「カリー!」力強い音頭に合わせ、祝いの杯は次々とあげられた。ホノルルは那覇-首里クラブ主催の春節祝賀会である。ハワイにおける沖縄移民のコミュニティについては以前にも触れたが、ハワイ沖縄連合会はかれこれ50年以上も前、沖縄文化の継承と振興を目的として設立された。那覇-首里クラブは32を数えるその傘下団体のひとつである。
今年度の旧正月祝いにはざっと130名あまりが顔をそろえ、飲めや歌えやの朗らかなひとときを過ごした。残念ながら泡盛こそ供されなかったものの、歌と踊り、そして人々の活気に満ちたその空間はまぎれもない沖縄のものであった。
一方で、ハワイに根付いた沖縄移民コミュニティは数世代を経るうちに独特の文化の融合を遂げてきた。そのひとつが今年の干支である龍をハワイの神話的の生物「モオ」と重ね合わせたことだろう。
いわばハワイアン・ドラゴンであるモオは、ほかにもトカゲや蛇として描かれる水の精であり、嵐や霧を司るパワーがあると信じられている。人々を導く守護神として慕われる一方、その怒りは畏怖の対象ともなってきた。
ポリネシア文化の中心であるハワイはそもそも神話や民間伝承の宝庫であるといえるが、その多くが現在も人々の暮らしの中に、ごく当たり前のこととして息衝いている。ハワイ学研究センター所長を務めるリリカラ・カメエレイヒワ教授によると、モオはまた人の姿、特に女性として姿を現すこともあるという。「今日のハワイ女性ひとりひとりの中にモオは生きているといえます..私自身もモオであり、かつ女性としての力が与えられているのです。」
クラブ恒例の旧正月祝いは新年度役員のお披露目の場も兼ねている。バルーンアートの王冠を頭に、モオの年2012年の幹部役員として華やかに壇上に現れたのは会長のクリス・テイラーを筆頭に四名全員が女性だった。屈託なく笑いながら新年の豊富を述べる彼女たちの姿は頼もしく、希望に満ちた一年を約束するものだった。2012年が沖縄の皆さまにとっても飛翔の年となりますように。カリーサビラ!