スカルドから120キロのマチュロにはもうアワ やキビは栽培されておらず、コムギ、オオムギ、ソバのみがつくられていた。

村はずれの小高い丘に登り、そこから谷のはるか奥にマッシャブルム(7821メートル)の雄姿を望むことができた。

その夜、満月が東の雪山のほとりから上り、月影が広い河床を洗々と照らしはじめた。

音ひとつない静寂の支配する光の世界がそこに出現していたのであった。