良作!「マンチェスター・バイ・ザ・シー」2017(27) | Mの映画カフェ♪

Mの映画カフェ♪

映画の感想など


Manchester by the sea
2016年アメリカ

監督 ケネス・ロナーガン
主演 ケイシー・アフレック、ルーカス・ヘッジズ、カイル・チャンドラー、ミシェル・ウィリアムズ他

閉館したお台場のシネマメディアージュが
ユナイテッドシネマになって復活!

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」が少し遅れて公開されました。

・・・・・・・・・・
圧倒的な悲しさ
それでも人生は続く
・・・・・・・・・・

ボストンにあるアパートに住み込み
管理人の下で、水回りの修理等の仕事をするリー
仕事ぶりは真面目だが愛想がなく口の悪いリーに
兄の訃報が届く

久しぶりに帰った故郷でのあれこれ
という映画、最近多くないですか

しかしこれは良い
丁寧な脚本と繊細な演技と美しい風景の
完璧な融合と思いました。

リーと甥のパトリックの何気ない会話や
日常のシーンの積み重ねで
それぞれの人となりが浮かび上がってきます。
説明的な科白は一切なく、
無駄とも思えるシーンに実は無駄がない。

そのため、リーの抱える悲しさが自然に胸に迫ってきます。
元妻とばったり会うシーンがすごく悲しかった
どちらも自分の非を認め
許して欲しいと願っても
元に戻ることはできない。

おそらくリーは許して欲しいとさえ思っていない
自暴自棄という言葉がぴったりくるが

それでも高校生パトリックのために、最大限の配慮をする

パトリックの描写がまたいい。
二人のガールフレンド
バンドの練習、別れた母親、その夫、
父の遺した船…

ガールフレンドの母親や
バンド仲間(ドラムの子!)がまたいい味をだしています。
手抜きのない脚本はすぐれた小説を読んでいるよう…

突然訪れる別れに
私たちはなかなか対処できない

圧倒的な悲しみの前で
なすすべを持たず、途方に暮れるリーや
その家族、友人の日々を

もっとずっと観ていたくなりました。

(6月28日 ユナイテッドシネマズ アクアシティお台場)