写真家 井上有喜さん 第2回 | みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKA
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みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKA

生命礼賛をテーマに彫刻を創作。得意な素材は石、亜鉛版。
クライアントに寄り添ったオーダー制作多数。主なクライアントは医療者・経営者。
育児休暇中の2011年よりブログで作家紹介を開始。それを出版するのが夢。指針は「自分の人生で試みる!」

みんなの学び場美術館 館長 イクコクサカです。

 

今日は写真家 井上有喜さんのインタビューをお届けします。

 

井上有喜さんは2019年5月に仙台の晩翠画廊で、色鮮やかな写真作品の個展を開催された写真家です。

私はそこで初めて井上さんと出会い、とても感動をいただきました。

 

 

井上有喜さん

 

井上さんがどのような思いで写真を撮られ作品にされているのかとても興味深く、インタビューさせていただきました。

 

第1回 写真を始めたきっかけ、写真という表現方法について

第2回 撮影のテーマについて

第3回 社会との接点、「あなたにとって写真とは?」

の3回にわたって紹介させて頂きます。

 

第2回の今日は、井上さんが撮影のテーマ、異文化に興味を持たれたきっかけについてお聴かせいただきました。

どうぞお楽しみ下さい。

 

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チベット カイラス山

サイズ(単位:mm):300mm

2011年10月撮影

 

 

 

 

四川省 九寨沟

サイズ(単位:mm):70mm

2010年5月撮影

 

 

 

 

 

台湾 花蓮

15mm

2018年3月撮影

 

 

 

 

 

ヨセミテ滝 アッパーフォール

サイズ(単位:mm):44mm

2013年5月撮影

 

 

 

 

 

ボゴタ 塩の教会

サイズ(単位:mm):44mm

2013年5月 撮影

 

 

 

 

 

クサカ

井上さんの制作テーマというのは少数民族とかそういうものでしょうか。

 

 

井上有喜さん

私は異文化に対して凄く興味が強くて、自分と違う習慣、考え方、暮らしだとか、そういったものが見てみたいし、それをみたものを誰かに伝えたいというのがあるんですよ。首長族とか、トレッキングで見にいったりもしたし。

 

 

クサカ

はい!その首長族の女性を撮られた時のエピソードは、以前、井上さんのブログで拝読してとても心に響きました。

 

 

井上有喜さん

あとはチベットの鳥葬だとか。本当に亡くなった方を鳥に食べさせて葬るんですけども、凄く神聖な儀式で、観光用じゃないので外国人は見られないんです。

 

それを得意の中国語を使って、中国系のチベット人とコミュニケーションとって仲良くなり、特別に見せてもらったことがあって。それはかなりグロテスクなものです。そして仏さんの冒涜にもなるので、そこで撮った写真というのは誰にも見せたことがありません。見たことがない文化を見たいと思って行きましたが、やっぱりそういうのは作品にはならないですね。

 

あと治安の悪い所とかスラムだとか、本当の貧困のエリアとかも大好きで行っていて、写真もたくさんありますが作品にならないですね。

 

 

クサカ

作品にならないというのは、どういうことでしょうか?

 

 

井上有喜さん

見ていて目を背けたくなるような・・・。本当に見てビックリしますけど、気持ちが明るくならないので。そういう写真は撮りたくてたくさん撮って来ましたけど、表に出したことはありません。

ただそういった中でも、将来、未来の人が見て驚くようなものがあったら、それはそれで残しておきたいなと思いますけどね。

 

 

クサカ

はい、貴重な写真でしょうね。

 

 

井上有喜さん

クレージージャーニーっていう番組あるじゃないですか。ちょっと変わった人たちが出ていて、その人たち全部が特集している、なかなか今までなかった感じの番組で、芸術家、写真家、登山家、かなり個性的な方をターゲットにしているものです。

 

ああいった番組に使ってもらえるようなネタもたくさんあります。その番組に出ている方々も多分私と同じ感性なんだろうと思います。DVDもたくさん出ていますから、面白いと思いますよ。

 

 

クサカ

それも見てみたいですね。

井上さんが異文化に興味を持たれたきっかけは、何かおありだったのでしょうか。

 

 

井上有喜さん

少数民族とか異文化に興味を持ったきっかけは、私の父が写真好きだったんですね。1979年、私が10歳で確か日中国交正常化した次の年だったと思うんですよ。

鄧小平の改革開放の時に、父がビジネスマンとして初めて中国に行き始めて、写真をたくさん撮ってきて子供の私に見せたんですね。写真の中の中国の映像光景にびっくりしましたね、子供の頃。

いつか中国に行ってみたいな、住んでみたいなって、その10歳の頃に思いました。

それで30歳の時に、既に結婚していましたが中国の学校に1人で留学して、会社を作りました。

 

中国に行ったきっかけは、父が中国の写真を撮りに行ったというのがあるし、そこで当時人民服を着ている人たちの写真を見てこういう写真面白いなと。

あといろんな世界中の民族を特集している雑誌で「民族学」という季刊誌か月刊誌かわからないですけども、父がそれをずーっと購読していて、お手洗いにあったんですよ。変な話、毎朝お手洗いに行って何ページか見みちゃうわけですよ。一緒に暮らしているわけですから、それを10年位やるわけです。相当、民族の写真を見て育ちました。少数民族とか異文化に興味を持ったのは、その毎朝の民族の雑誌を見てきたというのがベースにあるんじゃないかなと思います。

