彫刻家 渡辺 知平さん 第5回 ~ 彫刻で空間ではなく「場」を作りたい ~ | 幸せな人が集まる会社 株式会社みんなの学び場 公式ブログ

彫刻家 渡辺 知平さん 第5回 ~ 彫刻で空間ではなく「場」を作りたい ~

みなさま こんにちは。

彫刻工房くさか 日下育子です。


今日は素敵な作家をご紹介いたします。

彫刻家の渡辺 知平さんです。



渡辺 知平さん



前回登場の杉 英行さんからのリレーでご登場頂きます。

  彫刻家 杉 英行さん 第1回  手記   第2回   第3回   第4回   第5回  

渡辺 知平さん

第1回   ~ 自分のものを作れるようになった頃  ~ 

第2回   ~子供の頃、眠るのが怖かったことと、温室体験 ~ 
第3回   ~過去と僕が出会う場所を想いながら  ~ 
第4回 ~水の表現と, 想い出の表現と  ~ 

最終回の今日は、渡辺 知平さんが彫刻で目指すこととして
空間ではなく「場」を作りたいというお話をお聴かせ頂きました。


また日頃の制作環境についてお話くださいました。


2014年3月6日のインタビューを再放送でお送りします。


どうぞお楽しみ頂ければ幸いです。


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o1
水平なガラス  2010
ガラス  水  アクリル
3600×2700









e3





水面
鉄 ガラス 水 石 鉄筋(H2000)
900×900×70 6~9ピース

2010年





s1





s2

SHIZUKA NO FUNE
木 ガラス 金箔
ガラス 3500×3800×380
木部  1700×400×300




h1

HIRAISHIN  2010
鉄 銅 アクリル 水 植物
1500×250×70

(以下、4点部分写真)



h6



h9



h10



h8

HIRAISHIN  2010   
鉄 銅 アクリル 水 植物
1500×250×70

(以上4点部分写真)





i4




NAKANOHARU  2011
鉄 ガラス
1500×1000×1000






日下
社会との接点の想いについて、お伺いしているのですが
何か意識されることはありますでしょうか。





渡辺 知平さん
個々の作品を通して、とうことなんですよね。



日下
個別の作品の表現内容で社会を意識することがあるかどうか
ということでもありますでしょうし、
彫刻ですと例えば設置するとか、

彫刻そのもので社会とかかわるということがありますよね。

ですので、その両方の意味で想うところがありましたらお聴かせ頂けますでしょうか。



渡辺 知平さん
ていうか、具体的に社会と関わるという方もいらっしゃるでしょうけど
僕はそんなにあんまり無くて、彫刻は一つの空間を支配しますよね。


それ以上に場というか、作品が作り上げる場というか、
パワースポットとか言う、いわゆる場ですね。
その場を作りあげることができて、それを観てくれた方との関係性みたいなものが
当然生まれるかと想うんですけど時空が交錯するような場。


その発表の場が限られているので、
もう少し僕も表に出そうかなとは考えています。



日下
はい。
その方向性はとっても素晴らしいですね。(感動!)



渡辺 知平さん
もうちょっと積極的に場を作り上げられたらなと想います。



日下
そうですか~。
今は主に、自由美術協会展と横浜美術協会展に出品されていますね。



渡辺 知平さん
あとグループ展をしていますが、来年にはまたここのパロスさんでは
個展をやろうと想っています。

後は野外展とかにもっと参加出来たらと想っています。

野外は余り経験ないですけど、やってみたいです。


日下
はい。
とっても楽しみです。





d


子供達の夜 2009の制作風景




d2

子供達の夜 2009
木 鉄 ガラス 
2700×900×900





日下
「子供たちの夜」の制作中の写真で渡辺 知平さんが映っているものがあるんですが
これは渡辺 知平さんのご自宅のお庭か何かでしょうか。



渡辺 知平さん
これは知り合いの彫刻家の工房の裏庭か何かで。(笑)
場所を借りて作ったんですけど。



日下
いつもこちらの環境で制作されているのでしょうか。



渡辺 知平さん
いえ、ここはたまたま借りられて。
普段は仕事場が横浜にあるんですけど。そこで作らしてもらっています。
後は家にアトリエがあるんですが、狭くてもう目いっぱいで。
あんまり作れないんですよ。



