『覚めない夢』 は、NHK スペシャルドラマ 「さよなら、アルマ」 の主題歌。
『赤い目のクラウン』 は、行定 勲監督の映画 「今度は愛妻家」(主演:豊川悦司/薬師丸ひろ子,2010) の主題歌です。
長年陽水氏のファンだったという行定監督は、当初 『帰れない二人』 をイメージした主題歌を希望していたところ、出来上がった曲はまったく違うテイストで面喰ったそうです。
しかし助監督以下の若いスタッフには、『帰れない二人』 よりぜんぜんいい、と好評だったとか(笑)。
ちなみに劇中には薬師丸さんが 『夢の中へ』 を口ずさむシーンもあるとのこと。
『LOVE LILA』 は、写真家 操上和美(くりがみ・かずみ,♂)さんの監督デビュー作 「ゼラチンシルバーLOVE」(主演:永瀬正敏/宮沢りえ,2008) の主題歌。
映画の音楽監修も陽水氏に頼んだ操上さんは、かつて写真集と PV で、陽水氏を撮影していました。
また、今作では女性シンガーとの共演が多いのも特徴。
還暦を過ぎ、かつての高音の張りが落ちてきたのを自覚したのかも知れません。
全体的に曲の音域が低くなった代わりに、女性コーラスの高音を使ってアレンジの幅を広げました。
結果、曲調に今までにない響きが出る効果が生まれ、この試みは成功したと思います。
『BLACK SISTER』 でのleccaさん、『世界はミステリー』、『Love Rainbow』 での我那覇美奈さん、Rie fuさんと、素晴らしい歌唱で、実に耳心地の良いコーラスです。
娘・依布サラサさん経由で声をかけたらしい(笑)。
そして本作中、いちばん話題となったのは、NHK 「ブラタモリ」 のエンディング曲として提供した、『MAP』。
親友タモリさんのゆる~い街歩き番組のために、わざわざ書き下ろした1曲・・・タモリさん・陽水氏がこんなふうに交友関係をオープンにするのは意外にレアなことです。
「おれがやるんだから、街歩きといったって情緒的なものはないんだけどね・・・でも最後にこの曲が流れると、なんかイイ番組を見たような錯覚がするからスゴい(笑)」
と、タモリさんらしい感想を述べていました。
それでは、最後にアルバム 「魔力」 から 『Love Rainbow』、そして 『MAP』 を続けてご紹介♪
今度ニューアルバムが出たとき、またこの企画は帰ってきます。
全29回にわたり、ご覧をいただきありがとうございました。
「魔力」
井上陽水
古今東西あまり関係なく、みつまめのお気に入りレコードを披露している「このレコ!」、今回は邦楽フォーク&ニューミュージックから、井上陽水氏のアルバムです。
1st から順を追って陽水氏の作品を取り上げていこうと試みて、約1年。
これが現時点での最新作のため、本日が “井上陽水アルバムシリーズ” の最終回となります。
実はおととし4月、当ブログ第1回 「このレコ!」 で、この 「魔力」 を記事にしているのですが、当時はブログ始めたてで文章が不慣れでした。
まだ動画も貼れませんでしたし、書き漏らした話も多いため、今回 “増補版” として、もう1回改めて書いてみたいと思います。
「魔力」 (2010年11月17日発売)
1.覚めない夢
2.BLACK SISTER
3.69(SIXTEEN NINE)
4.世界はミステリー
5.赤い目のクラウン
6.TWIN SHADOW
7.G-ROCK
8.MAP
9.Love Rainbow
10.LOVE LILA
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
前作 「LOVE COMPLEX」 から4年5ヶ月、陽水民生ユニット 「ダブルドライブ」 から3年9ヶ月・・・長いインターバルのわりには、この間の陽水氏の動きは活発でした。
毎年だいたい春から夏にかけて大規模な全国ツアーを敢行し、夏のフェスティバル系イベントへの出演も積極的。
