TCPO第52回ティアラ:悲愴&ベトV協etc.(飯守&青木) | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

東京シティフィルの第52回ティアラこうとう定期演奏会を聴いてきました。何度も聴いたことがある超有名な3作品をどんな風に仕上げてくるのか楽しみ。

 
2018年2月3日(土)14時開演
ティアラこうとう 大ホール

【プレコンサート】
モーツァルト:ディヴェルティメント へ長調 K.138 から第1楽章、第3楽章

モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」 
 
【指揮】飯守泰次郎
【ヴァイオリン】青木尚佳
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13時半からプレコンサート。ちょっとしたファンサービスですが、『ドン・ジョヴァンニ』につながっていくディヴェルティメントはとても心地よい演奏でした。

『ドン・ジョヴァンニ』は重々しい響きがよかった。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、以前にも書いたと思うが、特に第1楽章は20分以上あり、繰り返しもあるので、相当な力量がないと「私は」ついつい退屈してしまう。結構好き嫌いが分かれてしまう作品というイメージがあるが、昨年秋に聴いた F.P.ツィンマーマン(ロイヤル・コンセルトヘボウ)はとんでもなくすごい演奏だっただけに、分が悪い。しかも、早起きして、たらふくお寿司を食べた満腹の状態でこの悠然とした作品を聴いていると、眠くなってしまう。第1楽章の入りはよかったと思うのですが、前半はやや単調で、やはりうつらうつらzzz 多分5〜7分程眠ってしまったガーン しかし、この睡眠の後は目がさえたびっくり 第2楽章はオケもソロもしっかり歌えていたし、第3楽章のソロはとても華やかで素晴らしかった。1992年生まれ。今後もまた聴いてみたいヴァイオリニストだと思う。休憩中にメールチェックと返信をしていたら、青木さんのお母さんとおぼしき女性が、青木さんの今回の演奏に向けた意気込みとかこの作品のこととかを関係者に話されていたのが聞こえてきた。なるほどなるほど。メールチェックしながらも、耳ダンボ。

休憩の後は『悲愴』。2014年N響最高の演奏に選ばれたのも納得のブロムシュテットさん(こちら)、コバケン&東フィル、テルミカーノフ&読響などいろいろな名演奏が思い出されますが、どれとも違う飯守&シティフィルの演奏。この日のシティフィルの演奏は熱かった。第1楽章は冒頭のファゴットが重厚でよかったし、第2主題の甘美な響きもまずまず。ppppppはあっさりいきすぎたのでもうちょっと粘ってもよかったかなとは思いますが、その後の激しさにはしびれた。第2楽章のワルツも軽やかで、飯守さんのあのタクトの動きと全然合ってないのに… 第3楽章の前半は普通でしたが、後半は超激しい。多少合ってなくても全然問題なし。演奏を咆哮と表現しているのを目にすることがあるが、まさにそれ。ものすごくダイナミックな演奏がとても面白かった。一転、第4楽章は… 情感あふれる演奏に泣けた。泣かされた。感動した。

飯守さんは小さなスコアを2〜3枚ずつ一生懸命めくっておられましたが、あれ、何の意味があるのだろう… コバケンさんなら当然暗譜で振るだろうし、飯守さんほどの経験のある方なら見る必要ないのでは。というより、あんなに小さな楽譜があんなに超激しい演奏の中で読めているのだろうか。見ていてとても面白かったニコニコ

こういう質の高い演奏会のS席がたったの3,700円でいいのだろうか。