「お前、このスーツ着ないか?」
社長はおもむろに僕にハンガーのフックを受け取れという仕草をした。
僕「???」
「体格は同じだろ?モモが太くて俺には合わない。いらないなら捨てるぞ。」
受け取りながら、カバーのファスナーを開けるとタグが見えてきた。
僕「!!!!!79000円?もらいますもらいます!」
一か月前、社長の誕生日に、本社の連中は、こずかいを出し合って、会社でバースデーケーキにろうそくを立ててらしい。
確かにこっちは支店で、社長と毎日顔を合わすことはない。
でも、こういうことやるから一口乗らないかと声くらいかけてくれてもいいんじゃないかと・・・
そこでわが店は考えた。
社長が着ているスーツと同じブランドのハンカチをプレゼントしようと。
ハンカチなら数千円だし、ごますり的ないやらしさもない。
今まで社長には、韓国旅行に連れて行ってもらったり、旅行でこずかいもらったり、臨時ボーナスもらったり。
普段世話になりっぱなしだ。
誕生日から数日後、本社に書類を届けるついでに、ハンカチを届けた。
にこにこ嬉しそうだった。
それから一カ月、社長がクローゼットを整理して出てきたというほったらかしのスーツ。
よほどプレゼントが嬉しかったのだろう。
こんな高いものをいただけることに(^ ^ゞ
写真はハンガーにかけた状態だけど、ワイシャツの上からジャケットを羽織ってみたら、とってもカッコイイシルエットになった。
早速、営業活動の合間に仕立て屋さんに出して裾をあわせてもらった。
明日からダーバンで出勤だ!
たぶん僕は、上着のボタンをしめない。
歩いてひらひらと、内ポケットのダーバンのラベルが見えるようにふるまってしまうと思う。。。