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ハワイ最大の博物館であるビショップ・ミュージアムはプラネタリウムや各種ツアー、文化体験教室などを提供する人気の観光地だが、その学術的価値も特筆に価する。ハワイ諸島のみならずポリネシア文化圏一帯の貴重な歴史的遺産―数世紀前の日記や手紙、定期刊行物、航海日誌といった文書類を筆頭に、ハワイ王朝時代の遺物、古代の武具、動植物や鉱石の標本など―ハワイの今ある姿を形成するおよそ思いつく限りのあらゆるものが所蔵、管理そして公開されている。
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理系・文系を問わずハワイ研究に従事する者にとって、二次資料ではなく現物そのものに直接あたる機会が一時的にせよ制限されるのが大きな痛手であることは想像に難くない。 とはいえ、「実物」に関する文献や調査資料といった二次資料の重要性をやみくもに否定するつもりはない。かのニュートンが用いたことでも知られる、「巨人の肩の上に立つ」という言い回しは、いかに我々が先人たちの才能とたゆみない努力の結果に拠っているかをよく表している。先行研究があってこそ、基盤となるものがあってこそ、さらなる高みから遠くまで見晴るかすことができるのだ。 |
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総じて現在とは、過去の人間の営みの蓄積である。時を越えて我々の手元でいまだに元の形を留めている「過去」は、文字通り掛け替えがきかない。沖縄において文化的資料のほとんどは戦争によって焼失あるいは散逸してしまったが、戦火をくぐり抜け奇跡的に現存する遺物だけはせめて守られ、未来へと受け渡されるべきである。