日本フィル第760回東京定期:マーラー交響曲第9番(カーチュン・ウォン) | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

日本フィルハーモニー交響楽団第760回東京定期演奏会を聴いてきました。




2024年5月10日(金)19時開演 サントリーホール

【指揮】カーチュン・ウォン[首席指揮者]Kahchun Wong

マーラー:交響曲第9番 ニ長調

Gustav Mahler: Symphony No.9 in D-major

マーラーと歩むマエストロ、カーチュン・ウォンが全てをかける特別な時間
大好評の首席指揮者カーチュン・ウォンとのマーラー・シリーズ。第4弾となる今回は、20世紀に生まれた最高傑作と言っても過言ではない交響曲第9番をお届けいたします。あらゆる形式を模索してきたマーラーが晩年に至って一見オーソドックスな4楽章制に回帰したこの曲。声楽を伴わない純粋なオーケストラを通じて精神性・自然観・死生感を語り尽くした、まさに作曲家の集大成とも言える音楽です。あえて他の作品を並べず、このシンフォニー1曲のみを通じて、マエストロ・ウォンが指揮者としての全てをかける特別な時間。


マーラー9番という超人気曲ということもあってほぼ満席。2016年グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝したKahchunは、先日の第3番に続いて第9番も暗譜で指揮。Kahchunは5年程前から何回か聴いている(たぶん真央クンがチャイコフスキー国際ピアノコンクールで第2位になる直前にラフマニノフを演奏したのを聴いたのが最初)けど、才能も人柄も素晴らしい。定期会員なので毎回同じ場所から聴いて、彼の指揮を見ているが…今回も弦をキュンと鳴らしたければそういう指揮をして、ホントにVnがそういうキュンという音を出させているのがよく分かる。管楽器にしてもこういう音がほしいと身体で表現するとホントにそういう音が出てくるところが、今のKahchunと日本フィルとのいい関係だなと思う。2022年に高関&シティフィル、ヴァルチュハ&読響、ブロムシュテット&N響と連続で聴いて以来のマラ9は、私の好みとはだいぶ違っていて、泣けるような演奏ではなかったけれど、Kahchunのやりたいことが手に取るように分かり、それに見事に応える日本フィルの演奏に大満足。見ていて聴いていてとても楽しい。楽しすぎて泣けない爆笑信末さんのHr、安達さんのVlaがめちゃくちゃ美しかった。そしてトランペット!


先月末から仕事上でトラブルに巻き込まれていてめちゃくちゃ疲れているけれど、週の終わりに素晴らしいマーラーを聴けてよかった…「死に絶えるように」終わる最後の音から40秒近い静寂があったのも感動的。土曜日も同じ演目で公演があるけど、チケットは完売。