彫刻家 日下育子セルフインタビュー 第1回 ~大学で路線変更がありました~
みなさま こんにちは。
彫刻工房くさか 日下育子です。
今回、学び場美術館 54人目の作家として
彫刻家 日下育子の掲載をさせていただくこととなりました。
次のリレー作家、登場が間に合わなかったという都合がございまして、
思いきってセルフインタビューに踏み切らせて頂くこととなりました。
恐縮ですが、お楽しみいただけましたら幸いです。
日下 育子 (Photo by 喜久里 周)
前回はガラス工芸作家の大槻洋介さんにご登場頂きました。
第1回目の今日は、日下 育子が石彫の制作を始めたきっかけについて
掲載させて頂きます。
父親が画家であった影響で、鑑賞の機会は多かったとのことです。
大学での恩師との出会いから石彫にのめり込んだということでした。
インタビュアーを彫刻工房くさか
返答する側を日下育子と表記いたします。
お楽しみいただけましたら幸いです。
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「コアへ向かうためのすきま」
H187×W220×D100cm 沼宮内石
1998 岩手町総合運動公園に設置
「朝を待つ種」
H50×W60×D40cm 黒御影石
1999
「種子―'02」
H60×W60×D30cm
黒御影石、伊達冠石鉄台座
2002
仙台市立台原中学校
新校舎落成 創立周年記念モニュメント
H305×W80×D65cm インド産 黒御影石
2003
「 遠い風景 」
H175×W84×D97cm
黒御影石、伊達冠石、鉄台座
2004
「 小径 」
H145×W90×D150cm
黒御影石、伊達冠石
2004
彫刻工房くさか
制作を始めたきっかけについてお聴かせいただけますか。
日下育子
一番大きな影響は、父(※)が画家をしていたことにあるかと思います。
法学部出身の父は、凸版印刷でデザイナー修行をして独立し、
50代前半から専業の画家として活動するようになりました。
いつも多忙でしたので、父からお絵描きを教わることはありませんでしたが
父が出品している展覧会など
子供の頃から絵を鑑賞する機会は多かったと想います。
(※学び場美術館にご登場くださった 日下常由さん です)
彫刻工房くさか
印象に残っている展覧会はありますか。
日下 育子
父の展覧会ではありませんが、中学校の修学旅行で
国立西洋美術館
でロダンの彫刻を見たことがとても印象に残っています。
美術館屋外にロダンの「地獄の門」
というブロンズの大作があります。
その作品のことは、あらかじめ自宅にあったロダンの画集を読んで、
心構えをして見学に行った記憶があります。
「地獄の門」はロダンがそれまでの人生で制作した
個別の作品を集合、統合した大作ですがそれを見て
彫刻というもの、ロダンという彫刻家は凄いととても感動しました。
ですが、作品の主題、表現から、かなり重々しい印象も持ちました。
彫刻工房くさか
そうですか。
美術に進学しようと思った経緯をお聴かせください。
日下 育子
私は、小さい頃からいつも
常に「絵描きさんの娘」という見られ方をしていたので
それが、ちょっと窮屈だったことも良かったこともありますが
作るために手を動かすのは大好きでした。
とはいえとにかく、子供の頃から活発で、
中学も高校も部活は新体操部でした。
高校、大学と通学はロードマンというスポーツタイプの自転車に乗って
かなり活動的なタイプでした。
大学に進学し、絵画を勉強して美術の先生になろうと思ってはいましたが
実際にデッサンの準備を始めたのは高校2年生の終わりからで、
しかも画塾には行かず、高校の放課後のデッサン室と
自宅で反抗しながら、父に教えてもらってなんとか準備したのでした。
そんなことで、東京の美大を目指すということはなく
地元の 東北生活文化大学
の 生活美術学科
に進学しました。
この大学は、絵画・彫刻のファインアーアートだけでなく
デザイン、工芸も幅広く勉強できるところが魅力でした。
私が大学2年生の時に、それまで彫刻は授業の時だけの非常勤だった先生が
常勤の新しい先生がいらっしゃるようになったのです。
その先生が石彫専門の先生(※)で、後に師匠となりました。
(※学び場美術館にご登場くださった 佐藤淳一さん です )
彫刻工房くさか
実際に石を彫ってみていかがでしたか。
日下 育子
石彫の先生がいらして最初の1年間は
先生が石を彫る後姿を見るだけで自分ではまだ様子見の状態でした。
3年生から自分もうやってみたいと彫り始めて、
あとは一気にのめり込みました。
絵画の制作とはことなり、肉体的にかなりハードでしたが
そこが、私にとっては絵画で発散しきれなかった
エネルギーを燃やすような高揚感があって
頭と心と体と全身で向き合う、
とても打ち込み甲斐がある制作に思えました。
彫刻工房くさか
大学での制作環境はいかがでしたか。
日下 育子
大学には石彫用の場所がなかったこともあり
彫刻室がある校舎の前、屋外に
先輩と石彫場のコンクリートを打つたり
