午前中に、本番直前に舞台上で行われるクラスレッスンを見学することができた。1階の好きな席で見ることができて、私は9列目の中央付近。レッスン風景を見ることはほとんどないのでとても興味深かったし、いつもは一緒に舞台に立つことが少ない小野さん、米沢さん、池田さんなどが揃って踊っているところを見ることができた。クラス指導の吉本泰久さんが、見本を見せてこうしてねと言ったら、みんながすぐに合わせて踊れるのですね。さすがプロフェッショナル。米沢さんがちょっと間違えたりしたら笑顔で和やかな雰囲気になったのが面白かった。我々客がいなかったら怒られるのかな? どうでもいいですが、吉本さんは首にストールを巻いていた!コーチとかテレビのプロデューサーって巻いてるイメージなのですが、やっぱり巻いていて、個人的にめちゃウケた ホントはもっとこわいかもしれないけど、いい感じの方でした。
座席は全体を見渡せて舞台に近い2階サイド前方。3公演しかなく、土曜日のマチネなのに、1階席の後方や2階席の後方には結構多くの空席があり、残念。私の隣も空いていた。幕間のテーブルも、オペラだと席が足りないのに、この日は余裕でコーヒーを飲んだ。
幕には、横顔、TALES of HOFFMANN の赤い文字、Shelly の詩が書かれている。
The fountains mingle with the river And the rivers with the ocean, The winds of heaven mix for ever With a sweet emotion; Nothing in the world is single; All things by a law divine In one spirit meet and mingle. Why not I with thine?— See the mountains kiss high heaven And the waves clasp one another; No sister-flower would be forgiven If it disdained its brother; And the sunlight clasps the earth And the moonbeams kiss the sea: What is all this sweet work worth If thou kiss not me?
指揮者マーフィーさんは指揮台まで3回とも小走り。とてもいい人っぽい。話してみたかったな…
さて、この作品をバレエで観るのは初めてですが、聞き覚えのあるメロディが出てきて楽しい。
さて、この作品をバレエで観るのは初めてですが、聞き覚えのあるメロディが出てきて楽しい。
プリンシパル菅野さんを主役級で観るのは初めて。年配のプロローグ/エピローグ、20代、30代、40代と各幕で演じ分ける必要がありますが、とても巧いと思った。他の演目と比べて派手な踊りが少ないような気もするけど、見せ場としてはあった。人形オリンピアに盲目的に恋するところ、アントニアへの愛情と死の悲しみは特に見事だったと思う。酒に溺れたやさぐれ感も。
オリンピアの人形的な動きは、オペラだと声でも表現できるけど、機械のようなカクカクした動きを、もともと動きだけで表現するバレエで行うのは、難しいでしょうね。柴山さん健闘、とてもよかった。アントニアの小野さんは眉毛のメイクが濃すぎる以外はさすが。身のこなしが素晴らしい。何と言っても、ジュリエッタでしょう。高級娼婦という役どころを妖艶な雰囲気を醸し出して踊れるというのは彼女の魅力なのだと思う。ステラもよかったし、ステラのお付きの今村さんの芝居もうまかった。池田さんたちのウェイトレスも可愛らしい雰囲気がよく出ていて微笑ましい。
というわけで、満席には遠かったけれど、とても楽しめた舞台。この後、NHKホールに直行。
2018年2月10日(土)14時開演
新国立劇場 オペラパレス
Tales of Hoffmann(Les Contes d'Hoffmann)
【音楽】ジャック・オッフェンバック Jacques Offenbach
【編曲】ジョン・ランチベリー John Lanchbery
【芸術監督】大原永子
【振付・台本】ピーター・ダレル Peter Darrell
【美術】川口直次 【衣裳】前田文子 【照明】沢田祐二
【指揮】ポール・マーフィー Paul Murphy
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【ホフマン】菅野英男 【オリンピア】柴山紗帆
【アントニア】小野絢子 【ジュリエッタ】本島美和
【リンドルフ/スパランザーニ/ドクターミラクル/ダーパテュート】貝川鐵夫 【ラ・ステラ】木村優里
新国立劇場オペラの『ホフマン物語』は3月に観ます。コニエチュニー、コルチャック、ベルキナ、砂川さんという豪華な布陣。楽しみで仕方ない。