編集長の富田志乃です。
先日、
著者さん8名の
酒席に参加。
弊社の著者は一人も
いなかったのだけど・・。
そこでいろいろ
質問をされましたが、
その中で、
一番聞きたいと言われたのが、
「出版をしたら書店まわりを
した方がよいのかどうか」
というもの。
答えは、
出版社次第というもの。
まずは前提として、
著者がひとりで
書店訪問をすることを
許可している出版社と
許可しない出版社があります。
ですから、
ご自身の担当編集者に
そのあたりを
聞くことが大切なのです。
いちばんよくないのは、
お知り合いが
書店まわりをしたから
私も、僕も
という、自分本位の
判断はしてはいけないのです。
まずは、
出版社ごとに規定があるので、
そのあたりを聞いてみてください。
そもそも、
書店へのご挨拶まわりとは、
有名著書が
キャンペーンの一環として
書店まわりをした
というのがはじまりです。
その際は、
出版社が書店に
アポイントを取り、
いついつ、何時頃に
伺います
と調整をし、
それに合わせて
書店が著者をお招きして、
サインを書いていただいたり、
POPにコメントを書いていただくなど
していました。
担当者だけでなく
責任者や店長もおもてなしを
していたのです。
そのうち、
無名の著者でも
「書店まわりをしたい」
という人が増えてきて、
ある程度は
出版社も対応をしていました。
出版社の営業担当が、
数店舗の書店にアポを取り、
可能であれば店長にも
あいさつに出てきていただくなど、
営業からすると
「編集から頼まれて著者サービスのお手伝い」を
していたという感じです。
著者の書店周りが
加速したのは、
百田尚樹さんが
関西の書店まわりをして
本が売れた
というようなことを
インタビューか何かで
話されて、
そこから
我も、我もと
書店まわりを希望する
著書が増えたように記憶しております。
ただ、
受け入れる側の書店も
調整をする出版社も
人材的にも時間的にも
申し訳ないですが、
すべての著者に
対応はできません。
そうなると、
今度は、
著者がひとりで書店をまわったり、
著者まわりの人たちが
書店まわりを
はじめるようになりました。
その結果
書店でトラブルを起こすようになります。
忙しい書店員に
長々話しかけたり、
わいわい騒ぎながら
店頭で写真を撮ったり
(許可なく書店で写真を撮るのは
万引き行為となります)
「なぜ、新刊台に本がないんだ」
と怒鳴る著者もいました。
「追加注文はできない」と
言われた著者が
SNSで書店名をさらして
誹謗したなんて例もあるようです。
書店員の
言い方が悪かったのかもしれませんが、
追加注文できないのは
その方に注文の権限が
ない場合もありますし、
店舗によっては、
追加注文の規定が設けられている
ケースもあります。
そうなると、
書店側から
「一切、NGにしてほしい」と
と言われても仕方がないですし、
出版社側も
「著者だけで行ってはいけない」
と書店まわりを禁止するのも
納得できると思います。
1冊でも売って欲しいから
書店をまわりたいのだ
という著者の思いも理解はできますが、
書店側からは
「来てほしくない」
というのが本音です。
大きな店舗の書店になると
そこそも有名な著者ですら
「来なくていい」
というのが本音なのです。
書店も人が足りていません。
手を止め、
話しを聞くという時間を
つくることが
本当に大変なんだ
という、前提を
わかってあげて欲しいのです。
あくまでも、
出版社に確認をして、
「いいですよ」と許可を得てからにはなりますが、
ご近所で顔なじみの書店に
あいさつに行くのはよいでしょう。
お客様がいない時間帯に
様子をみて、声をかけるのも
よいかもしれません。
本を買ったときに
POPをお渡しするなど
されてもよいかもしれません。
ただ、
書店訪問よりも
著者としてもっとできることが
あると思うのです。
勝手に書店まわりをして
「あの本屋に在庫がない」
「この書店に在庫がない」
と、細かく言ってくるのも
出版社は嫌います。
そういう著者は
営業から煙たがられて、
せっかく重版したのに、
2冊目は出してもらえなかった
という著者を
何人も知っています。
自分の本を売りたい
重版をかけたい
という著者の思いはわかりつつも、
もちろん出版社も同じ気持ちでは
あるのですが、
いまの出版業界の
現状も理解しながら
行動されるとよいのかなと思います。
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