なぜ、自叙伝では本が出せないのか | 編集長富田志乃の部屋 ~人生が変わる出版のお話~

編集長富田志乃の部屋 ~人生が変わる出版のお話~

出版業界33年。
営業(広告、書店、取次)から編集に至るまで、まるっと制覇!
出版業界を知り尽くした現役編集長が、出版のあれやこれをお伝えします。
元宝塚花組トップスター柚香光さんと上カルビをこよなく愛する肉食系編集長

編集長の富田志乃です。

 

有名人の

「私の介護日記」

「私の幼少期の体験」

「私の生き方」

 

などの本を目にすると

 

自分も似たような経験がある。

自分のほうがもっと過酷であるから

 

自分も本を出そう!

 

という思考になる方が多いようです。

自分のほうがもっと具体的な

体験を示せるから

 

困っている人の助けになると

おっしゃるのですが、

 

「よし、本にしよう」

という出版社はほぼありません。

 

もちろん、

ご自身でkindleになさることは

ご自由ですし、

 

自費出版でしたら

対応してくださる出版社はたくさんあります。

 

もちろん、弊社だって

承ります。

 

でも、それを商業出版として

出すことは、難しいです。

 

1つは、

ご自身が思っているより

その過酷な経験は

ありがちな過酷さであるということ。

 

もちろん、大変だったとは思います。

つらかったとは思いますが、

以外と同じような体験をされた方が

多いのです。

 

もう1つは、

やはり、

著者が誰であるか、

どんな人なのかが

事前にわからないと、

 

見ず知らずの人に人生に

他人は興味はありません。

 

では、ものすごい壮絶な人生だったら

本になるのか!

それを乗り越えてきた私なら

著者になれるだろ、どうだ!!

 

と企画を持ち込んでくる

方もいますが、

 

今度は、再現性がないのです。

 

〇〇さんだから

乗り越えられたのでしょ?

となってしまうのです。

一般的に

自叙伝とエッセイは

著者の知名度が最優先です。

 

どうしても出したいと思われるのでしたら、

出版が最初ではありません。

 

自分の人生を

SNSなどで発信する。

ブログに投稿する。

YouTubeなどで配信する。

 

そうして、多くの人に

自分を知ってもらってください。

 

その中で、

メディアに取り上げられたら、

 

「出版しませんか?」

とオファーが来るかもしれません。

 

多くの人に

自分の思いを伝えるためには

 

やはり地道な努力が必要なのです。

 

 

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