教育実習その2
(続き)
弟をネタにして笑い取って喜んでる場合じゃないのだ。
古典に興味のない生徒たちの頭に、女をストーカーして誘拐して逃げられて泣いてるアホタレな在原業平の恋物語を格調高く教えるのが、教育実習生たる私の本分なのだ。
弟はこの一回だけ授業を受けたが、いたたまれない気分になったようで、以後ずーっとサボッてた。
可哀想に。
将来ハゲたら私のせいだ。
実習そのものは弟不在のままで順調に進んだ。
どのクラスの子もなついてくれたし、可愛かった。
実習生控え室になってる教室までお弁当を持って訪ねてきて、「先生、一緒にお弁当食べてください!」なんて言われると、「こいつら可愛い可愛すぎる。神様、お弁当より、この生徒たちを食べてもいいですか?」と顔がゆるみました。
最終の授業となった弟のクラスの学級会での自由授業では、生徒からの質問コーナーとフリートークにした。
実習仲間の中には、討論会みたいなのをきっちり計画立ててる人もいたけど、私は持病の面倒くさがり病が悪化して、ぶっつけ本番のトークショーにしたの。
お決まりの「彼氏いますか?」とか「勉強方法は?」みたいな質問のあと、弟について質問されて、ガッツリ喋った。
寝ぼけて男用トイレでウンコした事件などなど、姉だからこそ知るマル秘エピソードを披露したり、黒板に「一分で描ける弟の似顔絵」を描いたり。
教室が笑いの渦に巻き込まれるのを見て、大満足でした。
どうも弟は学校では微妙にカッコつけてクールぶってたらしい、というのも分かった。
良かった良かった、クールなだけじゃモテモテの人気者にはなれないしさ。時代はツンデレ。ツンデレの「デレ」の部分を私が喋ってあげたから、明日から弟はクラスの人気者ー♪
弟はしばらく口聞いてくれませんでした。
やれやれ、この上の弟は真面目なのだ。おちゃめなジョークが通じないっていうか頭が固いっていうかさー。
もしこれが下の弟なら、一緒に盛り上がってくれただろうにさー。
弟よ、今さらながらごめんね、こんな姉で。
もしハゲたら良い育毛剤買ってあげるからね。
弟をネタにして笑い取って喜んでる場合じゃないのだ。
古典に興味のない生徒たちの頭に、女をストーカーして誘拐して逃げられて泣いてるアホタレな在原業平の恋物語を格調高く教えるのが、教育実習生たる私の本分なのだ。
弟はこの一回だけ授業を受けたが、いたたまれない気分になったようで、以後ずーっとサボッてた。
可哀想に。
将来ハゲたら私のせいだ。
実習そのものは弟不在のままで順調に進んだ。
どのクラスの子もなついてくれたし、可愛かった。
実習生控え室になってる教室までお弁当を持って訪ねてきて、「先生、一緒にお弁当食べてください!」なんて言われると、「こいつら可愛い可愛すぎる。神様、お弁当より、この生徒たちを食べてもいいですか?」と顔がゆるみました。
最終の授業となった弟のクラスの学級会での自由授業では、生徒からの質問コーナーとフリートークにした。
実習仲間の中には、討論会みたいなのをきっちり計画立ててる人もいたけど、私は持病の面倒くさがり病が悪化して、ぶっつけ本番のトークショーにしたの。
お決まりの「彼氏いますか?」とか「勉強方法は?」みたいな質問のあと、弟について質問されて、ガッツリ喋った。
寝ぼけて男用トイレでウンコした事件などなど、姉だからこそ知るマル秘エピソードを披露したり、黒板に「一分で描ける弟の似顔絵」を描いたり。
教室が笑いの渦に巻き込まれるのを見て、大満足でした。
どうも弟は学校では微妙にカッコつけてクールぶってたらしい、というのも分かった。
良かった良かった、クールなだけじゃモテモテの人気者にはなれないしさ。時代はツンデレ。ツンデレの「デレ」の部分を私が喋ってあげたから、明日から弟はクラスの人気者ー♪
弟はしばらく口聞いてくれませんでした。
やれやれ、この上の弟は真面目なのだ。おちゃめなジョークが通じないっていうか頭が固いっていうかさー。
もしこれが下の弟なら、一緒に盛り上がってくれただろうにさー。
弟よ、今さらながらごめんね、こんな姉で。
もしハゲたら良い育毛剤買ってあげるからね。
教育実習その1
昨日の日記に引き続き、上の弟ガラミの話をもう少し。
私は母校で教育実習をした。
担当クラスは、なぜか上の弟のクラスだった。
一年から三年まで30近いクラスがあるマンモス高校で、
これ、なんてイヤガラセ…?
