クリスマスバカンスで、南フランス
の義両親宅に向かう際、アルル
にも立ち寄り、1泊しました。
ゴッホが34歳の時、移り住んだ地
として知られるアルル。
夜の旧市街をお散歩しました。
可愛らしいイルミネーション。
オフシーズンの夜間は人通りが
少なく、寂しいほど。
円形闘技場の周りも犬の散歩を
する人とすれ違うくらいで、
静まり返っていました。
さて、ゴッホの芸術活動の
全盛期と言えるアルル時代。
自ら左耳下部を切り落とし、病院
に収容されるまでの1年足らずで、
数々の名画を生み出しました。
夜のカフェテラス, 1888
中でも高い人気を誇る
『夜のカフェテラス』は、ガス灯に
明るく照らされたカフェテラスの
鮮やかな黄色と青い星空の
コントラストがなんとも印象的。
夜の情景にありながら、色彩の
美しさに溢れた作品です。
ゴッホの言葉によれば、星は
「天国の花」として描いたそう。
なんて、素敵な発想でしょう。
後の天文学研究によって、
1888年9月16日または17日の
夜に現れた星座を正確に描いた
ことが裏付けられています。
描かれたカフェは、第二次世界
大戦の空襲により焼失してしまい
ましたが、同じ場所に再建され
「Café Van Gogh（カフェ・
ヴァン・ゴッホ」という店名に
生まれ変わりました。
お店のトリップアドバイザーでの
評価は散々たるものですが、そこは
目をつぶり、ゴッホが描いた
オリジナルでなくても、あの名画の
カフェのテラス席に座ることを
夢見て、はるばるアルルまで
やって来ました。
そして、ついにその時が！
と思ったら、ガ ー ン ！
なんと 閉 鎖 中。
地元の人に聞いたところ、
定休日やホリデーシーズン
だからではなく、数ヶ月前から
閉まってるよ、とのこと。
なんてこと！
以前、行ったことがある夫は
「そうなんだ。」と軽い反応
でしたが、ささやかな夢が
叶えられなかった私はがっかり。
一体、何があったというの？
調べてみると、2023年7月26日付
の保健所の検査で、消費者の
健康を危険にさらす可能性がある
ことが判明し、行政当局による
閉鎖措置が行われた模様。
検査結果は こちら で確認できます。
閉鎖されて、かれこれ半年になる
ということですね。
ネガティブなクチコミの多さ
から、驚きよりも観光客相手に、
なめた商売をしていたのかなと、
納得する部分もあり、あの名画に
憧れ、世界中から観光客が集まる
有名カフェだっただけに、
とても残念です。
再開されることがあれば、良い
思い出だけが残るような素敵な
カフェであってほしいですね。
黄色い家, 1888
こちらはゴッホが間借り
していた黄色い家。
『ゴッホの寝室』や『ひまわり』
が描かれたのも、2ヶ月で破綻した
ゴーギャンとの共同生活を
送ったのもこの家でした。
ラ・マルティーヌ広場に
面して建っていた黄色い家は、
これまた戦災により全壊して
しまいましたが、背後の4階建て
の建物と奥の鉄道の高架橋は、
今も確認できます。
ローヌ川の星月夜, 1888
ラ・マルティーヌ広場の近く
には『ローヌ川の星月夜』が
描かれた場所があります。
宝石のように輝く星が夜空に
浮かび、水面には反射し、
ゆらめく町のガス灯が。
川岸で寄り添う恋人たちも描かれた
多くの人を魅了する作品です。
満天に輝く星がないと寂しさは
否めませんが、この場所に立つ
ことができて、嬉しかったです。
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