ここ一週間に日本人のクライエントさんと、
そもそもセラピーとは何か
についてお話しする機会が何度かありました。
忙しいから、と言って休みがちになったり、
最近調子が良いから、行かなくていいや、とか
一週間に一回のアポイントメントは多すぎる、
と思うのは、
日本の方に多い様子です。
それも無理はないかもしれないですね。
人生数十年、心理セラピー無しでも
生きてこられた。
だから、セラピーは行かなくても良いもの。
という考えの方が、今の日本ではほとんどのはず。
実際にクライアントさんに伺ってみました。
この方は、最初の下見に一回いらして以来
2か月間予約を入れられなかった
みぞれさん。
これから、セラピーをしますか?
という質問にみぞれさん。
「自分の調子がよっぽどひどくならない
限り、来ない方が良いかなと思って。」
来ない方が良い?
「他人がどう思うか、とか考えたり。」
「ま、別に自分がセラピーを受けることを
人に言うわけではないんですが。」
どう思われると思いますか?
「何か、精神的にヤバい人って。」
なるほど。
みぞれさんの経験としては、
日本で心理セラピーに
かかっている人というのは、
仕事が出来なくて休む人や
言動がおかしな人しか
知らないから、とおっしゃいました。
なるほど。
実際に、私のマサチューセッツのオフィスに
来られる日本人の方達も、
ストレスを貯めすぎて、いよいよ
機能出来ない状態になってから、
いらっしゃる方が多いです。
別の言い方をすると、
虫歯がかなり進行して、
歯に穴が開いて、
痛くて仕方がなくなってから
歯医者に足を運ぶ、
というのに似た状態と言いましょうか。
そういうケースが多いです。
そうすると結果的に
病気の人だけが
セラピーを利用するように見えてしまう
のかもしれないですね。
「はい。」
でも、だからと言って、セラピーは
機能できなくなったの人だけのものという
わけではないのですが。
というお話しをしました。
それと、
ストレスのない人って居ないですよね。
というお話と、
虫歯になったことのない人も
歯の定期健診には行きますよね。
(日本ではまだ保険が
きかないのが難点ですが。)
というお話も。
又、
どうしても嫌いなタイプの人間というのが
居るとします。
自分はなぜか、こういうタイプの人を見ると、
自分の感情が、毒された感じになる、
という場合。
「あぁ、います居ます。」
人は、時が去れば、問題が解決したと
思いがちです。
「違うんですか?
完璧に忘れるとは思いませんが。」
忘れていたと思っていた過去の古傷が、
似たような人に出会って、
再び無意識にうずく、そんなものです。
問題を解決せずに忘れようとして
無意識に押し込んでしまうと、
ふとした時に、
時々そんな悪さをすることもあるんです。
「わかる気もします。」
それを掘り起こして、
埋まっていた、毒素を放出してやって
すっきりする。
そんなもんです。
というお話も、させていただきました。
ずっと静かに聞いておられた、みぞれさん。
みぞれさんの場合は、
これから
お子さんがお生まれになるということ。
みぞれさんなりに、以前から
セラピーにかかっておいた方が良いかな、
と思う理由があったそうです。
みぞれさんは、そう意識している分、
ずいぶん意識が高いです。
子供は、親が無意識に感じたり
したりすることを、すべて感じて
観察して、
その弱い部分を自分のものにしてしまう。
親が隠している弱さも
全て見抜いていて、
反発しながらも吸収してしまう
そんな存在ですよね。
それに、子供が将来
ストレスの貯めにくいか
ストレスが解消しやすいかは
親の心の健康の状態と
直結しています。
というお話になった時、
「私は割と、ストレスを貯めやすい方
だと思います。」
と、おっしゃっていました。
そこで私がお話ししたのは、
どんなに精神的に健康な人でも
お子さんが産まれてお母さんになると
心配の度合いが上がる、
ということ。
それは守る存在ができるから、
本能的なものである、と。
真剣な目で聞かれるみぞれさん。
けれど、親の不安が
知らないうちに
子供の心の締め付けたり、
伸びる芽をつぶしてしまうことも
多々ありますね。
子供が歩き出したり、
成長が進むにつれ、
その時々に心配事が増えるのも
自然ですよね。
逆に、子供は
「守られること」と同時に
「信用されること」も必要で、
心配されすぎると、
「自分は信頼されていない」と
感じ始めることも。
「信頼されていない」と意識する子供の
行動が悪化することはよくある事。
頷いて聞いておられます。
思春期の頃になって、
子供との関係の糸が
こんがらがって、ほつれない状態になってから、
「私は息子のしつけの
どこをどう間違えてしまったのかしら?」
と悩むのではなく、
赤ちゃんが生まれる前の今現在、
既にこのセラピーの部屋に来て居られる
というのは、かなりすごいこと。
まだ、ほつれる糸も存在しないうちに、
自分の水面下の意識を知っておく
というのは、親としての成功を
考えたかったら、一番良い出発方法
ではないでしょうか?
と言ったとたん、
はっとした顔をされておられました。
他にも、
仕事が大変で、
時間がなくて、
という理由で来られない人の例も
あげてみました。
「私、別に仕事しているわけでもないし
家にいるだけなので、来てみようかな
と思います。」
みぞれさんは、よく考える人のようです。
さらに、
「妊娠中、眠くて
家を出るのがおっくうで。」
と、
昼間数時間寝ることもしばしばと、
素直におっしゃいました。
それも、セラピーの予約を入れなかった
理由なのかもしれません。
ところで、みぞれさん。
体を動かされること、何かしておられますか?
と伺ってみました。
「運動ですか?」
激しい運動、とまではいかなくても
歩くとか、家で体操をするとか。
「いえ、風邪ひかないように、
雨の日や寒い日は、出ないように
していました。なるべく動かない方が
いいかと思って。」
家にこもると鬱になりやすいですよ。
逆に鬱や不安を、歩いて治す人も
居ますよ。
「え!?そうなんですか?」
体を動かして血行をよくした方が、
もちろん赤ちゃんにも良いでしょうし、
脳に酸素が運ぶと、
脳全体が機能して、
気持ちも楽になるんですよ。
「それって、散歩が気分転換に良い、
というよりも、もっと深い意味がありそうですね。」
みぞれさんには、とても納得できる
お話だったようです。
そんなお話しも、
これからゆっくりしていきます。