石の破片よけのフェンスを張ったりするところからスタートしました。
そういう意味では、大変でしたが、
環境を作ることから始める新鮮さはありました。
制作そのものでは、高揚感を味わう一方で
間もなく、「石を素材に何を彫って表現したいのか」や
「石を彫る自分とは何か」という自問自答が始まり、
制作はとても真摯なものになっていきました。
彫刻工房くさか
そうだったのですね。
その真摯なものというところ、
次回じっくりお聴きしてみたいです。
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今回は、まさかの本人登場となりまして、恐れ入ります。
これまでのインタビューさせて頂く側でしたが、自分に質問を投げかけてみると、
自分一人で話すよりは言葉が出やすいように感じました。
意外にも、お伝えしたいことがたくさん出てきて、
これまでのご登場作家の方々はもしかしたら、お話し足りなかったのではないか・・・、
という想いもよぎりました。
ご登場の作家様方には、またいつか改めてインタビューさせて頂けたらと思いました。
いつものブログでは、なかなか自分のヒストリーに触れる内容は
書けておりませんでしたので、読者の皆様にも、登場作家の皆様にも
これを機にありのままの私を知って頂けたら嬉しく存じます。
本日もここまでお読みくださいましてありがとうございました。
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私の誕生日が11月14日なのにちなんで名づけました。
今現在は休刊中ですが バックナンバーはお読み頂けます。
2011.11.14 第1号 ~ 2012.4.14 第18号
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★ 日下育子 略歴
1970年 仙台市出身
1989年 宮城県第一女子高等学校卒業
1993年 東北生活文化大学 家政学部 生活美術学科卒業
1993~’96年 東北生活文化大学 家政学部 生活美術学科に副手として勤務
≪受賞歴・入選等≫
1995年 河北美術展 (’97、‘02 河北賞、 他入賞6回、毎年出品、現在招待出品)
1999年 富士火災アートスペース (関西空港)
第29回 日彫展 入選 (東京都美術館)
国民文化祭・ぎふ99 佳作賞 (岐阜県美術館)
2002年 アートタウン三好 彫刻フェスタ2002 マケット優秀 (愛知県)
2008年 第45回 宮城県芸術祭 彫刻展 河北新報社賞
2009年 第46回 宮城県芸術祭 彫刻展 宮城県知事賞
≪展覧会・グループ展≫
1996年 白石野外彫刻展(’99、’02出品)
1998年 みやぎ秀作美術展(’99、’00出品、リアスアーク美術館、他県内巡回)
2001年 みちのくアートフェスティバル(国営みちのく湖畔公園)
2004年 日下育子彫刻展(仙台市博物館ギャラリー)
2005年 個展 (大和町 まほろばホール)
2007年 CAF.N展 (仙台メディアテーク)
日韓現代美術交流展 (宮城県美術館 県民ギャラリー)
個展 (大和町 まほろばホール)
2008年 第45回 宮城県芸術祭 彫刻展 (’09、’12 ’13せんだいメディアテーク)
2009年 河北美術展 招待出品('10 ’14 出品)
2010年 彫刻商品展ー南東北の15人の作家たちー(しまぬき本店ギャラリー・仙台市)
2012年 「~アートでつながる・宮城とつながる~希望の地より芸術家のメッセージ展」
(沼信ストリートギャラリー Gallery+Cafe エビスヤ 静岡県沼津市)
2012年 ~りらく大人の文化祭~ F NALE(エフナーレ)みんなのアート展(藤崎百貨店・仙台市)
2014年 湧きでるいのち 人間のための芸術の復興 Vol.3 3年目の春 ”We make up mind!"
(新宿プロムナードギャラリー 東京都)
他、多数出品
≪シンポジウム等≫
1996年 アーチストキャンプ・イン・カサマ(茨城県) 笠間市石材団地に作品設置
1998年 第25回岩手町国際彫刻シンポジウム(岩手県) 岩手町総合運動公園に作品設置
2000年 ザ・サマー・スカルプター・ミーティング2000(チェコ共和国) チェコ・テルチに作品設置
≪作品設置≫
2003年 仙台市立台原中学校
2004年 北大学病院2006年 万世福祉の里 松風園 (山形県米沢市)
2006年 杜のホテル仙台
2007年 東北生活文化大学
他、個人邸に作品設置
2007~ 内閣府認定/特定非営利活動法人 日本臨床美術協会 資格認定・臨床美術士(3級)
2008~ (社)宮城県芸術協会会員
2009~ 河北美術展 招待作家
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学び場美術館登場作家リストⅡ
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