ガラス工芸作家 大槻洋介さん 第5回 ~透明な塊のガラスは身近な宇宙に感じられます~ | みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKA

みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKA

生命礼賛をテーマに彫刻を創作。得意な素材は石、亜鉛版。
クライアントに寄り添ったオーダー制作多数。主なクライアントは医療者・経営者。
育児休暇中の2011年よりブログで作家紹介を開始。それを出版するのが夢。指針は「自分の人生で試みる!」

みなさま こんにちは。

彫刻工房くさか 日下育子です。


今日は素敵な作家をご紹介いたします。

ガラス工芸作家の大槻洋介さんです。





大槻 洋介さん


前回登場の川﨑 文雄さんからのリレーでご登場頂きます。

  彫刻家 川崎 文雄さん 第1回 第2回  、第3回  、第4回  、第5回  



大槻洋介さん  第1回  ~全く未知の世界に興味を持ちました~

           第2回 ~「Gate・門」というテーマがライフワークです~

           第3回  ~瑠璃色は沖縄の海の青さに重なります~


第4回 ~震災の時に作品の明かりがお役に立てました~


第5回の今日は、大槻さんがガラスの最大の魅力とおっしゃる
「透明な塊」という視点でお話をお聴かせ頂きました。


ガラスの、どれだけクリア―でも手は入れられない世界というのが
子供の時に憧れた宇宙の世界、星の世界というのと重なっているという想いを
お聴かせ頂きました。


どうぞお楽しみ頂ければ幸いです。



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Gate_17a

Gate17
2010
W13.5×D20.5×H28cm



gate7.
Gate7
2005
W15×D15.5×H19cm






Birth of Planet1 (星の誕生)
2012 L-49
W9.8×D9.8×H26.5cm





Life_8

Life 8
2009
W16×D15×H18cm




Planetalyring_13

Plantery ring13
2012 L-23
W12×D12×H24cm





Plantery ring12

Plantery ring12
2012
W12×D12×H16.5cm





planeteryring_10.


Plantery ring10
2010
W14×D17×H17.5cm




kou7
Kou(孔)7
2003
W13×D13×H60cm





日下
さて、制作や素材への想いということで
大槻さんにとってのガラスの最大の魅力と言うのはどんなところでしょうか。



大槻洋介さん
やはり透明なところ、透明な塊ですね。
私は透明な塊のガラスに非常に魅力を感じているので。


本当に透明なガラスの塊というのは、中に何もない、
手に取るぐらいに非常にクリアーに見えるのですが
中に手を突っ込んでガラスの中を触ることができない。


水槽の中だとジャボッと手を入れて中のものを触ることが可能ですが
ガラスの中というのは、これだけよくはっきり見えているのに
触れることの出来ない空間で、本当に未知の世界だと・・・。
その辺のもどかしさとクリアで分かりやすい部分。


木だと切って見ないと分からないとか、石の中もそうですよね。
木や石は割って見れば、年輪や面白い表情があったり、化石が入っていたりするかも知れませんが、
表面からはその表情しか見られないですよね。


ガラスの塊の魅力は、その中まで、さらにその向こう側まで見えるという素材ですね、
そんな質感が金属や、木や石と違った面白さがあるなと想います。



日下
そうですね。(共感!)



大槻洋介さん
Gateの次にシリーズで展開している
星の誕生やPlanetry ring(プラネタリーリング)というのは、星の世界のイメージの作品です、
宇宙の星というのはよく写真とか映像とかで目にする機会って多いと思うのです。


ですが、それもあれだけクリア―に見えていて
未だに実際に見る事は限られた人にしか見られていない世界です。


ガラスの中には、どれだけ科学が進歩しても
さすがに手は入れられない世界だと想いますが
それが何か子供の時に憧れた宇宙の世界、星の世界というのと
ちょっと並んでいるという感じがして。



