この後
乗り換え駅に到着する直前で声をかけた
「〇〇だよ、降りよう」
ピクリとも動かない
肩を叩く
動かない
無理矢理立たせて降ろした
フラフラ
まっすぐ歩けない
強制連行みたいにして抱え
手すりを掴ませて階段を下りて上った
☆
そこにいるはずのない妻が
目の前にいて
乗り換えさせている
夫はうっすら笑っていた
自嘲的な感じで
☆
乗り換えて
空いている席に座らせて最寄駅まで行き
何とかタクシーに乗った
肩に手をまわそうとするのを拒否して
腕を抱えて歩いた
☆
ああ
こんな感じなら
あの夜
不倫オンナはホテルに連れて行けただろう
ホテル行く?
と聞いてみたくなった
何と答えるだろう
思いとどまった
さすがに妻だと認識しているだろうから
無用なトラブルを起こしたくない
☆
何とか歩けるけど
意思はない
こんな状態で
不倫オンナに
ホテル行く?
と誘われて
合意も拒否もなく
2人でホテルに向かったのだろう
当時のブログに
大の男を若いオンナがホテルに連れ込めるのか?
とコメントをいただいたけれど
こんな夫なら
ホテルに連れていくことはできただろう
自分が今どこに向かっているか
わからないだろうし
それを確認したり
拒否したりする
そんな意思も理性もないから
☆
わかった気がした
あの日
どうやってホテルに行ったのか
☆