再放送 彫刻家 加茂幸子さん 第2回~テラコッタにイメージの形を定着させたい~  | みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKA

みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKA

生命礼賛をテーマに彫刻を創作。得意な素材は石、亜鉛版。
クライアントに寄り添ったオーダー制作多数。主なクライアントは医療者・経営者。
育児休暇中の2011年よりブログで作家紹介を開始。それを出版するのが夢。指針は「自分の人生で試みる!」

みんなの学び場美術館 館長 日下育子です。

今日は素敵な作家をご紹介いたします。
テラコッタの彫刻を制作されている彫刻家加茂 幸子さんです。


㉒この空を渡るvol.2/2014年(テラコッタ彩色) 800
加茂 幸子さん

以下、2015年4月の再放送でお届けいたします。

前回石山 駿さんのあと、私からの紹介でご登場頂きます。
     
石山 駿さん
 第1回略歴紹介 

 第2回  、第3回 第4回 第5回 第6回  、第7回  、第8回  第9回 第10回  




第2回目の今日は、今日は、加茂 幸子さんがテラコッタの魅力と感じられていることをお聴かせ頂きます。

どうぞお楽しみ頂けましたら幸いです。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

⑥友達になっ
「友達になって」
テラコッタ着彩 H72㎝ 
1995年





⑨私の空/1995年(テラコッタ着彩)H72㎝ 800
「私の空」
テラコッタ着彩 H72㎝
1995年





⑪月の光/1995年(テラコッタ着彩)H67㎝ 800
「月の光」
テラコッタ着彩 H67㎝
1995年(テラコッタ着彩)






⑦友達になってvol.2

「友達になって vol.2」
テラコッタ着彩  H74㎝
1996年






⑬私たちはどこへ行くの
「私たちはどこへ行くの」
テラコッタ着彩  W90㎝
1996年






⑩天使ののぞき窓
「天使ののぞき窓」
テラコッタ着彩  H72㎝
1997年





友達になってvol.3/1998年
「友達になってvol.3」
テラコッタ着彩 H60㎝
1998年





昨日と同じ2人/1998年
「昨日と同じ2人」
テラコッタ着彩 H75㎝
1998年





日下
前回は、大学院に進学して銅版画の授業の課題をこなすうちに、二次元ならではの空間表現の自由さや、囲い込む世界観を思い出されて、絵を描くような彫刻をつくりたいという、また別の糸口を見つけられたというお話でしたね。


加茂 幸子さん
はい。そういう事を考えているときにテラコッタに出会ったというのは大きかったと思う。もともと粘土の塑像をしていたんですが、テラコッタって作ってそのまま焼成できるという気安さがあります。あと、現実的な話ですが、材料費が安価ですよね。そういうことからあまり気負わず作品を作ることができます。それこそ独り言やつぶやきのような作品テーマでもスーッと作り始める事ができます。力まずに。

それとテラコッタの持つ温かみのある質感やオレンジの色も魅力ですね。私の作品は着彩が重要な要素なんですが、着色をする時にテラコッタの材質感を少しは残したい、と考えているのです。テラコッタ素材あってのあの彩色なんです。


日下
ギャラリーアートもりもとさんのインタビューでは、「塑造だと石膏取りを繰り返すことで、手あとが消えて行く感じがあるけれども、テラコッタだと直に粘土でつくるので手あとが残せるからテラコッタがいい」というお話をされていますね。


加茂 幸子さん
そうですね。すごく自分に近いという感じもするというか、ちょっと人肌っぽい感じですよね。色もオレンジだし、ちょっと温かい感じもして。あとちょっと、石膏って最終素材としては弱いというか、魅力が欠けるところもあって、気にしない人もいるけど、石膏にしたらブロンズにしてというのが正式な気もするので。正直、ブロンズなんか出来ないですよね。金銭的な問題で。

テラコッタというのは、彫刻の素材の中でも材料費が安価なんですよね。窯とかの問題はあるけど、そこさえクリアしてしまえば、気負わないで作品を作り始められる。失敗すると、木なんかだと木も高級ですから。


今までインタビューで「安い」とか「気楽」というのは嫌だなと思って云わなかったんですけど、でもだからこそ、こういう自由な表現でもいいんじゃないかなと思えるのかなと思って。

