「孤独のグルメ」原作漫画とドラマと | 恋着、横着、漂着 遊び盛りゆるゆるのびのび60代

恋着、横着、漂着 遊び盛りゆるゆるのびのび60代

2年早く退職して機能と効率のタガを外すことが出来ました。
人生をゆるゆるのびのびと楽しんで味わって行きたいと思う60代です。

 作画は谷口ジローであると知り、早速買って読んだ。で、ドラマとは趣がかなり違っていると分かり、なあんだ、原作からまるでかけ離れてしまっているじゃあないか、漫画の方が面白い・・・といったようなことをしばらく前に書いた(確かめて見ると去年のの7月23日だった)。

 その後、年末から年頭にかけてドラマの再放送があったので、何となく観始め、実は今も観ている。

 で、ドラマはドラマで確かに面白い。

 登場する各地の外食店は実在していて、ある時、違うテレビ番組を観ていたら、「このドラマに出ていたから食べにやって来た」というミーハーファンが少なからずいるということを知った。いや、今時でもテレビ番組がミーハーファンを作るのかと少々驚いた。

 私が時折、行く下仁田駅周辺の「豚肉のすき焼き」を出す店もそのひとつだった。店は客でごった返していた。

 私はその手合いではないので、その番組を観ながら、ああ、あの辺だな、駅からそう遠くないなあ、それにしても下仁田駅や上信電鉄の電車がこんな風に出て来るのは何だか、より身近に感じていいもんだなあと思ったものである。

 

 それはそうと、私がドラマの方に感じる面白さは何かといえば、それは大人の「社会科」として学べる、考えてみることが出来る点である。

 例えば、海外の料理も多く紹介される回がある。

 料理の品目やら何やらは、それほど記憶に残ってもいないし、紹介された料理を是か非でも食いたい!などとは思わない。

 それでも、ある回で「南インド料理」が出て来た時は、思わず引き込まれた。

 「南インド料理」と言うからには「北インド料理」もあるはずで、その違いは何か。少々検索すると、北と南ではかなり気候が違う。民族の違いは錯綜としていて簡単には語れないが、気候は氷点下にもなる時期のある北と熱帯の南とでは大きく違っていて、カレーに添えるのは南では米、北ではナンになるという。

 ふーむ。ということは、私が食べている「キーマカレー&ナン」は大雑把に言えば、北インド料理というわけだ。

 

 ブータンの料理が登場した回もある。

 「ブータンに関わって三つキーワードを挙げよ」なんていう課題を自分に出したとすれば・・・

 「仏教の国」「未だ王制の国」「幸福度の一番高い国」だろうか。

 じゃあ、その他に何を知っているかと問われれば・・・ほぼない。

 で、ドラマはブータン料理がトウガラシ尽くしであることを教えてくれるのだ。

 へーっ・・・・。まるで知らなかった。

 

 つい最近では群馬県の高崎駅周辺がドラマの舞台になっていた。

 高崎駅は、遠からず乗ってみたいと思っている上信電鉄の始発駅である。その駅前商店街は・・・と主人公が歩いて行くと、地方の街中商店街に例外なくつきまとっている寂れた風景が目に飛び込んでくる。シャッターが閉められたままの空き店舗が少なくない。

 だから、ただ能天気に高崎駅から上信電鉄に乗り、下仁田駅まで行って帰って来ればいい・・・とはならないのだ。

 

 芸人だのタレントを適当に使い回して垂れ流し風に作られる旅行グルメ番組と違って、しっかりと台本も練られた、チラ見に終わらせられないドラマである。