ダムはムダ かなぁ? よ~く考えてみようの巻 | The Sam's Room

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ちまたで話題になっているのは、事業仕分け、新型インフルエンザ、普天間移設から、押尾学のMADAのコトまで様々ですね。

で、ちょっと前まで話題になっていた『八ツ場ダム』はチョットもう忘れられた感があります。ホンマ、どないなってるのでしょうか? マスコミがワッと入って世間の注目を浴び、毎日毎日八ツ場ダムの報道をあれほどしていたのに今は表舞台ではシ~ン…。

まぁ、日本の報道とか世間の目なんて言うのは週刊誌のゴシップ記事のようなモノで、ワッと騒いで、スッと引っ込む…なんちゅうか本中華、呆れたことでございます。

てなてな愚痴はこれ位にいたしまして、何故こんな話しを冒頭にしたかと申しますと、『ダム』について少し考える機会がありましたので見学のご報告を兼ねて…ということでございます。

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今回、某県某所にあるダムを見学する機会に恵まれました。
このダムは洪水調節と発電を目的として昭和38年に着工し、昭和42年に完成した重力式ダム、某県では2番目に大きいそうです。

某県のダムを冒険する…、コレがホンマの『ぼうけん!?』などとワケワカメなことを思いながら山道を走ってここにたどり着きました。

全長94kmの長さの川の上流に造られており、流域面積は460㎢ と広大…って言ってもどれだけの広さかよくわかんないですねぇ。まぁ、とにかく広い…のだそうです。

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ここが『操作室』です。
色んな機械や計器がイッパイあります。
なんかよくわかんない機械もいっぱいあるんですが、モニターには貯水量とか、放水量、発電量とかが示されていて現在の稼働状況が一目でわかるようになっていました。

昼夜監視しているんですね。タイヘンだ。

ここでは入ってくる水の量と出ていく量を常に監視して、流量調整を行っています。
コレをひとつ間違うとドエライことになります。
雨が長く続くと放水量を特に注意しないといけませんね。急にドカ降りするとダムの貯水量がイッパイになって出生量を急に多くしたら下流は大パニック。
河川敷は水で溢れ、河川公園なんかは流れてしまいます。調整したつもりが洪水を引き起こしてしまうのです。だから予想雨量の正確な把握が必要です。
実際、コレを間違えて甚大な被害を出すことも希にありますから…。

で、操作室を出てダム本体の見学に行きましょう。

雨上がりでダム付近の景色は雲が若干かかってキレイです。

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それでは…
ここの外階段を下ります。

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普段は鍵がかかっています。危ないからね。
で、これくらいの階段だと高所恐怖症のワタシも『へっちゃらだ~い!』。

かなりしたまで降りてくるといよいよダムの中に通じる入り口がありました。

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こんな感じですね。

ここからダムの中に入ります。

おっとどっこい!
外が寒くて内部がかなり暖かいのでボ~っとします。

ぎょえ~!
わぁお~!
ふぎゃ~!

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なんちゅう階段や!
アカンやろ!
高すぎる!

知ってますでしょ、ワタシ、高いところが大嫌いなのです。…ちゅうか、怖いんです。
それを、あ~たぁ~、こんな急な階段降りろと言うのは『罰ゲーム』でございますがな!
それとも『リンチ』、もしくは『いじめ』でございます。

で、この下を降りていくと何があるのかとダムの管理の人に聞いてみる、地震計や温度計、湿度計などがあるそうです。

はっははぁ~、ひひっひ~と笑いながら、
『ふ~ん、それだけやったら行く必要もないなぁ…』
とホッペを引きつらせながらキッパリとお断り申し上げました。

行けますかいな、こんなむっちゃ急な階段!

そんなこんなでワタシは一人戻りました。
よく言いますやんかぁ~、『戻る勇気が必要だ』と! 
例えば、山登りに行っても、天候が悪くなって来ればせっかくココまでやって来て行きたい気持ちは山々なれど、でも、それを押さえて遭難しないために『行かない勇気』を持つことが大事だと!

…ちょっと言い訳がましい!?

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そんあこんなで、奈落の底に落ち込むような急なオッソロシイ階段はパスいたしました。
もう一度言いますが、地震計とかが置いてるだけやモン…
行っても仕方ないヤンか…。

ヒクヒク…(引きつる音でございます!?)


