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SINCERO-FF

主にサイトに投下していたSJのFFCP話を放り込むブログです。閲覧の際にはご注意ください。


「ジョンウニヒョーン」


今日はドンへが先か。そうため息をついて読んでいた雑誌を膝におく。

ドンへは放っとかれることを大層嫌う。
スキンシップをテレビの前の演出としてだけやってるんじゃなくて、素でもしかけてくるから対処がたまにめんどくさい。

だけど、寂しがり屋で怒りっぽい彼の手にかかれば、俺が読んでいる雑誌だって放れば真っ二つに裂けるだろうからきちんと相手してやることに決めている(お察しの通り、一度破かれたことがある)。

膝に置いて少し間があいて、背中に衝撃が走った。遠慮がないのはいつものことだけれど、さすがにそろそろ俺の年を考えてほしいものだ。


「ジョンウニヒョン、何読んでたの?」
「んー?ファッション雑誌だよ。俺がいつも読んでるやつ」
「ジョンウニヒョン、顔に似合わずおしゃれ好きだもんね」
「おい」


言動まで遠慮がないのかお前は。睨みつけると、んふふ、と笑っている。顔は見えないけれど、いつもの犬のような笑みを浮かべてるんだろう。その笑顔を見ると怒る気も失せてしまうのは秘密だけれど、こいつはどうせ狙ってやってるんだろうな。

首に回していた手をそのままに、ずりずりとソファから俺の太ももにドンへが落ちてくる。大きいソファはこういう時に無駄に役立つから嫌だ。


「ドンへ、重い」
「最近鍛えたからね!重くなってる?」
「筋肉の重さじゃないかもしれないだろ?最近よく食べてるし」
「違うよ!よい筋肉にはよい食事が必要なの!」
「そうかぁ~?お菓子はよい食事には入らないだろ?」


ヒョ~ン....と腰に抱き着いて泣き真似をするドンへの頭を、ごめんごめん、なんて嘯きながら撫でてやる。
パーマをかけてふわっふわの髪の毛。あまり大きく色を変えないドンへの髪の毛は、俺と違って傷んでなくて綺麗だ。手櫛でもするするとぬける髪の毛が羨ましい。

そのまま顔を覗き込むと、ふっと顔を上げたドンへと目が合う。
予想以上に近い距離にたじろんで顔を離そうとする俺の首を、大きい手がつかんで。
そのまま顔が近づいて、唇が触れそうになった......瞬間。

ぐいっと肩を別の力で引き寄せられた。


「っん!」
「.....っは、駄目でしょヒョン。最初は俺だって」
「ヒョク!!」


軽いバードキスのあと見えたのは予想通りヒョクチェだった。
そろそろ来るかとは思ってたけど本当に来るなんて。こいつら飽きないな。


「この前もヒョクが先だったろ!」
「俺がいない間にいちゃいちゃし始めるお前が悪い」
「ヒョクが仕事でジョンウニヒョンのことほっとくからいけないんだよ」
「仕方ないだろ、ダンスの練習あったんだから!」


そしてそのまま俺をほっぽって喧嘩しだすウネコンビ。このあと喧嘩がヒートアップして、どちらかの自室にひきこもる。次の朝には何事もなかったかのように仲直りしているのが、いつもの流れだ。

仲がいいのは良いけど、いい加減俺を巻き込むのやめてほしいんだけどな......

いつからだか知らない。最初は普通に二人だけで普通に過ごして、たまに起こる喧嘩のときぐらいにしか俺のところになんて来なかったのに。最近、『ヒョクチェかドンへのどちらかが俺のところに来て→そのあと来てない方が来て→喧嘩に発展』なんてことが多い。というかほとんどだ。

なんでそんな喧嘩を繰り返しているかは、喧嘩のたびにある俺へのキスで大体予想がつく。

確かに嫉妬してもらう相手には、スキンシップが好きで弟大好きな俺が一番都合がいいのは分かるけど。
キスとかしても冗談ですませる相手が、俺だった。
あいつらはお互いを好き合ってる。

