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貝殻、花、葉、動物の骨、鳥の羽、石、果物、リボン、紙幣、キャンディー、髪の毛―これらはすべてレイに使われる素材である。ハワイにおいて花屋とはすなわちレイ・ショップでもあり、冠婚葬祭や各種記念日、歓送迎会など日常のあらゆる場面で目にすることができる。

ハワイのレイ文化は古くは12世紀にまで遡ると考えられており、ここではとても紹介できないほど奥が深い。素材の種類やデザインによって各レイの意味合いが異なるだけでなく、たとえば妊婦さんには輪状でなく紐状のレイを送ること、失礼な行為にあたるため送り主の面前でレイを取り外すのはなるべく避けること、などといった守るべき「レイ作法」もある。

もともとレイは魔除けや神への供え物として用いられてきた。その素材のひとつひとつに自然の力が宿ると信じられているからである。だがお菓子やリボンを用いたモダン・レイでもその根本にあるもの、そこに込められる思いは変わらない。相手への敬愛の念、前途への祝福、そして感謝の気持ち。

五月はとりわけレイとかかわりが深い月だといえる。「レイ・デイ」として認定されている一日に各種イベントやセレモニーが催されるのに加え、こちらでは卒業式シーズンにあたるからだ。卒業生は映画なのでおなじみのガウンと房飾りつきの角帽を身にまとい、晴れ晴れしく新たな門出を祝う。

私の友人も数名この春卒業する。祝福と新たな旅立ちへの餞の思いをこめ彼らにレイを送りたい。大学そばにある行きつけのレイ・ショップで相手の顔を思い浮かべつつ彩りも艶やかなレイをひとつひとつ選ぶのは目にも嬉しい作業である。

アメリカのピューリッツァー賞詩人ロバート・フロストはかつてこう書いている。「私が人生で学んだすべてのことは三語でまとめることができる:It goes on(人生は続く)。」人生という航路は常に晴天、順風満帆とはかぎらない。ときには叩きのめされ、裏切られ、大切なものを失って絶望の淵に沈むこともあるかもしれない。だがそれでも、とにもかくにも人生は続くのだ。前を向いて歩き続けていきたい。