加賀鳶(かがとび)

歌舞伎座昼の部。河竹黙阿弥作。外題は、盲長屋梅加賀鳶。加賀藩前田家お召し抱えの大名火消しの加賀鳶と上野、下谷、本郷などの町火消しとの争いを素材としている演目。「梅」は前田家の定紋の梅鉢、菊五郎の俳名である梅幸を効かせているとも言われているそうです。幕があがるとすぐに、加賀鳶の頭、海老蔵さんが登場。いなせですねー。素敵‼️よくお似合いです。花道からは、中車さん、右團次さん、巳之助さんなど、加賀鳶たちが勢揃い。名乗りをあげて一気に華やかな舞台に。男性版宝塚みたい。皆さんカッコいいー。惚れ惚れ。伝統の衣装もしぶくてお洒落〰️〰️！一つ残念なのは、黒御簾の演奏の音が大き過ぎて、台詞が聞こえにくかったこと。音楽が場を盛り上げているけれど、もう少し音を下げる方が、台詞聞き取り安い。二幕目からは、海老蔵さんの二役目、按摩の道玄。この演目、海老蔵さん初役だそうです。私もこの演目はお初。丸坊主の海老蔵さん、お父様と頭の形がそっくりでビックリ！お金の為に人を殺したり、姪を利用してお金をゆすりに行ったり、どうしようもない悪党を海老蔵さんが💃ノリノリで怪演。その場その場の表情が傑作！今まで、海老蔵さんが演じた悪党は、色男の悪。でもこの、道玄はみっともなくて、いいとこなし。そして底なしの冷酷さも感じる。海老蔵さんのお宝演目になるわー。ユーモラスな場面も度々で、最後、捕方たちから逃げる時の走り方が最高‼️海老蔵さんどこから研究なさったのかしら？うけるー〰️〰️！今回は初役なので、探り探りでしょうから、多分次回は、もっとはじけてノリノリになられるのでは？いつの日か再演も観たいわー。道玄をいさめる加賀鳶の松蔵役に中車さん。さすが、ビシっと決めますねー。三幕目に、海老蔵さんの部屋子？、福丸君が小按摩で登場。大きくなったわねー。可愛いし声がいい。大詰には、やはり部屋子？の福太郎君登場。海老蔵さんとの信頼関係？！で生まれた迷シーンあり。最後の最後、コクーン歌舞伎ぽかったけれど、やるならもう少し派手な仕掛けが欲しかったなー。海老蔵さんの芸域の広さがわかった楽しい舞台でした。