ももクロの“青い未来”、エビ中の”青いドレス” | ももクロ→エビ中→東北産の魅力

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なんか、まだ、終えることができないので、また、書きます。

前稿で書かなかった、松野さんとエビ中にとっての、「青」というテーマについてです。

コンセプト的で、まとまりのない話なので、書こうか迷ったんですが。

 

 

 

松野さんが亡くなった後の、ももクロの最初のライブイベントは、11日の横浜アリーナでした。

アンコールで、青いライトの中で、「青春賦」を歌いました。

「青」がメンバー・カラーだった松野さんへの、追悼の気持を込めて。

この曲は、愛する友との別れの歌です。

映画「幕が上がる」の主題歌なので、「銀河鉄道の夜」の死別観もバックボーンにあると思います。

 

松野さんとの別れは、カンパネルラとの別れ、「幕が上がる」の演劇部の仲間との別れ、そして多分、早見さんとの別れに重ねられました。

 

この曲には、

 

 こわしては 拾ってつないだ

 少し 欠けた夢を 握り直したら
 迷っても 泣いても 立ち止まらず
 いちばん 青い未来へ ここから

 

という歌詞があって、「青」が一つのキーワードになっています。

 

「青春賦」の「青春」の「青」は、目標に向かう“途中”としての「青」です。

 

でも、「青い未来」の「青」は、その途中で壊れたけれど、取り戻し、実現すべきものとしての“目標”としての「青」です。

この曲では意図していないと思いますが、ももクロにとって、「青」とは、脱退した早見さんです。

 

それは、“失ったもの”(別れた友、欠けた紅白の夢)であり、“取り戻すべきもの”(青い未来)です。

 

早見さんは、ももクロの中では、大人性、男性性を担っていた部分がありました。

だから、早見さんを取り戻すというのは、ももクロが大人になる、という“目標”の象徴でもあると思います。

 

早見さんとは、紅白で再会して、それを取り戻すという、大きな夢がありました。

でも、その夢は絶たれ、二重に“失ったもの”、“取り戻すべきもの”になりました。

 

ももクロにとっての、「青」、「青い未来」は、そういう象徴性を引き受けていたと思います。

 

 

松野さんという「青」にとっても、早見さんは“目標”としての「青」でした。


 

エビ中は、「永遠に中学生」がコンセプトです。

「中学生」は、目標に向かって頑張ってる“途中”ですが、「永遠に」なので、それを永続化することが“目標”です。

 

だから、松野さんという「青」は、“途中”としての「青」(青春の青)であり、
それを永続化する“目標”としての「青」でもありました。

 

 

 

エビ中には、「青」がテーマになっている曲はあったでしょうか?

 

「テブラデスキー~青春リバティ~」は、「青春」がテーマで、歌詞の中には、「青い情熱」という言葉もあります。

 

エビ中らしく、自由と全力がテーマの曲です。

これは、“途中”としての「青」ですね。

 

好きな曲ですが、この曲は、エビ中の代表的な曲には入りませんね。

他には、あったでしょうか?

実は、メジャーデビューに際しても、8人体制での再スタートに際しても、“目標”としての「青」を歌っていたと思います。


と言っても、意図してではなくて、偶然に、控えめに現れるだけですが。

 

 

 

エビ中の代表曲の1つで、メジャー・デビュー曲が、「仮契約のシンデレラ」です。

この曲は、アイドルとしてのブレイクを“目標”にするエビ中の姿を、シンデレラに重ねて描いた曲です。

 

歌詞の中には、「青いドレス」という言葉があります。

 

ディズニーのシンデレラが、王子様と会うために、魔法の力の助けを借りて着るのが、「青いドレス」です。

これがなぜ「青」なのかについては、諸説があります。

でも、シンデレラにとっては、“目標”となる姿でしょう。

 

「青いドレス」は“目標”ですが、エビ中は“途中”がコンセプトなので、
「青いドレス」も「期限付き」で、シンデレラも「仮契約」になります。

 

だから、この曲が歌っているのは、目標として「青」に向かっている“途中”です。

 

松野さんにとっては、「青」は個人カラーですが、非公式だったので、「青いドレス」は着ることができませんでした。

「青」は、最年長のお姉さんの学年カラーですから。

 

「お邪魔モノの お姉さん方 蹴散らして」、と歌う通り、シンデレラは末の妹の物語です。

松野さんも、当時、エビ中内では学年で考えれば、末の妹でした。

 

だから、「青いドレス」を着て、お姉さんに勝とうとする末の妹の物語という点では、
シンデレラは、松野さんにこそ、ふさわしかったと思います。
(エビ中内のお姉さんと競う歌じゃないですけど)

 

松野さんは、メンバーの中でも一番、ぴったりな、“途中”としての「青」でした。

 

 

 

8人体制として再スタートしたエビ中は、より明るく元気になったと思います。

1stシングルに集録された曲の中では、「ラブリースマイリーベイビー」が、そんな新生エビ中を、最も象徴する曲でしょう。

 

新しいエビ中が“目標”とする姿を、この曲は、「新しい季節」として歌ったのだと思います。

歌詞中に、「夏がはじまるよ」、「青い海が見えてくる」、とあるように、この曲の舞台は、青い海や空が印象的な夏の世界です。

淡い「春青」ではなく、もっと鮮やかになった夏の「青」の世界です。

そこは、自然に、夏になり、走り出したら青い海が見えてくる世界です。
自然に、雨が上がって青空に虹がかかるように、人がつながり笑顔が生まれる世界です。

「ラブスマ」が歌う「新しい季節」の青い世界は、“目標”としての「青」です。

でも、やっぱり、“途中”がコンセプトのエビ中なので、
この曲が歌っているのは、「新しい季節」そのものではなく、その「予感」、「はじまるよ」です。

「青」に向かう“途中”です。

そして、そんな“途中”の「青」、自然に生まれる笑顔は、やっぱり、松野さんに相応しいものでした。

 

 

 

エビ中にとって、「青」は、“目標”であり、そこへの“途中”でもあり、“途中”という“目標”でもありました。

 

でも、松野さんを失ったエビ中にとっては、ももクロと同じように、いや、それ以上に、“失ったもの”、“取り戻すべき”ものにもなりました。

 

「銀河鉄道の夜」を受け継いで、「青春賦」は歌います。

 

 僕ら 離れ続けたってさ
 宙の 底から見れば くっついたままだ

 

エビ中メンバーも、ファミリーも、永遠の「青」を、そう想っているでしょう。