やっと逢えました、オランダの美少女に… の巻  | The Sam's Room

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仕事なんかやってられっかよぉ…

だって、彼女が遙々オランダから来てるンだよ。
遙々と、ハルバルと…、オランダから… 
誰の彼女?

オラんだ…!? 
(わかりやすかったね! ダジャレの超初級だね!)



そういうことじゃなく…


そう!
そんな彼女が…、

綺麗な彼女がわざわざオランダから来たんだ。
放っておけないよ…

もう随分待たせているからね。
早く逢いに行かないと…





…なぁんて言えばカッコよろしいなぁ。

そんな美女がワタシを待ってるはずないヤンか。
逢いたいとか、見たいとか、片想いで待っていたのはワタシだ!


そう!
彼女は『真珠の耳飾りの少女』なんだよぉ。

で、なんとか時間ができて逢いに行くことがやっとできる…
待ち合わせの場所は…

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神戸市立博物館…
いつもよく買い物に行く神戸大丸のすぐ近くだ。

彼女を歓迎するかのように博物館前には…

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ほらね…
キレーな彼女が大きな瞳で見つめていますよ。
『オランダのモナリザ』… そうも呼ばれておりますよね。


早速、入ってみましょう。

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入り口1Fにも彼女が見つめておりました。



そして…

この看板のすぐ横にはこういう『真珠の耳飾りの少女』が微笑んでいたのです。



イメージ 5


あれ???
こ、こ、これは…

よく似てるけど、
なんかチョット違いますよね、これ…


そうだよね、

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これがホンマモンの『真珠の耳飾りの少女』だよね。

…と言うコトは、前の彼女は???

実は…

イメージ 7
 

こういうことです…
二人が左右に並んでおりますね。

これは…

スポンサーでもある『第一生命イメージキャラクター』として、今回の『マウリッツハイス美術館展』のオフィシャルサポーターである『武井咲』さんなのですよ。

なんかスッゴク似てる…

ねつ、そうでしょ!
もう一度スクロールして前の写真を観てくださいな!

武井咲さんのこのポートレートは、
題して『 21世紀の真珠の耳飾りの少女 』だそうです。

なるほど、なっとく…


さてさて、『真珠の耳飾りの少女』…

やっと来ることが出来ました。
やっと逢えることが出来ました。

オランダにある『マウリッツハイス美術館』が修復作業に入るので、その間、フェルメールの最高傑作である『真珠の耳飾りの少女』が海を越えて日本に来てくれたのです。

ようこそ…


それにしても…


あの瞳は何を見つめているのだろう。
半開きでつややかな唇は何を言おうとしてるのだろう。
ターバンに抜き襟の服装はなぜだろう。


とにかくなんとも謎めいた作品であることは確かですね。

別名にもなっている『ターバンの少女』、とにかく一番印象的なのは『青』のターバン。
フェルメール・ブルーと称される鮮やかな青はフェルメールというオランダを代表する画家のもっとも特徴的な色使いですよね。

この青は『ラピスラズリ(lapis lazuli)』という石から作った顔料『ウルトラマリン』を使っているそうです。

このウルトラマリンはムッチャ高級な画材で、これをふんだんにフェルメールは使っているのが特徴ですよね。
しかも、フェルメールが使っているのは純度がゴッツ高い超超超超高級なものだったとか。
例えて言うならこのラピスラズリを原料とした顔料『ウルトラマリン』は純金と同じほど高価だったということらしい…。
で、このような高価な画材を豊富に使えたのは、父の死後、家業を継いで居酒屋&宿屋の経営に乗り出したこと、また裕福だった義母の存在、そして最大のことは、生涯のパトロンであった投資家の支えがあったからでしょうね。

パトロン?
『ねぇ~、パパぁ~、これ買って、あれ買って、おコヅカイちょうだぁ~い~。うっふぅ~ん…』
というスケベ親父が愛人のオネ~チャンを抱え込むパトロンではなく、本来の『保護者』という意味から、芸術家たちの活動を支援する資産家のことでございますな。

ちなみに…
図書館の利用者も『パトロン』というんだって。

ははは…
ヘンだ!?


まぁ、それは置いといて…
こんなことを書くから話が長くなるんですなぁ…
ジツニアクヘキダ!


で、ターバンをしているという異国情緒が漂っているし、少女が着ている服もよく見ると変わっていますよね。
抜き襟で、日本の着物のようなものと、モンゴルの服みたいなものの中間のような…。ちょっと変わった服装です。当時のオランダでは日本チックなガウンが流行ったそうです。
実際に当時、日本は鎖国中にもかかわらずオランダとは交易があったためか、ホンモノの日本の着物も大いに流行ったそうです。
フェルメールが残している作品は30点ほどしかありませんが、その彼の少ない作品の中にも多くの着物と思われるものがえがかれておりますな。

まぁ、どちらにしてもオリエンタル古風?



さて、耳飾り…

真珠でしょうけど、当時もすごく高価で、これくらいのサイズの真珠だとソンジョソコラで手に入るもんじゃなかったはず。偽物の真珠も流行ったそうなのでひょっとすると本物の真珠ではないのかもしれません。
ワタシニハワカリマセンガ…




そして、魅力的な大きな瞳…

その瞳もよくよく見ると、左右の位置がヘンですよね。
左右が同じ黒目の位置じゃないもん…
左目(向かって右ですけど)が特に端に寄り過ぎているからなぁ。
斜視!? 
絵画だもん、それはないよなぁ…
だとしたら、作者は何かを意図として見つめる方向を変えているのでしょうか…
これまた摩訶不思議でなりません。


ワタシのような絵のド素人には詳しいことまでわかりませんが、とにかくよくよく見れば不思議な絵かもしれません。

鮮やかなウルトラマリンブルーが印象的なターバンの少女、そして青の背景が全面真っ黒… それが余計にこの少女の存在をマゾ… 
ははは… ちゃう、ちゃう… 
マゾじゃなくて『謎』としているような気がしてなりません。

実際、この少女はフェルメール家の召使だったとも、娘であったとも、また恋人であったとも言われています。
ヨメハンやっちゅうハナシもあるそうですが、それはちゃうなぁ!?


まっ、今更わかれへん…
真実はフェルメールのみが知る!


まぁ、そういうことはどうでもよろし!

誰だかわからない『真珠の耳飾りの少女』は『肖像画』ではなく、『トローニー(tronie)』と呼ばれるもので、独特の様式だそうです。
実在なのか想像なのかさえ不明、だから当時の肖像画のような描く相手をたたえたりステータスを前面に押し出すことはしなくていいので、作者はのびのびと自由奔放に作品作りができた…のですよね。


これってお値打ちは150億円ほどらしい…

ああ、いやだ…
関西人はすぐ金のことを言うのでアカンなぁ!?

もっと純粋に芸術として観んとアカンでぇ!
す、す、すんません…

チョット言うてみただけやがな…

ははは…



ということで、今回の展覧会はレンブラントやルーベンスもあったのですが、やっぱりフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』が目当てで、この作品があまりに凄過ぎて他の名画がくすんでしまった印象があります。
まぁ、個人的指向といたしましては、宗教画やヘンな肖像画は好きじゃないからかもしれませんが…

そんなこんなのオランダからやってきた美少女との時間…

とっても素敵でしたよ。
改めてフェルメールのすごさに感動いたしました。

来年、2013年1月6日までですよ。
ぜひとも観てほしい作品です。