日下
差し支えなければですが、どんなお仕事をしていらっしゃるんでしょうか。



渡辺 知平さん
看板屋さんでアルバイトみたいなことをしているんですよ。



日下
そうですか。
では、普段からもの作りをしていらっしゃるんですね。



渡辺 知平さん
ああ、そうですね。
だから機械なんかもそこは揃っているので、仕事場としてはとても
便利に使わせてもらっています。
社長には申し訳ないのですが、作品なんかも随分置かせてもらっています。
自宅がもういっぱいなので。



日下
近年の活動内容、今後の発表予定など
今まさに、彫刻7人展(※)の開催中ですが。
 (※インタビュー時期に開催中でした)



渡辺 知平さん
自由美術が11月にあるのと、ハマ展があるのと
それからグループ展を四人でやっているのですが
一人病気をしていてことし、春頃新宿でやろうと企画はあるのですが
まだ立ち上がっていません。


で、あとは、今年はそんなぐらいですね。


日下
では、年間、3回くらいは発表していらっしゃる感じですよね。



渡辺 知平さん
年間3~4ぐらいですかね。



日下
では、年間ずっと作っていらっしゃる感じですね。



渡辺 知平さん
だから以前の作品を引っ張り出して作ったりもしています。
それも結構楽しいですけどね。

その当時作りきれなかった部分を作れるので、時々やっています。



日下
そうですか。
次回のリレー作家紹介をお願いします。



渡辺 知平さん
川崎さん、同じ自由の仲間ですけど、
陶芸作家ではない、彫刻家何ですけど、焼きもので表現なさっていて
一見、ブロンズかなというぐらいのなんていうんでしょうかね。石のような
叩いて観れば焼きものだと分かるんですが
面白い作家です。



日下
ありがとうございます。楽しみにしています。
では渡辺 知平さんにとって「あなたにとってアートとは?」



渡辺 知平さん
意思って言うんですかね。
そうですね。
まあ出来れば、この質問は難しいですね。


・・・(思考中)本当、やっぱり関係性だとは想います。
作家と作品と観る側のアートが成り立つと言うのは
そういうことじゃないかと想います。



日下
ああ、~それは面白いですね。



渡辺 知平さん
先ほど、僕が『場』と言うことを言いましたけど
作品というものが、場を作りあげることができて
その場を作るということは、そこにちゃんと「ハレ」とまでは言いませんけど
日常的ではない、非日常の「ハレ」というような場が作り上げられて
その場は何か社会との関係性で生まれるんじゃないかと想います。


そういうモノがアートじゃないかと想いますけど。



日下
それはとても独特のお応えだと想います。
渡辺 知平さん素晴らしいお話をたくさん、ありがとうございました。



c

小品C


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今回、杉 英行さんからのご紹介で、初めて渡辺 知平さんのお話をお聴かせ頂きました。


渡辺 知平さんは2010年頃まで「子供たちの夜」という題名で作品制作をされてきました。


一つの素材に限定せず、木、鉄、ガラスなどいくつかの素材から
独特の雰囲気の作品を作られています。


それは、渡辺 知平さんが子供の頃の、
眠ると向こうの世界に行ってしまうのではないか、という不安な感覚や
何かしら此岸と彼岸の意識を根底にもっていらっしゃることから来るのではないかと感じました。


そしてそれらの作品は、観る側にとっても、その人それぞれの
今現在と過去という記憶を行き来させてくれる、不思議な入り口になるように感じます。


いつも新しい作品を作るときは、手技的には荒々しくても、窮屈な感じがなくて好き、
制作はいつも楽しいと仰られていて、その制作の姿勢がとても素敵だと想いました。


みなさまもぜひ、渡辺 知平さんの彫刻作品をご覧になって見てはいかがでしょうか。・


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◆渡辺 知平さんが登場するWEBページ
  
 ◇  
自由美術協会公式ウェブサイト

 ◇  渡辺 知平さんの紹介ページ
 

 ◇  ハマ展:横浜美術協会ホームページ


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◆渡辺 知平さんの経歴


1949 大分県に生まれる
1970 多摩美術大学入学
1974 同大学卒業
  以後、グループ展、個展にて発表
2001 横浜美術協会展出品 協会大賞受賞
2002 同展横浜市教育委員会賞受賞 会員推挙
2009 自由美術展 佳作賞受賞
2010 同展 佳作賞受賞
2011 同展 現代彫刻美術館賞受賞 新会員



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