特に Mr.Children と共演した 「ap bank fes」 では、かつて共作した小林武史さんとも久々の邂逅を果たしています。
公式のCDリリースとしては、シングル 『Love Rainbow』(2009年9月) くらいでしたが、映画やドラマで楽曲が起用される機会が多く、いきおい曲が貯まり・・・ニューアルバムは、そうしたごく自然の流れで完成しました。
アルバム 「魔力」 は2010年11月17日に発売され(オリコンチャート23位)、翌年2月から全国ツアー 「Tour2011 Powder」 を敢行。
なお、2011年3月11日は、故郷・福岡でのライブでした。
その後、2012年には 「Tour2012 Hello,Goodbye」、2013年は 「Tour2013 Missing」 と、盛況のなか元気に完走しています。
このアクティヴな活動ぶりは、もしかしたら旧友である筑紫哲也さん(2008年11月)、長年ディレクターを務めた盟友・金子章平さん(2011年10月) と、身近な人を喪ったことに対するアンサーでもあったかも知れません。
井上陽水氏は、この8月30日で65歳。
デビューから44年・・・これからは出来たらどんどんと、新作アルバムも作っていっていただきたいと思います。
前述のとおり、アルバム 「魔力」 は、非常にタイアップ楽曲が多く、『Love Rainbow』 は資生堂 “ザ・コラーゲン” のCMイメージソングに起用されました。
ピアノ独奏のみで歌う冒頭の静かなバラード 『覚めない夢』 は、NHK スペシャルドラマ 「さよなら、アルマ」 の主題歌。
『赤い目のクラウン』 は、行定 勲監督の映画 「今度は愛妻家」(主演:豊川悦司/薬師丸ひろ子,2010) の主題歌です。
長年陽水氏のファンだったという行定監督は、当初 『帰れない二人』 をイメージした主題歌を希望していたところ、出来上がった曲はまったく違うテイストで面喰ったそうです。
しかし助監督以下の若いスタッフには、『帰れない二人』 よりぜんぜんいい、と好評だったとか(笑)。
ちなみに劇中には薬師丸さんが 『夢の中へ』 を口ずさむシーンもあるとのこと。
『LOVE LILA』 は、写真家 操上和美(くりがみ・かずみ,♂)さんの監督デビュー作 「ゼラチンシルバーLOVE」(主演:永瀬正敏/宮沢りえ,2008) の主題歌。
映画の音楽監修も陽水氏に頼んだ操上さんは、かつて写真集と PV で、陽水氏を撮影していました。
また、今作では女性シンガーとの共演が多いのも特徴。
還暦を過ぎ、かつての高音の張りが落ちてきたのを自覚したのかも知れません。
全体的に曲の音域が低くなった代わりに、女性コーラスの高音を使ってアレンジの幅を広げました。
結果、曲調に今までにない響きが出る効果が生まれ、この試みは成功したと思います。
『BLACK SISTER』 でのleccaさん、『世界はミステリー』、『Love Rainbow』 での我那覇美奈さん、Rie fuさんと、素晴らしい歌唱で、実に耳心地の良いコーラスです。
娘・依布サラサさん経由で声をかけたらしい(笑)。
そして本作中、いちばん話題となったのは、NHK 「ブラタモリ」 のエンディング曲として提供した、『MAP』。
親友タモリさんのゆる~い街歩き番組のために、わざわざ書き下ろした1曲・・・タモリさん・陽水氏がこんなふうに交友関係をオープンにするのは意外にレアなことです。
「おれがやるんだから、街歩きといったって情緒的なものはないんだけどね・・・でも最後にこの曲が流れると、なんかイイ番組を見たような錯覚がするからスゴい(笑)」
と、タモリさんらしい感想を述べていました。
それでは、最後にアルバム 「魔力」 から 『Love Rainbow』、そして 『MAP』 を続けてご紹介♪
今度ニューアルバムが出たとき、またこの企画は帰ってきます。
全29回にわたり、ご覧をいただきありがとうございました。