それこそ、俺にキスまでして嫉妬してもらいたいぐらいに。

今まではまあいいか、と思っていた。
スキンシップが好きなのも事実だし、そうやって絡んでくれるのは嬉しいから。

だけれど、最近そこにあらぬ感情を見出しそうになっていて、怖いんだ。
このままじゃ好きになってしまう。
そうやってキスをして、ヒョクチェと、ドンへと、穏やかに過ごす時間が愛おしくなってしまう。
それじゃあ駄目なんだ。
今日こそ、言わなければ。せめて、俺以外の誰かに絡んでくれるように。

はあっとわざと大きめにため息をついて、いまだに喧嘩を続けるヒョクチェとドンへを見上げる。いつにない俺の態度に気づいたのか、言い合いがぴたっと止まった。


「ジョ、ジョンウニヒョン....?」
「――お前らさ。なんでわざわざ俺のとこ来て絡むの?」
「え?」
「痴話喧嘩はいいけど、俺を巻き込むなよ。妬いてほしいほど好きならさ、お前らはせっかく両想いなんだし直に伝えればいいだろ?いい加減迷惑だって。」


一息に言い終えてからはっとする。
....さすがに言い過ぎたか....?
まあ、この二人は少しきつく言わなきゃわからないところもあるし。うん、今回に関しては俺何も悪くないし。
黙ってしまった二人の顔を見るのもなんだか気が引けて、ソファに座りなおして机に置いた雑誌に再び手を伸ばす。

伸ばそうとした。

伸ばそうとしたその手は、気づいたらソファに押し付けられていた。


「いっ....!おい!なにすっ...!」
「ジョンウニヒョンは何もわかってないんだね。」


低い声に背中を冷たい汗がつたう。
いつものとろけたような表情は浮かべてない、無表情のドンへに息をのんだ。
そんな俺の頭側からヒョクチェが覗き込んでくる。笑顔を浮かべているけど、愛嬌なんて微塵も感じない。目が笑っていないってこういう笑顔の事を言うんだな、なんて他人事のように思った。


「好き合ってる?俺たちが?どういう思考したらそこに行きつくの。」
「ね、ジョンウニヒョン。俺たちさ、きちんと待とうと思ってたんだよ?ジョンウニヒョンは二股とか嫌そうだなーって思ったから」
「キスまでってドンへと決めて。とりあえず意識してもらって、それから二人で伝えようって思ってたんだ。どっちか選んでもらおうってね。だけどまさかこんな鈍感さんだなんてさ」

口をはさむ間もなく言われて目がぐるぐる回った。
え?なんだ?お前ら付き合ってるんじゃないのか?二股?選ぶ?何の話だよ。
混乱している間にも、ドンへの力は緩まない。ギリ、と痛くなってきて反射的にヒョクチェを見るも、一層笑みを深くして顔を近づけてくるだけだった。


「ところでさ、ジョンウニヒョン。さっき『お前らは』って言ってたけど.....好きな人でもいるの?」
「片思い中なの?ね、ヒョン」


変なところで勘の良いヒョクチェに舌打ちしたい気分になった。
――こんな状況で「お前らが好きなんだ」なんて言えるわけないだろ!
そんな思いをこめて睨みつけても、目の前の二人にはなんの効果もなかった。
逆にそれが肯定の意味だととったのか、一気に不機嫌な顔になる。


「ふーん。いるんだね」
「でも、駄目だよヒョン。俺らこんなに我慢したのにさ.....」
「ね、ヒョン。もう遠回しになんてまどろっこしいことやんない。」


体に直に伝えるから、覚悟してね?

そういって極上の笑顔を顔に浮かべる。

ここじゃ嫌でしょ?俺の部屋行こうよ。なんて手を引くヒョクチェの手も、

ジョンウニヒョン、大好きなんだよ。俺もヒョクも。なんていつもより深いキスをするドンへの唇も、




拒めなかったのは、







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