類書が大切な理由 | 編集長富田志乃の部屋 ~人生が変わる出版のお話~

編集長富田志乃の部屋 ~人生が変わる出版のお話~

出版業界33年。
営業(広告、書店、取次)から編集に至るまで、まるっと制覇!
出版業界を知り尽くした現役編集長が、出版のあれやこれをお伝えします。
元宝塚花組トップスター柚香光さんと上カルビをこよなく愛する肉食系編集長

編集長の富田志乃です。

 

どんなに文章がお上手でも

どんなにお話がお上手でも

 

意外と自分の頭の中を

整理して相手に伝えるのは

難しいものです。

 

まして本の企画となると

ますます難解。

 

もちろん、

わかりやすい企画もあるのですが、

 

ちょっと新しい切り口の

本の企画は、説明をされても

 

はて?

 

となってしまいます。

 

そこで、登場するのは

「類書」です。

話しは少しズレますが、

よく「赤」「黄色」と言っても

(書いても)

自分のイメージする赤と

相手がイメージする赤とは

違う場合がある

 

ということがあると思います。

 

自分は朱色に近い「赤」を

イメージしているのに、

相手はトマトの赤をイメージしていたとか。

 

その相違を埋めるために

 

平安神宮のような「朱色の赤」

と言って説明したり、

色見本を示して

 

「こういう赤です」と

共通認識を持つように

すると思います。

 

同様に、

類書には、

いろいろな役割がありますが、

その1つに、

 

著者と編集者

編集者と営業などが

共通認識を持つために

必要なものでもあるのです。

実は以前、

オンライン時代の

上司と部下のコミュニケーションを

書いて欲しいと

オファーしたつもりが、

 

書きあがってきて企画は

まったく別の内容だった

ということがありました。

 

原稿の確認は、

仕上がったものを見て欲しいという

著者だったので、

 

結局確認をすることができず

進んでしまいました。

 

あのとき、

類書を示し

「こういう企画です」

とお伝えしていたらと

そういう間違いは起きなかっただろうと

思います。

 

何度も話をしているのだから

伝わっているだろうと

勝手に判断した

私のミスです。

 

それ以来、

以前にもまして

「類書」の大切さを

感じているのです。

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