日下
今お話をお聴きしていてふと浮かんだ言葉ですが
ガラスって「一番身近な宇宙」かな、と感じます。

感じられるけれど入っては行けない空間ですものね。



大槻洋介さん
それだけ身近で目に入るのですけどね
どうしても中に入れない所なので。


宇宙はもうしばらくすると行ける人が増えていくと思うのですが。
ガラスの中だけは宇宙に行けるようになっても
もっと先の世界じゃないかなと想いますけどね。



日下
憧れの空間ですね。

今後の発表の予定はありますでしょうか。



大槻洋介さん
今後も首都圏を中心にギャラリーや百貨店で発表活動を行います。


一番近くですと、公募展で第五十四回東日本伝統工芸展に入選しています。
2014年4月16日(水)から21日(月)まで
日本橋三越本店新館7階ギャラリーで開催されます。

(※インタビューさせて頂いた3月末時点でのご返答のため、現在は展覧会は終了しております。)



日下
素晴らしいですね。おめでとうございます。
普段は大槻洋介さんの作品はどこで見られるでしょうか。



大槻洋介さん
大槻工房 で見られます。

フェイスブック にガラス工房のもの を出していますので
そちらからもご覧いただけます。


あとは、週に1回、幼稚園でアート全般を指導の仕事もしていますが、
そこの卒業生である小学生対象で、夏休みにガラス工芸を教える
講座を開いています、その内容も掲載しています。



日下
最後の質問ですが、
あなたにとってアートとは?



大槻洋介さん
好きで続けてゆくことです。


常に、日常の中に非日常という
工業製品の大量生産ではないものを、
一つ一つ私の手を通して、想いを込めて、制作したものを提案し伝えたい。
人の心の中まで、温かくできるような心のこもったものを
送り届けたいという想いで日々制作に向かっています。



日下
今回は素敵なお話をたくさんお聴かせいただきまして
どうもありがとうございました。




kou6b
Kou(孔)6
2003
W19×D19×H63cm
W23×D23×H53cm
第40回神奈川県美術展 大賞



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今回、川崎文雄さんからのご紹介で、初めて大槻洋介さんのお話をお聴かせ頂きました。


大槻さんはいくつかのテーマをシリーズで制作をされていますが、
ガラスの透明な塊に子供の頃からの宇宙への憧れを重ねて
制作していらっしゃるのだそうです。


学び場美術館では、特にライフワークにされている「Gate」のシリーズについて、
大槻さんはGate・門というものを、制作を続けていくご自身の生き方に重ね合わせて
定期的に制作なさっているというお話を伺い、とても共感を覚えました。


工芸はよく「用と美」という言葉で表現されます。
大槻さんは、その美というところで、宙への憧れをこめた作品で
日常の空間に、人の心を動かすような非日常的なものを届けたいという強い想いで
制作されているところがとても素晴らしいと感じました。


みなさまもぜひ、大槻洋介さんの作品をご覧になって見てはいかがでしょうか。


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◆大槻洋介さんが登場するWEBページ

 ◇  大槻洋介さんのホームページ
   
 大槻ガラス工作工房 OTSUKI GLASS STUDUIO 


 ◇  大槻洋介さん ガラス工房フェイスブック





◆大槻洋介さんの作品が直接見られる所 

 ◇  大槻工房ホームぺ-ジ
  


◆大槻洋介さんの作品がご覧頂ける展覧会
 
「第五十四回東日本伝統工芸展」
2014年4月16日(水)~21日(月)
日本橋三越本店新館7階ギャラリー
東京都中央区日本橋室町1-4-1
10:00~19:00(最終日は午後6時閉場)

  


◆大槻 洋介 さんのプロフィール


≪略歴≫
1972 横浜生れ
1997 多摩美術大学立体デザイン科クラフトデザイン専修ガラスコース 卒業
1997~2001 新島ガラスアートセンター スタッフ
2004 大槻ガラス工作工房 設立


