7月11日、NHK BSプレミアム 《プレミアムシネマ》 枠で放映した 「ゼロ・グラビティ」 を観ました。

 映画通のブロ友さま、ドキドキ感さんがずいぶん前に記事にされていたので良い機会でした(→こちら)。

 

 オリジナルは2013年10月、ワーナーブラザース配給公開の 「GRAVITY」。原題は無重力(ZERO GRAVITY)の宇宙空間との対比で、重力ある地球の偉大さ、ありがたさを強調したものでしょうけど、内容からすると邦題の方が良いのではないでしょうか。

 

 主演はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニー。ザ・ハリウッドというスター中のスターで、しかもふたりしか演者がいないという。

 

 

 

 

 サンドラ演じるライアン・ストーンは医療技師としてスペースミッションに初参加。クルーニー演じるマット・コワルスキーと、船外活動としてハッブル宇宙望遠鏡の修理に従事していたところ、ロシアの人工衛星からのスペースデブリが大量に襲来し、ふたりは宇宙空間に投げ出されます。

 

 戻るべきスペースシャトルはデブリで破損し乗組員は全員死亡。地上との交信も途絶え、宇宙服の酸素は残りわずか。絶体絶命の状況に錯乱するライアンを励ますマット。ふたりが生き延びるスベなどあるのでしょうか......

 

 宇宙が舞台の大スケール巨編にしては上映時間90分とコンパクト。エンドロールが長いので、賞味80分強でしょうか。昔の邦画だったら二本立てサイズですね。

 

 というのも、物語はいきなりの船外活動シーンに始まり、トラブルに見舞われるのが早いのです。混乱と絶望のなか、励ましあうためにふたりは多弁になり、軽口まで飛び交うのですが、その会話のなかでライアンとマットの人間性や背負ってきたものが明らかになるという趣向。この演出が成り立つのは、サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーだからという気もしないではないですが...

 

 ひとつ危機を乗り越えたら、また難題が発生する連続で最後の最後までいきます。おかげでどういう結末を迎えるやら、文字どおり息が詰まりっぱなしで中座を許してもらえず、一気見を余儀なくされました。

 

 ふたりの、とくにサンドラ・ブロックの演技は絶賛されたそうで、なるほど納得の名演。自分だったらこんな状況になると確実に発狂する自信がありますから、ライアンのように絶望と希望のはざまで乱れるメンタルにはなりませんが。

 

 そして、何より特筆の映像美。

 まるで本当に宇宙ロケしてるようなリアリティの光景と、無重力を漂うシーンには、技術の粋を感じました。こんな画を観させられたら、昭和の特撮など幼児すらダマせない(笑)。

 

 本作は製作費1億ドルで、配収7億ドルと大ヒット。各映画賞でも多数受賞の高評価で、今やレジェンド映画に数えられてるそう。遅ればせながら良いものを観ました。もっとも、この映画をみてアストロノーツに憧れる人はいないでしょうね...