 

 

クサカ

そうですか〜。お父様は井上さんに世界に興味を持って欲しかったのでしょうか。

 

 

井上有喜さん

そうではないと思います。父は私を多分科学者か何かにしたかったのかな。他にもニュートンという雑誌を置いてありまして。でもニュートンは興味がなくて読まなかったんです。

うちの息子たちも、あそこにナショナルジオグラフィックあるじゃないですか。

 

 

クサカ

あっ、すごくいっぱいありますね。

 

 

井上有喜さん

写真に興味を持つといいなと思って、ずーっと置いていたんですよ。

息子も25歳と23歳ですけど、写真をずっと見てきて、だいぶ洗脳されてきていると思いますよ。

 

 

クサカ

子育ての仕方としても興味深いものがありますね。

それにしても、それだけなかなか見られないところをご自身で見てこられたというのは、もの凄く価値があることですね。

 

 

井上有喜さん

お客様が製造業で工場を作られるところは、日本からあまり遠くないところが多くて、遠いところでもメキシコだとか東欧とかそのぐらいなんですよ。

やっぱりその先の行ってみたいのは中東とか、南米も一回行きましたけどもっと掘り下げてみたいし、アフリカも行ってみたいですし、あと山岳写真には興味があって、それで今、毎週山を登っていますけど。

 

 

クサカ

この前も行かれていましたね。

 

 

井上有喜さん

国内でまず力をつけて。でも頂上を目指す目的ではなく、写真を撮りたいので、ちょっと有名な山とか少し標高の高い山とか、なかなか一般の方がいけないところでも自分で上がっていって、撮ってみたいなと思っていて、次のテーマにしようかなと思っています。

 

 

クサカ

次々に行きたいところが出てくる井上さんは、本当に好奇心旺盛でいらっしゃるんですね!

 

 

井上有喜さん

そうですね。南米のロングトレイルという1000キロとか2000キロとかあるようなインカの古道を歩く所に行ってみたいなと思っていますけど。今は現役だから1ヶ月とか休んだらまずいだろうなと。(笑)引退してからだと体力的にどうかと思っていて、その未来人を驚かせるというライフワークを実現するために、どっかで一回挑戦したいなとは思っているんですよね。

南米なのかアフリカなのか、北米でもどこでもいいんですけど。どこか長い距離歩いて1ヶ月とか2ヶ月とか写真撮って回りたいですね。

 

 

クサカ

素晴らしいですね。

写真を撮っていくにあたって、ご自身の人生では何歳ぐらいでこう、何歳ぐらいでこうとか目標や展開をイメージされることはありますか。

 

 

井上有喜さん

私、飽きっぽいんですよ。今は写真をやっていますけど、いつまで写真をやっているかわからないんですね。

いろんなことにトライしてやってみて向いてる、向いてないがわかっているので。そういう意味ではゴルフはダメでした。写真はインプットに対してアウトプットの成果が比較的高いので。

ゴルフは相当金も時間も使いましたけど、あんまり満足感得られなかったですね。

 

でも写真は、周りの人にも評価されたので自分にとっては合っているツールなのかなと思います。子供の頃、日本の小学校教育は素晴らしいから、工作とか彫刻とかいろんなものやったじゃないですか。そういうものが好きだったんですよね。だから、彫刻とかもやってみたいなと。

 

 

クサカ

じゃあこれからぜひ、彫刻も!

 

 

井上有喜さん

だんだん老眼になってきましてね。だんだん不器用になってきたし。(笑)

 

 

クサカ

いえいえ、大丈夫でしょう。

井上さんのこれからのご活動に興味津々です!

今日も素晴らしいお話をお聴かせいただきましてありがとうございました。

 

 

 

仙台 青葉城址

サイズ(単位:mm)14mm

2015年4月 撮影

 

 

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編集後記

 

今回、初めて写真作家のインタビューを掲載いたしました。というのも2019年5月の晩翠画廊で井上有喜さんの写真を拝見して、独自のインクとプリントという点で、最先端の科学技術で最先端の表現をするというルネサンス期のような芸術のあり方を、現代で体現されていると感じたからです。

 

井上さんは、実は私の同級生であり親友(mikumariさん、https://www.facebook.com/mikumari.neutral/)のお兄様でもあるのですが、数年前に親友から井上有喜さんが当時写真のブログを書いているとお聞きして拝読したことがありました。特に感動した記事は、旅先でカレン族(首長族)の女性を撮影されたエピソードで、写真を撮る側、撮られる側の心の動きを繊細に綴られたものでした。他にもカメラを持って異国に出入国する時の大変なエピソードなど、とても印象に残っていて、いつかお会いしてみたいと思っていたのです。

 

今回、実際にインタビューさせていただき、撮影エリアが世界という広域さ、未来人に見せたいというターゲットの意味でも、時間的にも空間的にもとてもスケールの大きい活動をされているということにとても感動をいただきました。

 

次回は、井上有喜さんの社会との接点、「あなたにとって写真とは?」について、詳しくお届けいたします。

どうぞお楽しみに。

 

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◆井上有喜さんプロフィール

仙台市出身

モータースポーツフォトグラファーの尾関一氏、佐藤安孝氏に師事。

平成12年から10年間、上海を拠点に活動。

N P Sニコンプロサービス会員。

株式会社ラプラス代表取締役社長

(A P A日本広告写真家協会賛助会員)

 

 

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