≪展覧会・個展≫
1997  多摩美術大学クラフトデザイン卒業制作展     スパイラルガーデン
    金沢工芸大賞コンペティション、'99年入選     石川県金沢市
1998  '98国際クラフト展‐伊丹‐               伊丹市
    第34回神奈川県美術展、('99 '00 '02 以後毎年入選) 
                                    神奈川県民ホールギャラリー
1999  第17回朝日現代クラフト展、'01 '04 '07年入選  大阪市
2000  日本クラフト展、'02 年以後毎年入選         松屋銀座、丸ビル
    工芸都市高岡2000クラフトコンペ展         高岡市
2001  第3回現代ガラスの美展IN薩摩、'04年入選     鹿児島県
     現代ガラス展inおのだ、'04 '06年入選        小野田市
2002  ビアマグランカイ4                    札幌芸術の森
2003  現代日本の工芸作家たちーその新しいかたちー  コンテンポラリーアートNIKI
     大槻洋介 ガラス展 -Aqua-             AC,GALLERY
2004 書・册あるいは机上空間のためのオブジェ展     NIKI GALLERY册
    大槻洋介 ガラス展 -ひかり-             AYUMIGALLERY
     大槻洋介 ガラス展 あかりと器            ギャラリー大田町
2005  神奈川県美術展大賞受賞作家展
     大槻洋介 ガラス展 -光の瀕-            神奈川県民ホールギャラリー
2006  初夏のガラス展                      府中伊勢丹
2007  大槻洋介 ガラス展 -光の瀕 2-           AC,GALLERY
    ガラスとLEDのコラボレーション             東急ハンズ新宿店
2008  おひなさまと器展 新宿高島屋
    大槻洋介 ガラス展 -光の瀕 3-           AYUMIGALLERY
2009  大槻洋介 ガラス展 -くらし・ガラス・やすらぎ-   ギャラリー太田町
2010  大槻洋介 ガラス展 -光の瀕 4-           AYUMIGALLERY
2011  第50回日本クラフト展 丸ビルホール         (東京丸の内口)
    大槻洋介 硝子展 カットガラスとLEDのあかり     三越日本橋本店
    大槻洋介ガラス展 仄かな彩り             ギャラリー太田町
    大槻洋介 ガラス展 福岡                GALLERYモッコ
    三羽硝子 生島賢・大槻洋介・羽深藤絵       阿佐ヶ谷 アートスペース煌翔
    日本のクラフト26人展ー暮らしの工芸ー オリエアート 外苑前
2012  第5回KOGANEZAKI「器のかたち」現代ガラス展VESSELS
                                    黄金崎クリスタルパーク・ガラスミュージアム
     ビアマグランカイ9                     札幌芸術の森 工芸館
     「第5回現代ガラス展in山陽小野田」          おのだサンパーク
    我が行くは 星の大海 大槻洋介ガラス展       AYUMI GALLERY
2013  彩りの日々 大槻洋介ガラス展             GALLERY RUEVENT  ギャラリー ルヴァン
    大槻洋介 夏のガラス展                 日本橋三越本店
    「茶事七式、夜咄。」                   日本橋三越本店 本館6階 工芸サロン
2014  「第五十四回東日本伝統工芸展」           日本橋三越本店新館7階ギャラリー


≪受賞≫
2000  ビアマグランカイ3 作家奨励賞            札幌芸術の森
2004  第40回神奈川県美術展 大賞           神奈川県民ホールギャラリー
    日本クラフト展 佳作賞                 丸ビルホール
2006  金津創作の森グラスワークショップ ベンエドルスクラス ベストスチューデント
                                    金津創作の森


≪建築アートワーク≫
2004  居酒屋久佑 看板                       横浜元町
2005  シーサイドウェディング リビエラ 照明           逗子マリーナ
    中南信用金庫 階サイン板                 神奈川県伊勢原市
    村上邸 ファシリティ照明 玄関窓             埼玉県鳩ヶ谷市
2006  元町クラフトマンシップ・ストリート
     インフォメーションタワーガラスオブジェ          横浜元町
2007  虎ノ門33森ビルエレベーターホール ガラスオブジェ  東京虎ノ門
     BELISTA横濱上永谷 マンションエントランスホール   ガラス照明
                                       横浜上永谷
2008  石和温泉卿糸郷「万葉館」ガラス看板            山梨県石和温泉卿



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★☆ アーカイブス ☆★


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