ちょっとここで悪癖を出してダムにカンするウンチクを…

そもそもダムの定義とはなんぞや…

治水利水のために水を溜める構造物

というのがダム。

で、ダムと呼べるモノは堤高が15m以上だそうです。河川法で決められてるんだって。
これを『ハイダム』、それ以下を『ローダム』と呼ぶそうな…。直訳ヤン!?

では、ダムにはどんな種類があるかというと…

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先ずは『アーチ式ダム』
どっちにあるの? アーチ、あっち?

黒部ダムなどが有名ですね。
狭い谷で両サイドの岩盤が固くて安定しているところに適しています。

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そして、最も多いタイプは『重力式ダム』。コンクリートで出来ていて、ダムそのものの重さで水圧を支えるというモノ。
今回訪ねたのもこの形式です。

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そして、『ロックフィルダム』。岩盤が弱いところに作られます。
石を積み上げて基礎の面積が広いのが特徴。
岐阜県の御母衣ダムがその代表ですね。

ダムは目的によって3つに分かれます。

①利水ダム…発電、水道、工業用水
②治水ダム…洪水調整
③多目的ダム…利水・治水の両目的を持つ

多目的ダムが多いみたいです。

では、ダムってホントに必要なのかと言うことですね。

必要という立場から考えてみると…

①洪水対策
日本の川は短くて急です。雨が降ると一気に相当量が流れ水位が急激に上がります。
 例えば長良川のように川よりも低いところに平野があルようなところが多く存在
 します。洪水時の河川水位より低いところに我が国の総人口の50%が住んでいると
 言われる日本。洪水対策として必要なのでしょう。
②水資源に乏しい
日本の川は、季節により水の量が大きく変動します。夏などは使う水の量は川の水
 より多くなります。トイレやお風呂に使う水が制限されたり、飲み水までも不足し
 て生活に大きな影響が生じます。また、工業用水が不足することで、産業活動にも
 影響がでます。
③電源確保
 電気は我々の生活になくてはならないものです。クリーンなエネルギーとして水力
 発電をするためのダムの水は役に立っています。

以上が『ダム』の必要性と効果ですね。

では、反対の立場からダムは不要だと言うことでは…
 ①利水の不必要  
水は余っている。地下水などを利用すればよいなどの意見。
 ②治水の計算違い
   有史以来発生したことのないような洪水量を想定して考えているという意見。
 ③経費がかかる
 ④自然破壊

などなど色んな理由が存在します。

それぞれごもっともな話かも知れません。反対の立場の①水は余っていると言うのと、②の治水の計算が違うというのは些か疑問な気がします。

水はそんなに余っていなく渇水時期では生活用水が不足しているし、洪水も毎年各所で起こっています。
ただ、④の自然破壊というのは確かに問題があります。水域を閉鎖するために生じる河川の生態系の問題、そして土砂の流下が止まることの影響など様々な問題を抱えていますね。

管理上の問題もあるかも知れません。地球の温暖化によるゲリラ豪雨にキチンと対応出来るのかという問題もあります。

人間が自然を相手に『コントロール』を行っていくのは確かに難しいモノです。
しかし、安全に生活していくためには必要なこともあります。

我が国の総人口の50%が河川水位より低いところに住んでいるという事実もそうでしょう。毎年の渇水もそうでしょう。だから不必要とは必ずしも言えません。

でも、一方では自然を守るというのも大事なこと。
ダムによって環境が悪くなったり、安全なはずが逆に安全性が悪くなるケースもある…。そういう点ではダムは問題がありますし…。

様々な問題がある中で、ワタシ達はホントによく考えないと行けないと思うのです。
それぞれの立場や思いもありますが、場所により必要なダムもあれば、不必要なダムもあると思います。

マスメディアの一方的な報道や、極論を闇雲に信じたり流されたりするのではなく、本当に必要なのか、不必要なのかを自分自身で情報を集めて真剣に考えてみる…、今後の日本には一人一人のそういう真摯な態度が必要なんじゃないかともいます。

軽々しく『賛成』とか『反対』とか言う前に、もっと真剣に考えてみませんか?

もちろん、かく言うワタシも含めて…。