トルコ、イスタンブールに関わって | 恋着、横着、漂着 遊び盛りゆるゆるのびのび60代

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2年早く退職して機能と効率のタガを外すことが出来ました。
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 イスラムの国、地中海の国を知ってゆくのに、トルコに焦点を当ててみようと考えていて、清水義範の『夫婦で行くイスラムの国々』を買って読んでいる。イスラム諸国片っ端から旅行初心者としての体験を気取らず書いているので、親近感を持てる。

 人の良さ、料理の美味さ ( 日本人の口に合う」と書いている ) 、親日の背景への作者の仮説などもフムフムと頷ける。

 ただし、カッパドキアなど自然界のもたらした絶景、奇観などには、私はあんまり関心がない。『世界の車窓から トルコ編』でも紹介されていて、映像のリアルさがあるから、まずはこっちの方こそ観る者を惹き付けるはずだが、私にはやっぱり同じだった。人間の作った町のたたずまいに関してなら心は動くのだが、どうも大自然の云々というのにはさっぱりである。

 なお、清水義範は、本作の中で、「とりあえずイスラム教は横に置いて」 色々と現地と人々を観察している。この人さえ「横に置く」のだから、イスラム教なんてそんなに簡単に分かるようなもんじゃないよなあと改めて安心した。自分も、ゆっくり、好奇心に任せながらの宿題にしておけばいいのだ。 

 

 ところで、その国、その都市、町、村を知るには、何といっても映画が手っ取り早いと思っているのだが、そういえばトルコ映画って観たことあったかなあ ? と記憶を辿りながらネット検索していたら、一本だけ観ていたことを思い出した。

 

 「蜂蜜」という映画である。

 数年前に、友人とのオールナイト上映の際、レンタルショップで気まぐれに借りて観たのだった。2010年の作品で、養蜂家の家族を描いたものだ。かつて観た「ミツバチのささやき」にも通じる、精霊の存在も幼い主人公に間近な、静かな佇まいの映画だったが、ちょっと結末が思わせぶっていて、「ミツバチ・・・」ほどには感情移入できなかった。それでも、描かれている山村の家族の暮らしぶりは、現代都市のそれとは対極にあり、浮足だったようなものではない代わりに貧しさが常にある。

 同じ養蜂家でも、「ミツバチ」と違って、こちらは稼ぎ手の父親が山中に分け入って、ミツバチの巣そのものを探して捕るという、貧しい兼業農家 ( だったっけ ? ) で、トルコの農村に暮らす人々についてのイメージの一助になった。いや、もちろんフィクションではあるけれど。

 

 なお、今年の東京国際映画祭で出品された一本に「シレンズ・コール」というトルコ映画があったらしい。

 テーマは現在進行のイスタンブールが抱える高度成長驀進真っ只中の問題群・・・まあ、およそ人間置き去りという・・・に対する風刺だそうで、ちょっと観たいと思ったが、残念ながらDVDになっていない。 ( そのうち、なるのだろうか? ) 

  ただ、観ないながらも、想像は出来る。だって、それって国境を超えた現代都市の普遍的な問題だよなあ、と。

 

 澁澤幸子の本は、これから読む予定だ。

 

 

 《 追記 》 そうそう、この「おじいちゃんの里帰り」という映画。しばらく前に、ある上映会で紹介されていた。幸運にも地元のレンタルショップで在庫アリと確認出来たので、近々、観ようと思う。