彫刻家 杉 英行さんの手記 「木材入手顛末記」
皆さま、こんにちは。
彫刻工房くさか 日下育子です。
本日、木曜日公式ブログ みんなの学び場美術館にご登場の
彫刻家 杉 英行さんの手記「木材入手顛末記」を文字数都合で、このページに
掲載させて頂きます。
どうぞお楽しみくださいませ。
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「木材入手顛末記」
杉 英行
私は2輪ライダーでもあり、普段車で通らないような裏道を走ったりする。
すると道端や畑の中、駐車場の隅等に、丸太が転がっているのを発見したりする。
当然、木彫に使えそうなら所有者を訪ねて交渉する。木彫に使うので譲って欲しい
と言うと大概快く譲ってもらえる。処分に困っているところもあるので、喜んでくれる。
昨年から今年にかけて山桜3本と楠5本が入手できた。初めの1本は直径80cm
長さ1.3m程の山桜だったが、これは足場用鉄パイプ3本と1t用のチェンブロックを
持って軽トラックで取りに行った。鉄パイプで3又を組みチェンブロックをセットして
木を持ち上げ、その下にバックして軽トラの荷台を入れて積む。
距離が近いとは言え軽トラックのサスがぺちゃんこにつぶれていた。ゆっくり走って
運んだが、明らかに積載量オーバーだ、後で聞いたら1t以上の重量があったそうだ。
あと欅を合わせ5~6本は友人とクレーン付きトラックをレンタルして、運んだ。
まだ残りの山桜が3本残っている。いつかは取りに行きたいが、クレーン付きトラックを
レンタルしなければならないので、なかなか行けないでいる。
今年の楠は直径45cm~60cm長さ1.6m位5本は植木屋の畑に数年前からあった
ものだ。薪ストーブに使うという先約があったが、結局私が譲ってもらえることになった。
これは植木屋さんのクレーン付き2トントラックで運んでもらった。
枝や節もあり切り倒した時期もよくないが、とりあえず有効に使っていきたいと思う。
時には、以前木を譲っていただいた方から、また切り倒したから取りに来るようにと、
わざわざ知らせに来てくれることもある。昨年出品した作品の楠を以前譲っていただ
いた方で、まだ取りに行っていない。見に行ったら直径70~80cmで長さ1.5mある
楠だった。
木という素材の生命力、あたたかさ、手触り、香り、全てがいとおしい。自分にとって
大好きな、とても親しみやすい素材である。
そもそも父が建築家で子供時代は木が身近にあった。鑿、鉋、のこぎり、等の大工
道具も一応揃っており自宅の家や塀の修理、鶏小屋作りなど色々手伝わされた。
また木のおもちゃ作りなどやっていた。
美大学生だった頃から、木彫を中心にやりたい思いはあったが、なかなか木を
買えなかった。やむなく塑像を中心に10年位続けていた。楠の原木は直径7~80Cm
で長さ4m位のものが20万円~30万円程度だろうか(最近買ってないのでわからないが)
若い頃は買えなかった。
ある時、道端に転がっていた丸太を譲ってもらえることになり、知人のトラックで運んで
もらい念願の木彫大作がやれた。直径70Cm長さ2mの堅くて重い椋の木だった。
それから道端に木が転がっていないか、意識して探している。貰ってきたり、時には
材木店から買ったりで、現在に至っている。
自分の姓が杉という木に関係あるのも、木彫をやっている事と何か因縁があるかも
しれない。
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