愛か妄想か「愛を綴る女」2017(40) | Mの映画カフェ♪

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映画の感想など


 MAL DE  PIERRES
2016年 仏

監督 ニコール・ガルシア
主演 マリオン・コティヤール(ガブリエル)、ルイ・ガレル(ジョゼ)、アレックス・ブレンデミュール(アンドレ)他

南仏の小さな村で
両親、妹と暮らすガブリエル。美人だけれどやや情緒が不安定

教師に一方的に熱を上げ騒ぎを起こし、部屋に閉じこもる。
心配した母親はスペイン人の労働者ジョゼとガブリエルを引き合わせる

なぜこの人?と思いますよね観ている私たちも。だって

ガブリエルは文学や音楽に造形の深い、知性的な男性が好みで
病気の治療のため滞在した療養所で
育ちのよい小佐(中佐?)アンドレにひかれるが、彼は重い病を患っていた。

フランス映画らしいメロドラマ…と思いきや、
えっ!ええっ!という展開が待っています。

夢見がちでわがままで、自分の心と身体をもてあましていた少女が
大人になっても妄想から脱け出せない。

夢や理想を追い求めるのか幸せか
地に足のついた生活が幸せか

結局、母親の娘を思う気持ちと人を見る目がいちばん正しかった!という話かも

真面目に働きガブリエルを支えるジョゼが
何を知っていて
何を黙っていたのか

最後はじわっと胸が熱くなります。

ガブリエルの服がほとんど青みがかったグリーンなのが興味深かった。途中グリーンのソファが印象的な部屋も出てきます。

女性監督ニコール・ガルシア、女優なんですねぇ

マリオン・コティヤールは美貌に加えて心のこもった演技、といいますか目の離せない女優です。この映画も良かった。面白かった!

さてさて
今週末にフランソワ・オゾンの新作がひっそりと公開されるし(シネスイッチのみ!)
単館といえばイメフォの「立ち去った女」も必見よね。
さらにソフィア・コッボラが監督したオペラ「椿姫」(を映画にしたもの)、
「ブレードランナー2049」の前に前作のファイナルカット版も観ておきたい。

ってこれ全部は無理なんじゃない!?

(10月16日 ヒューマントラストシネマ有楽町)