仮面舞踏会 @ 東京・春・音楽祭(ムーティ) | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

東京・春・音楽祭 2023 イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol. 3 リッカルド・ムーティ指揮《仮面舞踏会》(2日目)を観てきました。



2023年3月30日(木)18時30分開演 東京文化会館 大ホール
ヴェルディ:歌劇《仮面舞踏会》(全3幕)上演時間:約3時間(休憩1回含む)
Verdi:”Un ballo in maschera”(Concert Style/With Subtitles)
【指揮】リッカルド・ムーティ Riccardo Muti
【リッカルド(テノール)】アゼル・ザダ Azer Zada 【アメーリア(ソプラノ)】ジョイス・エル=コーリー Joyce El-Khoury 【レナート(バリトン)】セルバン・ヴァシレ Serban Vasile 【ウルリカ(メゾ・ソプラノ)】ユリア・マトーチュキナ Yulia Matochkina 【オスカル(ソプラノ)】ダミアナ・ミッツィ Damiana Mizzi 【サムエル(バス・バリトン)】山下浩司 【トム(バス・バリトン)】畠山 茂 【シルヴァーノ(バリトン)】大西宇宙 【判事(テノール)】志田雄二 【アメーリアの召使い(テノール)】塚田堂琉
【管弦楽】東京春祭オーケストラ Tokyo-HARUSAI Festival Orchestra 【合唱】東京オペラシンガーズ Tokyo Opera Singers


外国人歌手はほぼ知らない。ウルリカを歌うユリア・マトーチュキナ Yulia Matochkina が2019年マリインスキー歌劇場来日公演『スペードの女王』でポリーナを歌ったのを聴いたくらいかな。


仮面舞踏会』は日本ではなかなか観られない作品で、観たのは2013年トリノ王立歌劇場来日公演(ノセダ指揮)以来で、楽しみにしていました。


昨年12月の日経新聞「私の履歴書」はムーティさんでした。毎朝読むのが楽しみで、ときおりウルッて笑い泣きくるところもあって読みごたえがありました。


巨匠中の巨匠ムーティ。なんと言っても2021年東京・春・祭『マクベス』の素晴らしい公演はいまだに忘れられませんキラキラ


【マクベス(Br)】ルカ・ミケレッティ Luca Micheletti 【バンコ(Bs)】リッカルド・ザネッラート Riccardo Zanellato 【マクベス夫人(S)】アナスタシア・バルトリ Anastasia Bartoli という素晴らしい歌手を集めた最近稀に見る絶賛に値する演奏会でしたキラキラ


さて、今年の『仮面舞踏会』は… ずっと忙しい日々でしたが、仕事を切り上げて文化会館へダッシュ




第1幕しか登場しないウルリカを歌った Yulia Matochkina が声量も声質も断然よかった。第1幕にしか出ないのがもったいない。続くのがレナート。オスカル(カーテンコールで妊娠しているよのポーズ)はルックスも声も小姓にぴったりで、まぁまぁいい感じ。一方で、(Twitterやブログ等でみなさんも指摘していますが)特にリッカルドが全体的に声量不足で、声がオケに負けて客席に飛んでこない。ムーティ先生もきっとゲキオコプンプン丸(実際に、リハーサルでコッテリしぼられていたらしい)ムキー物申すムキーアメーリアはキャストの性格上もう少し品格がほしいかな。日本人ではシルヴァーノ大西が突出していた。ソリストが指揮者のすぐ近くで歌うのに対して、大西さんはオケと合唱団の間にいたけれど、声量があって存在感バッチリ。

おそらく客席の大多数(少なくとも来ていた私の友人は全員)はマクベス並みの感動を期待していたが、ソリストのレベルがそこまでではなかった。とは言え、ムーティが振るヴェルディはやっぱり楽しいキラキラ指揮者って棒を振ってるだけの凡人もいるし、誰でも彼でもマエストロなんて呼ばれているけれど、ホントのホントの巨匠と言われる人はそれなりの理由があるのだと納得。81歳とほ思えないくらいシャンとしていて、見るからにカッコよくてダンディなおじさん(おじいさんではない)


来年の演目は何だろう?