みんなの学び場美術館 館長
彩色彫刻家 IKUKO KUSAKAです。
今日は素敵な作家をご紹介いたします。
ガラス工芸作家の大槻洋介さんです。
大槻 洋介さん
以下2014年4月の再放送でお届けします。
前回登場の川﨑 文雄さんからのリレーでご登場頂きます。
彫刻家 川崎 文雄さん 第1回 、第2回 、第3回 、第4回 、第5回
大槻洋介さん 第1回 ~全く未知の世界に興味を持ちました~
第2回の今日は、大槻洋介さんの制作テーマの一つである「Gate」についてお話をお聴かせ頂きました。
Gate・門をご自身の制作を続けていく仕事の終着点、目標であり、過程、出発点でもあると捉えてライフワークとして制作されているというお話をお聴かせ頂きました。
どうぞお楽しみ頂ければ幸いです。
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Gate 18
2012 L-21
W12×D12×H28cm
Gate9.10.11
2006
W15×D14×H32cm
W12.5×D12.5×H28cm
W13.5×D13×H18.5cm
Gate1.2
2004
W15×D12×H27cm
W15×D12×H20cm
日本クラフト展 佳作賞
日下
制作テーマについてお伺いいたします。作品を拝見すると、どれもとっても生命感のある素晴らしい作品ですね。
大槻洋介さんのホームページ の作品を拝見していくつかのシリーズの中で、私が特にとても素晴らしいと想ったものはLife、星の誕生、Gate、Azre―blue(アズ―ル・ブルー)などです。
ご自身で一番ガラスを通して伝えてきたいもの、一番見てほしいものは、あるいは、ご自身でガラスの魅力を最大限、引き出していると感じていらっしゃるものはどの作品でしょうか。
大槻洋介さん
今、挙げて頂いた作品というのは私自身でも思い入れの強い作品です。特にGateには深い思い入れがあります。
日下
はい、特にGateは素晴らしいですね。透明なところと曇った所の素材のコントラストがあって、とっても素敵だと想います。
では造形表現がとっても優れているGateについてお話をおうかがいしていきたいと想います。
大槻洋介さん
「Gate」は私の作品の中でも特に彫刻的な作品です。他にも食器や花器など日常の世界で使って頂ける作品も多く作っています。これは日常の空間の中にあって、用途としてでは無く、空間を変える、感じるきっかけになればという想いで制作した作品です。
日下
作り方や素材の扱い方についてもお聴かせ頂きたいところですが、まずGate(門)そのものについては、何か思い入れはおありでしょうか。
大槻洋介さん
Gateというのは題名を見る通りで、とても分かりやすいと思うのです。どなたでも日常生活の中で、門をくぐって出て行き、門をくぐって帰って来られると思います。
朝、家の門を出てから、仕事場から食事や遊びに行って自宅に帰るという所まで数多くの門を通ることを繰り返して毎日を過ごしていると思います。
逆に門(Gate)をくぐることそのものを目的に、門に向って行くというのはあまり無いかと思います。(浅草の雷門とかパリの凱旋門とか観光名所は別ですが。)人は門ではなくて門の先にあるもの、それは部屋の扉の先の家の門のさらに先の外にあるところ、職場や学校などを目指して向かっています。
私の制作活動も、ひとつの作品を構想しガラスを吹き、削り磨き仕上げる。その完成に向かって進みながら、完成は最終目的地ではなく、通過点にすぎない。
行く時点で終りは無くその作品が完成した時点で、また次の「Gate」へ向かって歩き出していくという。目標にして向かっている所は、ゴールではなく、そこに到達した時その所が新しいスタート地点になる。後になって振り返ればそこが通過点であったと気がつく。
Gateは目標でもあり、終着点で結果点でもあるところが制作を続けていく仕事の目標であり、過程であり、出発点であると。
そういうような考え方でGateというものを作っているのです。一番ライフワークに近いテーマの作品です。
その為、かなり短期間に多数の作品を作るということはしていないのですが少なくとも2、3年の間に少なくとも1点は作っているという作品です。
日下
そうですか。大槻さんがおっしゃる通り、人間というのはいろんな場面をくぐり抜けて生きていると想います。今のお話をお聴きして、私にとってもGateというのは凄く共感するテーマだと想います。
作品の造形は、デッサンを繰り返して考えられるのでしょうか?それとも直感でイメージがうかんでくるものなのでしょうか?
大槻洋介さん
デッサン、ドローイングは予備校と大学でそういう教育を受けてきましたので常に自然に日常のなかで手を動かしています。しかし、ガラスを扱えば扱うほど出来上がったガラスの表情には思いもかけない光の反射や屈折、輝きが現れてくるのです。
最近はドローイングはアイディアの記憶と整理の為の作業に留め、ガラスを触れる事で発見する事を大切にしています。
日下
実制作を通して発見することを大切にするというのはとっても素晴らしい制作スタイルですね。
今日は素敵なお話をありがとうございました。
Life6
2009
W8×D7×H11.5cm
Birth of Planet1 (星の誕生)
2012 L-49
W9.8×D9.8×H26.5cm
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今回、川崎文雄さんからのご紹介で、初めて大槻洋介さんのお話をお聴かせ頂きました。
大槻さんはいくつかのテーマをシリーズで制作をされていますが、ガラスの透明な塊に子供の頃からの宇宙への憧れを重ねて制作していらっしゃるのだそうです。
今回のインタビューでは、特にGateといライフワークのシリーズに絞って詳しくお話をお聴かせ頂きました。
Gate・門というものを、制作を続けていくご自身の生き方に重ね合わせて、定期的に制作なさっているというお話にとっても共感を覚えました。
大槻さんはガラスの透明でありながら、手にふれることの出来ない不思議な空間に子供の頃からの宇宙への憧れを感じながら、日常の空間に非日常を送り届けたいという想いで制作に向き合っていらっしゃるところがとても素敵だと感じました。
みなさまもぜひ、大槻洋介さんの彫刻作品をご覧になって見てはいかがでしょうか。
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◆大槻洋介さんが登場するWEBページ
◇ 大槻洋介さんのホームページ
大槻ガラス工作工房 OTSUKI GLASS STUDUIO
◆大槻洋介さんの作品が直接見られる所
◆大槻洋介さんの作品がご覧頂ける展覧会〈最新情報です。〉
大槻洋介ガラス展
滄溟に映るは宙の耀き (そうめいにうつるはそらのかがやき)
2018年10月24日(水)~30日(月)
三越日本橋本店 本館6階アートスクエア
東京都中央区日本橋室町1-4-1
午前10時から午後7時(最終日は午後5時閉場)
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