授業はともかく朝の学活やら学級会まで受け持つことになったのだ。
ちなみに私はそんなに気にしなかった。イヤかイヤじゃないかと聞かれたら超イヤだったけど、決定したことで悩んでもどうにもならないから、腹をくくって面白がることにしたの。
よーし弟とアイコンタクトしながら授業しようー♪なんて思ったりしてた。
ただ、そう思ったのは私だけで、弟はめちゃくちゃイヤだったようだ。「恥ずかしくて死ぬ」と悶絶してた。
弟に、「ウケない寒いギャグは言わないこと」「授業中は俺に話をふらないこと」「胸の開いた服と短いスカートは絶対に着ていくな」などなど、家でいっぱい釘を刺された。
私が、「アンタのクラスの男子生徒とイケない関係になったらどうしよう?教育実習生って昔から人気あるよねー♪」と言ったら、デカい目玉ひんむいて怒ってた。怖いよこの弟。冗談に決まってるやん…ょょょ。
他のクラスは緊張しなかったんだけど、弟のクラスではじめて授業に入るときは、さすがに軽く緊張した。
教卓から見回すと…お、いるいる、窓際の後ろの席に弟がいる。少女漫画でいうとイケメンの不良くん(実は優しい)が座る特等席やーん、コノコノー♪(何が?)
つーかこっち見てないし。
自己紹介したあと、弟を指差して、「実は私、あそこに座ってる〇〇くんの姉なんです。知ってた?」と聞いたら、半数以上が首をブンブン横に振り、ザワザワしながら興味シンシンで私と弟を見比べてた。
弟は真っ赤な顔で私を睨んだ。
「うわ、言ってなかったんや!ごめんね、〇〇くん♪」と弟に言ったら、教室は爆笑の渦に。さすが箸が転んでも笑えるガキたちだぜ。
「私とあの子、あんまり似てないやろー?似てるのは頭の形だけやねん」というと、なぜかまた笑いが。なにがオモロイのかさっぱり分からんけど、弟のおかげで掴みはok。
「先生ちっちゃいですね!」と合いの手が入ったので(弟がデカいからだろう)、「子供のとき、いやしい弟に私のぶんのアイス食べられてたからねぇ」と答え、ノッてきた私はしばらく適当なことをペラペラ喋ってから授業に入った。
(続く)
私は母校で教育実習をした。
担当クラスは、なぜか上の弟のクラスだった。
一年から三年まで30近いクラスがあるマンモス高校で、
これ、なんてイヤガラセ…?
授業はともかく朝の学活やら学級会まで受け持つことになったのだ。
ちなみに私はそんなに気にしなかった。イヤかイヤじゃないかと聞かれたら超イヤだったけど、決定したことで悩んでもどうにもならないから、腹をくくって面白がることにしたの。
よーし弟とアイコンタクトしながら授業しようー♪なんて思ったりしてた。
ただ、そう思ったのは私だけで、弟はめちゃくちゃイヤだったようだ。「恥ずかしくて死ぬ」と悶絶してた。
弟に、「ウケない寒いギャグは言わないこと」「授業中は俺に話をふらないこと」「胸の開いた服と短いスカートは絶対に着ていくな」などなど、家でいっぱい釘を刺された。
私が、「アンタのクラスの男子生徒とイケない関係になったらどうしよう?教育実習生って昔から人気あるよねー♪」と言ったら、デカい目玉ひんむいて怒ってた。怖いよこの弟。冗談に決まってるやん…ょょょ。
他のクラスは緊張しなかったんだけど、弟のクラスではじめて授業に入るときは、さすがに軽く緊張した。
教卓から見回すと…お、いるいる、窓際の後ろの席に弟がいる。少女漫画でいうとイケメンの不良くん(実は優しい)が座る特等席やーん、コノコノー♪(何が?)
