出版において、なぜ企画書が大切なのか | 編集長富田志乃の部屋 ~人生が変わる出版のお話~

編集長富田志乃の部屋 ~人生が変わる出版のお話~

出版業界33年。
営業(広告、書店、取次)から編集に至るまで、まるっと制覇!
出版業界を知り尽くした現役編集長が、出版のあれやこれをお伝えします。
元宝塚花組トップスター柚香光さんと上カルビをこよなく愛する肉食系編集長

編集長の富田志乃です。

 

出版を実現するために大切な

「企画書」

 

なぜ大切なのか!

2つ理由があります。

 

1つは、

多くの編集者は

「企画書」を見て

その企画や著者に興味があるか

ないかを判断します。

 

なぜならば、

企画書はいわば

本の設計図。

 

どんな本に仕上がるのかを

判断するためにも大切ですし、

 

誰に向けた

どんな内容なのか、

どんなメソッドなのか、

 

著者の頭の中を覗くための

ツールになるからです。

「面白い人がいるから会ってほしい」

「紹介したい人がいる」

 

と、著者さまやいろいろな方から

ご紹介を受けることもありますが、

 

出版を望まれている場合は

「まずは企画書を拝見させてください」

 

とお伝えするようにしています。

 

お会いして、

本のインスピレーションを

わく場合もありますが、

 

思いつきは、

だいたいうまくいきません(笑)

 

やはりお互いのために、

まずは企画書を拝読し、

どういう方なのか

どういうメソッドがあるのかを

知った上で、

 

お会いする、しないを決めて

いるくらいです。

 

ただ

勘違いしないでくださいね。

本にならない人とは会う必要がない

ということではなく、

 

お会いして、先様が

過剰な期待をしてしまうと

それぞれに申し訳ないからです。

さて、企画書のもう1つの

重要な役割があります。

 

出版社では、定期的に

「企画会議」というものが

行われます。

 

その企画を、採用するかしないかを

決める会議です。

 

そこに参加するのは

編集だけでなく、

営業、広報、経営陣など。

 

そのすべて人が

いいね!としないと

採用にはなりません。

 

言い換えれば、

そのすべての人が理解できる

企画書でないと、採用されないのです。

 

いまは本が売れない時代。

 

営業の

「では、書店さんのどこに置くんですか?」

の一言で、採用は見送られます。

 

たとえば

自己肯定なのか、スピリチュアルなのか

いまいちわからない本など、

 

書店の中で、どこに陳列される

本なのかがわからない

企画は採用されにくいと

されています。

 

置き場が明確ではないと、

結局、どのジャンルで扱うのか

わからないため、

 

返品対象となってしまうからなのです。

 

どんな読者に向けた

何を解決する本なのか

 

企画書でしっかり示すことが

重要となったくるのです。

よく送られてくる企画書で、

おそらくは、

出版プロデューサー的な人の

目を通過しているのか、

 

体裁はきれいに整ってはいますが、

 

内容がまったくわからない

というものがほとんどです。

 

まずは、きれいに書くことよりも、

ご自身のメソッドを整理し、

 

どんな人の

どんな悩みを解決できるのか

 

そこをしっかりと

考えながら企画書を作成してみてください。

 

 

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