みなさん こんばんは。
彫刻工房くさか 日下育子です。
今日は、広島平和記念式典がありました。
先日、私が毎月1４日に発行しているメルマガで広島平和都市記念碑のことを
取り上げておりましたので、コチラでも紹介させて頂きます。
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『彫刻工房 くさか』
【１１１４≪いい石≫通信】
―――――――――――――――――――――――――-－－－－－－－－第９号
はじめまして、発行人の『彫刻工房 くさか』日下育子です。
彫刻関連の面白情報・エッセイの、メルマガを発行しております。
このメルマガを読んで、彫刻や石、それらのある空間に興味を持っていただけ
ましたらとても嬉しいです。
毎月１回１４日≪いし≫の日に配信予定です。
第９号のメニューはコチラです。
■『 モニュメントのある空間 ーVol．4ー 広島平和都市記念碑のこと 』
■編集後記
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■『 モニュメントのある空間 ーVol．4 ー 広島平和都市記念碑のこと 』
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みなさん、こんにちは。
今回は、毎年８月６日の広島平和記念式典のニュースで必ずテレビに映る『広島
平和都市記念碑』のことをお伝えしてみたいと思います。
この『広島平和都市記念碑』は、広島平和記念公園内に設置されている通称『原
爆死没者慰霊碑』の正式名称です。(以下、慰霊碑と書きます。）
慰霊碑の写真はコチラ
⇒http://www.pcf.city.hiroshima.jp/virtual/VirtualMuseum_j/tour/ireihi/tour_20.html
http://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/kusyu-hirosima.htm
ちなみに原爆ドームは『広島平和記念碑』という正式名称で「人類の負の遺産」
として１９９６年にユネスコ世界遺産にも登録されています。
この慰霊碑は1952年（昭和27年）に建立されました。デザインは、彫刻家イサム
・ノグチの原案をもとに、建築家の丹下健三が担当しました。丹下健三は代々木第
一体育館や東京都庁舎を設計した日本を代表する建築家です。当初イサム・ノグチ
の案に内定したものの、彼が日系アメリカ人であったため実現せず、彼を推薦した
丹下が再デザインしました。
慰霊碑は平和記念公園の敷地内の、広島平和記念資料館と原爆ドームを結ぶ直線
上に設置されています。慰霊碑に向き合うと、アーチ型の内側からは原爆ドームが
垣間見えるように配置されているとのこと。慰霊碑を拝むというだけでなく、平和
公園は「平和を創り出すための工場」であるべきだという丹下の建設理念によるも
のだそうです。
慰霊碑の巨大なアーチ型は埴輪の家型をしていて、犠牲者の霊を雨露から守りた
いという思いが込められています。その屋根の下、中央の石室（石棺）には、国内
外を問わず、亡くなられて原爆被爆者すべての氏名を記帳した名簿が納められてい
ます。
埴輪の家の写真は、コチラでみられます。
⇒http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%B4%E8%BC%AA
建設当時の屋根はコンクリート製だったそうですが、老朽化のため1985年（昭和
60年）に現在の白御影石製に改築されました。
その石は、茨城県笠間市の石切山脈と呼ばれる場所から産出される「稲田石」で
す。稲田石は、この慰霊碑のほか、最高裁判所の外壁、東京証券取引所、鹿島神宮
大鳥居30尺など、多くの建物に使われています。私の住んいる仙台市では七十七銀
行本店の外壁にも用いられています。
私は十数年前、笠間市で滞在制作をしたことがありますが、その滞在中に石屋の
長老から、この慰霊碑を作るため、６０トンもの稲田石を何台もの大型トレーラー
で運び出したと聴いたことがありました。
稲田石についてはコチラ
⇒http://hitachistone.com/inada/index.html
⇒http://www.j-s-c.co.jp/products/inada.html
慰霊碑というのは、戦争や災害、事故などで亡くなった人や動物の霊を慰めるた
めに建立される石碑のことです。それは、霊を慰めるため、二度とそのようなこと
がないようにという戒めや警告の意味をもち、それに沿った文言が碑文（ひぶん）
として刻まれます。
この慰霊碑の石室前面には「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」
と刻まれています。
私は、石の彫刻制作をしていますから、様々な記念碑が世に普及していけばいい
という考えを持っています。けれども、このような慰霊碑を建てるような不幸な出
来事はいつの世にも起きてほしくないと、心から願うばかりです。
この慰霊碑のアーチから、その建立理由の象徴である原爆ドームが見えるという
空間設計は、人々の心にヒロシマの記憶と未来の平和への誓いを呼び起こす、本当
に力のある設計だと私は感じます。
そしてまた、日本で最も知らているモニュメントがこの慰霊碑であるということ
を私は重い気持ちで受け止ています。
今年の８月６日、テレビで慰霊碑を見る時には、ここで紹介させて頂いたことを
を思い出してながらご覧頂けたら・・・と思います。
ここまでお読み下さって、ありがとうございました。
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■編集後記
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【１１１４≪いい石≫通信】では、これからも、読んで下さる皆さまに興味を
持って頂ける情報を提供できればと思っております。
ぜひ皆さまからも、彫刻や石についての『素朴な疑問』や『ちょっと聞いてみ
たいこと』など、ご質問をお寄せい頂ければとても嬉しく思います。私に分か
るかぎり、精一杯お答えしたいと思います。
5月29日に出産した娘も、日々すくすくと育っております。私がこのメルマガ
を書くときには、すやすやと眠ってくれる、母親思いの赤ちゃんのようです。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
ご感想・ご意見は、お気軽にご連絡くださいませ。
では、また来月１４日にお会いしましょう！！ 日下育子
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