つーかこっち見てないし。
自己紹介したあと、弟を指差して、「実は私、あそこに座ってる〇〇くんの姉なんです。知ってた?」と聞いたら、半数以上が首をブンブン横に振り、ザワザワしながら興味シンシンで私と弟を見比べてた。
弟は真っ赤な顔で私を睨んだ。
「うわ、言ってなかったんや!ごめんね、〇〇くん♪」と弟に言ったら、教室は爆笑の渦に。さすが箸が転んでも笑えるガキたちだぜ。
「私とあの子、あんまり似てないやろー?似てるのは頭の形だけやねん」というと、なぜかまた笑いが。なにがオモロイのかさっぱり分からんけど、弟のおかげで掴みはok。
「先生ちっちゃいですね!」と合いの手が入ったので(弟がデカいからだろう)、「子供のとき、いやしい弟に私のぶんのアイス食べられてたからねぇ」と答え、ノッてきた私はしばらく適当なことをペラペラ喋ってから授業に入った。
(続く)
訪問販売その2
(続き)
ちなみに母親も私とまったく同じことを言ってた。訪問販売の人に冷たい態度が取れなくなったと。
弟が訪問販売の仕事してたのは実質的には三ヶ月にしかならないのに、母と姉を劇的に変えた。
父親いわく、父が冷たい言葉で訪問販売員を追い返したとき、「そんな言い方で追い返す必要ないやろ!優しい言い方で追い返したらいいやん!あんたは冷たい!」と母にギャンギャン責め立てられたそうだ。
父は母に弱いので、さぞかしションボリしたと思う。可哀想なおとーちんw
もちろん人を騙すようなボッタクリ訪問販売は確かにムカつく。
けど、誰かの息子かもしれないor誰かの弟かもしれない目の前の訪問販売員に、私はもう一生冷たくできないだろうなァと思う。
私は八方美人ではあるけど、赤の他人に心の底から優しい気持ちを持ってる人間じゃない。マザーテレサやナイチンゲールにはなれない人種だ。けど、家族への深い愛情はある。
その家族への限定された狭い狭い愛が、一期一会でしかない赤の他人への優しさに繋がることもあるんだなとシミジミ思えた一連の出来事でした。
ちなみに母親も私とまったく同じことを言ってた。訪問販売の人に冷たい態度が取れなくなったと。
弟が訪問販売の仕事してたのは実質的には三ヶ月にしかならないのに、母と姉を劇的に変えた。
父親いわく、父が冷たい言葉で訪問販売員を追い返したとき、「そんな言い方で追い返す必要ないやろ!優しい言い方で追い返したらいいやん!あんたは冷たい!」と母にギャンギャン責め立てられたそうだ。
父は母に弱いので、さぞかしションボリしたと思う。可哀想なおとーちんw
もちろん人を騙すようなボッタクリ訪問販売は確かにムカつく。
けど、誰かの息子かもしれないor誰かの弟かもしれない目の前の訪問販売員に、私はもう一生冷たくできないだろうなァと思う。
私は八方美人ではあるけど、赤の他人に心の底から優しい気持ちを持ってる人間じゃない。マザーテレサやナイチンゲールにはなれない人種だ。けど、家族への深い愛情はある。
その家族への限定された狭い狭い愛が、一期一会でしかない赤の他人への優しさに繋がることもあるんだなとシミジミ思えた一連の出来事でした。