その「思い」が重すぎて本にならない・・ | 編集長富田志乃の部屋 ~人生が変わる出版のお話~

編集長富田志乃の部屋 ~人生が変わる出版のお話~

出版業界33年。
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出版業界を知り尽くした現役編集長が、出版のあれやこれをお伝えします。
元宝塚花組トップスター柚香光さんと上カルビをこよなく愛する肉食系編集長

編集長の富田志乃です。

 

さて、なぜ本を出したいのでしょうか?

 

「ビジネスを加速させるため」

「権威がつくから」

 

と思っている人は

ある意味シンプルでわかりやすいのですが、

 

何か、出版に対して

使命みたいなものを持っている人も多く、

 

もちろん、その思いにはなんとか

答えてあげたいとは思うのですが、

 

ただ、むしろ

その「思い」が重すぎて、

本にならないということが多いのです。

いいことは書いてあって、

なるほどねとは思いますが、

 

「で?その本読んで、読者はどうなる?」


つまり、

読者のメリットが不明確なのです。

 

皆さんは、

 

見ず知らずの人の

「なんとなくいいアドバイスだけど、

具体策はない」に対して

お金を出しますか?

 

本を買うでしょうか?

読後、何を得られるのか、

何が解説するのか、

どんないいことがあるのか

 

どれだけ実証済みなのか

 

これらがわからないと

お金は払いたくないですよね?

 

無料だったとしても

見ず知らずの人の

「ちょっといい話」に

時間をさくでしょうか?

 

皮肉なことに

「世の中の困って人に伝えたい」

という思いが、

強ければ強いほど

読者に心が向いていないことが

多いのです。

 

ビジネスの役にたつから、

権威が欲しいからの理由は、

一見軽薄そうに

思えるかもしれませんが、

 

むしろ、

読者はどんな人だろうか

読者に何を伝えればよいだろうか

読者メリットはなんだろうか

 

と、客観的に考えることができるのです。

編集者としては、

もちろん熱い思いのある方に

本を出していただきたいのです。

 

でも、その思いが邪魔になってしまうことも

あるので、

 

「ちょっと熱いかな」と感じたら

クールダウンを心がけてくださいね。

 

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