月のいとはなやかに…  源氏物語起筆のお寺を訪ねて | The Sam's Room

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月のいとはなやかにさしいでたるに

今宵は十五夜なりと思いし出でて

殿上のお遊び恋しく…

 

 

紫式部がこう綴り始めたのは…

 

1,000年経っても色あせぬ

世界的長編小説の『源氏物語』

 

 

対岸の山の端から現れた

中秋の名月…

その美しい望月を眺めつつ

滋賀の石山寺の本堂の一室

産籠室に籠もり

須磨の巻から書き始めたという

源氏物語

 

 

 

その発端は…

 

 

お仕えする中宮彰子に

『なんか物語を書いてちょうだいよぉ』

…と言われた紫式部

 

 

これはこれは…

どないしよと

物語を書くべく

石山寺に籠もること7日間

 

紫式部も神様仏様と神頼り?

観音様にお願いしました

 

『今まで誰も読んだような

ステキな物語をワタシに書かせてぇ

観音さまぁ~、お願いお願い、よろしくね』

 

…と

石山寺の観音様に祈り続け

ある夜のこと…

 

前述の通り

中秋の名月を見て

ふと思い浮かべたオットコマエの貴公子

それを主人公に書き始めたのが

源氏物語

 

…と

『石山寺縁起絵巻』に書き伝えられております

 

 

 

月のいとはなやかに…

 

 

と書き始めたのは

須磨の巻

 

 

朧月夜との仲が発覚

バレて都にいられなくなり

困った源氏が逃げたんが須磨

 

 

そんな都から遠く離れた須磨で

 

月のいとはなやかに…

 

 

と、15夜の月を観て

あぁ、都に居るときは良かったなぁ

恋しい朧月夜も観てるンかなぁ

良かったなぁ、都は…

 

と恋しい人を思う光源氏

 

 

あぁ、それなのに、それなのに…

 

 

スケベな光源氏は

この地でベッピンさんで気品のある女性

『明石の上』を見つけて

子どもまで産ます!?

 

ホンマ、プレイボーイやなぁ

 

 

 

そんなこんなの源氏物語

 

 

 

 

 

NHK大河に取り上げられると

もれなく大ブームになる

 

 

でも、放送が終わると

それまでむっちゃ賑わっていた

撮影地や関連する施設などから

観光客がササッとひいてしまい

あれ? 

今までのブームはなんやったん!?

…というコトになるのが

大河あるある

 

 

ま、よ~わからんけど

 

 

そんなこんなで

いま、石山寺は紫式部ゆかりの地として

観光客がドンドコわさわさ押し寄せております

 

 

 

ちなみに…

1,000年経っても色あせない

世界に類を見ない長編恋愛小説

 

 

1,000年も前のお話しなのに

色あせないのはなぜ?

 

 

それは

人の心や想いというのは

神代の昔から変わらないモノだから

そして恋愛とは経験してやっとわかることだから

 

 

例えば科学技術はドンドン進んで

過去からの技術は積み上げられ

継承されていく

積み重ねと学習が出来るのです

 

しかし

恋愛は継承されない

一代限りのものだから

 

 

他人から教えられても

話しを聞かされても

経験してみないとわからないのが

恋愛…

 

 

だから

恋愛は化学技術などとは違い

継承されたりしない一代限りのもの

 

 

話しを聞いたり本を読んで

わかっているつもりでも

実際に経験しないとわからない…

一代限りのもの

 

 

1,000年前の人の想いとは

今でも変わらない…

 

だから恋愛感情や男女の想いは

1,000年経っても色あせない

 

それが源氏物語の今なお読み続けられている

ひ・み・つ

 

…なのかも知れません

知らんけど

経験、ないけど

ナンチテ

ははは…

 

 

モチノロンロン

紫式部の巧みな表現は

実に心憎いほど

 

それに相まって

神代の頃から変わらない

恋模様や嫉妬など

一人のスケベ男(?)

いやいや…

モテモテ男を中心に繰り広げられる

一大絵巻の中に自分を置き、投影する楽しさ

 

これが源氏物語の神髄かも知れません

 

生々しいまでのココロの機微が描かれ

ある場面では共感を得たり

ある場面では願望や夢が叶えられる

そんな心くすぐる作品なのかもしれませんね

知らんけど…

 

 

 

 

そんなこんなの源氏物語

そして

起筆の地となった石山寺

 

 

訪ねてみました

 

 

 

 

源頼朝によって建てられたという

東大門をくぐります

 

 

 

辺りは一変して

静寂の世界

 

 

木々が茂り落ち着いた雰囲気

 

 

よろしゅ~ございます

 

 

 

 

トホホな長い階段

Z/B世代にはキッツい!?

 

 

これを登ると…

 

 

 

 

多分…

きっと…

絶対に…

 

かの紫式部も観たであろう

神木が出迎えてくれる

 

天平時代

創建の時からあるという古木

きっと神様が宿ってる

 

 

目を正面に向けると…

 

 

これが石山寺

 

…と言うべき光景

 

大硅灰石群

 

この岩、天然記念物なんだってね

 

この石群越しに見えるのは

日本最古だと言われる

多宝塔

 

 

実に美しい

 

 

 

左に登ると本堂

 

 

国宝なんやてね

 

 

御朱印を頂き

回り込んでいくと

産籠室

 

 

 

源氏の間

 

なぁんて名前が付いてる?

 

紫式部チャンが執筆してます

 

 

奥に見える人形の顔がチョット怖いかも!?

 

 

そんなこんなの本堂をアトに

階段を上ると

 

 

 

 

この石に座ると安産?

 

 

あっしにはかかわりのねぇことでござんす…

 

 

 

国宝『多宝塔』は逆光でした

 

 

 

 

瀬田川の支流から

琵琶湖が望めます

 

この地に紫式部が来て

源氏物語が生まれたのが

なんかわかるような気がする

 

 

世の中の喜怒哀楽

恋愛相思相愛、憎悪、嫉妬

そんなこんなが

この佇まいの中にあるのかも知れません

知らんけど…

 

 

ここに屡々立ち寄り

この場所を愛したのが…

 

松尾芭蕉

 

 

 

あけぼのはまだむらさきにほととぎす

 

 

こんな句碑も建ってました

 

 

 

 

石山寺では俳句大賞をやってるみたいです

 

素晴らしい句が並んでおります

 

 

この景観

ひとつ俳句でもひねって…

 

 

そう思う絶景

 

 

 

源氏物語だけでなく

 

 

蜻蛉日記や更級日記

そして大和物語などにも

屡々登場する石山寺

 

 

特別な雰囲気が味わえる

 

 

そんな名刹です

 

 

 

 

…ちゅことで

 

ほな

また

 

 

チョキ