後は制作の時に音も出ないし。結局、日下さんなんかもご経験されたと思うんですけど、卒業してから彫刻を続けて行こうと思った時に、例えば、モデルを使った人体塑造だと、モデルさんを使って、石膏取りできる設備が必要とかあって・・・。


日下
窯はどうしていらっしゃるんでしょうか。私はテラコッタで高さ70センチで幅100センチというと、かなり大作なんじゃないかという気がするんですけど。


加茂 幸子さん
それはまだ大学にいた頃で、その大きさが焼ける窯があったんですよ。その窯のギリギリの大きさで作っていましたよね。


日下
テラコッタは1点ものですか。それともいくつか型取りするのでしょうか。


加茂 幸子さん
当時は、型でなく全部一点ものですね。


日下
ということは、手びねりで作っていらっしゃるんですね。凄いですね。失礼なことかもしれませんが、作品は売れたり、手元にとってあったりするのでしょうか。


加茂 幸子さん
この作品は、売れたんですね。買って下さった方のリビングが広くて、これと住んで下さっています。


日下
素晴らしいですね! それ贅沢ですね!


加茂 幸子さん
そうですね。制作としては、周りにテラコッタをしている人がいなかったので、大きなものになったときの技術的な問題が結構、思考錯誤だったというか。


日下
そうですか。ではその試行錯誤の実際のところ、次回詳しくお伺いしてまいりますね。
今日はここまで、ありがとうございました。





赤い実たべた/1999年
「赤い実たべた」
テラコッタ着彩 H70㎝
1999年


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

編集後記

今回、かねてから知り合いだった加茂 幸子さんにお話をお伺いしました。加茂さんと私は、それぞれ二十代後半の時に、何かしら美術イベントで出会ったのですが、それがどこだったのか、両方とも定かな記憶がないという不思議なご縁です。(笑)

その頃から、私は加茂 幸子さんは、早くから熟達していて、大人っぽく、独自の世界がある一作家として素晴らしい制作をしていらっしゃると思っており、今回、お声掛けさせて頂きました。

加茂 幸子さんは5年ほど前から東京の新宿にある文化学園大学造形学部で助教をされています。ウィークデ―は東京のご実家から大学にご出勤なさって、週末だけ自宅のある福島に帰っていらっしゃるそうです。ご主人様は福島大学で彫刻を教えていらっしゃいます。

今日は、加茂 幸子さんがテラコッタの魅力と感じられていることをお聴かせ頂きました。それは人肌っぽい、温もりのある感じや、加茂さんの作品の魅力でもある彩色を活かせるテラコッタの材質感ということでした。
材料費が安価故に、「気負わずに独りごとやつぶやきのようなテーマでも、スーッと作れる」ということもちょっと羨ましくも感じましたし、それをさりげなくお話して下さった加茂さんもとっても魅力的で
いらっしゃると感じました。

次回は、加茂さんのテラコッタでの試行錯誤や制作の実際についてお聴かせ頂きます。

どうぞお楽しみに。

**********************************

◆ 加茂 幸子さんが掲載されているWEBページ

GALLERYマスガ  ⇒ 加茂 幸子さん展覧会紹介ページ

画廊すいらん    ⇒   加茂 幸子さん経歴紹介ページ
                  2010年 展覧会によせての言葉

ギャラリーアートもりもと ⇒ 加茂 幸子さんインタビュー記事 



本日もご訪問、ありがとうございました。


:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

★無料メルマガ【1114(いい石)通信】 配信のお申込みは ★コチラから★

 

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

★☆ アーカイブス ☆★

学び場美術館登場作家リスト

学び場美術館登場作家リストⅡ  

学び場美術館 登場作家リストⅢー2014
学び場美術館 登場作家リストⅣー2015・2016

学び場美術館 登場作家リスト ⅴ ―2016

学び場美術館 登場作家リスト Ⅵ ―2017

 


人気ブログランキングへ ←ポチッとおしてね! 

↓こちらも


にほんブログ村  ← ポチっとおしてね!

 

 

★☆ アーカイブス ☆★

学び場美術館登場作家リスト

学び場美術館登場作家リストⅡ

学び場美術館 登場作家リストⅢー2014
学び場美術館 登場作家リストⅣー2015
 


人気ブログランキングへ ←ポチッとおしてね!

↓こちらも


にほんブログ村  ← ポチっとおしてね!