その日、僕たちははしゃいでいた
受験勉強から解放されやっと迎えた入学式
心は晴れ晴れ気持はとても高揚していたのだ
僕たち3人は中学校の同級生で
カズとは小学校からの幼なじみ
ノンちゃんとは中学校で仲良くなった
ただ…
僕たちの高揚は100%では無かった
それは同じクラスの仲良しだった啓輔が
この学校の受験に失敗してしまったからだ
4人でこの歴史ある名門校に行こうぜ
そう語り合い励まし合っていたのに…
受験日の前日はチャリを転がして
この学校を見に来た
僕たち4人が通うであろうその学校は
日本一歴史がある公立高校で江戸末期の創立
それはペリーが来航する前年のことだというから驚きだ
真・健・美の校訓を持つ名門校は僕たちの憧れの存在だった
仲間がひとりだけここに来ない
それは浮かれた僕たちの心の中の大きな影だった
啓輔は結局、大阪の南部にある某私立高校に行くことになった
一緒にココには通えないけれどそれも人生だなって
なんか大人びた喪失感はあったが入学式の高揚は
僕たちの中でその大きな影を薄くした
僕たち3人はそれぞれ別のクラスにはなったものの
クラブだけは同じトコロにしようぜ
なぁんてことを語りながら
校内を探検していた
お~い!
向こうで呼ぶ声がする
なんだろう?
どうやら僕たちにその声は向けられているようだ
学食の平たく大きな建物に
寄り添うように建つ木造の平屋には
入り口が二つあった
ひとつは玄関庇がついている
その隣の入り口は三段の階段が付いていた
呼ぶ声は三段の階段を上がったところから聞こえた
長髪で口こぼな顔のその人は笑顔で僕らを呼んでいた
こっちやで!
ここや!
ここに来いよぉ!
言われるままに僕らは三段の階段を上がり
勧められるままに長いすに3人並んで座っていた
目の前の長方形の大きなテーブルには
なぜかお茶があった
長髪で口こぼな人の隣には
これまた長髪で穏健そうな人
彼らの学生服姿はとても堂々としていて
一目で先輩なんだなと感じられた
セーラー服姿の女子生徒はとてもかわいい方だった
セーラー服は三本線が入っていた
この三本線のセーラー服は当地の女子中学生の憧れだった
あの三本線のセーラー服を着たい…、そんな憧れから
この学校を目指す女子中学生も多かった
そんな先輩達に囲まれた僕たち3人
なぜここに居るのかさえわからないけれど
勧められるままにお茶を飲んだ
お茶の味なんて覚えていないけれど…
次の瞬間
くちぼこの男からかけられた言葉に僕らは驚愕した
キミ達3人は今日からここの部員だ!
えっ?
少し間をおいて聴き直す
長髪の口ごぼ顔の男は笑みを浮かべながら
こう続けた
キミ達はこの茶を飲んだんし
もう仲間だよね
えっ?
僕たちはその意味を理解するには
少し時間がかかった
長髪で穏健そうな先輩の口から
こんな言葉が飛び出す
僕たちが君らを呼んで
君らがここに来て座って
一緒にお茶を飲んだだろ
だからもう仲間やんか
なんですか?
なんのことですか?
それはクラブの勧誘だった
校内をウロチョロしている僕たちに
先輩が声をかけ部室へと誘う
まんまとその作戦に引っかかってしまった
でもコトはそんなに深刻では無く
ほとんど冗談のような誘い方で
それは強引でも無かった
面白そうな先輩や三本線のセーラー服を着て
ほほえむ美人の存在はとても良い印象を与えた
結局僕たちはその後
その先輩達と楽しい話をして
即決、そのクラブに入ることとなった
それが『新聞部』
ホントはスポーツ系のクラブに入る予定だったけど
まさかの新聞部員となってしまったのだった
… … … ■ ■ ■ … … …
チョット長い前置きでした
実はこれ
ワタシが高校に入った日の出来事
小説風に書いてみました
続きを聞きたい?
ははは…
そんなことないよね
オイトイテ
こんなコトがあって
予期しないクラブに入ってしまった僕たち3人
この3人のうちヒトリは2年生の時に
医学部を目指すことを決意し勉学に励むとして退部
もうひとりは1年生の終わりに理由もなく退部した
でも新入生の入部は僕たち3人だけじゃ無く
他に男子2名、女子3名が次々と入部した
入部勧誘の手口は
先輩達が仕組んだ『お茶作戦』では無かったけれど
そんなこんなの
新入早々のまさかの新聞部入部
1年生は入部当初8名だったのが
卒業の時には半分の4名になったけど
3年間の絆はとても強いモノがある
高校時代の3年間は短いけれど
とても濃密
部室で居る時間も多く
仲間意識の深まりだけでは無く
部員同士の恋愛というのも
ケッコウあった
そんなこんなの新聞部
ワタシは部長を拝命して
頑張ったモノです
もう何十年も前のコトだけど
いまでも交友が続いている
そんなこんなで
元新聞部の仲間で新年会
1月も終わりに近づいたある日のこと
元新聞部メンバーのLINEグループで
日程やら場所やらを決めて新年会
場所はどこにする?
今回はワタシの関与するところで
やってみましょうと相成りました
安直やけど…
元保育所だったところを
リノベーションして5つの施設が入ってます
カフェにブルワリー
パン屋さんにエステ
そしてゲストハウス
そのゲストハウスの一室を使っての
新年会と相成りました
保育所だった頃の面影も起こしつつ
リノベーションした施設
新年会に使ったのは
この中のゲストハウスの一部屋
左の黒板は保育所当時のモノ
当時の雰囲気を残そうとそのままにしてます
シャンデリアはアメリカのポートランドにある
有名なホテルのロビーにあるものを模したモノ
これは知人のアイアンワークが作成したもの
ココのテーマは
ポートランドに居るような…
…です
ここは4人部屋の一角
ベッド4つ
流しや調理器具も備えてます
そんなこんなで
ここで新年会
お料理は系列店でデリバリー
こんな感じ
エエ感じ
ローストビーフ
キッシュ
エビチリ
フライドチキン
etc…
今回集まった元新聞部員達は7人
同期が4人に後輩が3人
話しは昔話より
近況の方が多いかな
昔はこの中で色々あったなぁ
でも今でも仲の良い仲間達
出会ってもう何十年にもなるけど
昔のまま時が止まってる感じ
顔は老けたけど…
ははは…
💦
ワインにビール
心地よい時間が流れます
あの3年間はやっぱり濃密だったんだな
新年会のあとはこの建物にある
ビール工房をご案内しました
ここクラフトビールは
IPA部門で日本一にも輝いたという
美味しいビールを製造してます
そんなこんなの
新年会
本日の冒頭は
ワタシが新聞部に入った理由の部分
ちょっと小説風にアレンジしました
入部したあと、色々あったな
そんな話し…
聞きたい?
ん~~~
そんな昔の話しなんて
そんな他人の話なんて
聞きたくはないよね
ははは…
でも、ドラマチックなこともあり
ここでは書けないこともあったな
ははは…
そんなこんなの
季節ぎりぎりの新年会でした
…ちゅうことで
ほな
また