ローラン・ギャロス:テニスの進化とは? | penのフランス語日記

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こんにちは。penです。子ども新聞記事の和訳です。きょうはテニスについて。今年6月の記事です。

photo:Stade Roland-Garros by ant.1


Qu’est-ce qui a changé dans le tennis ?
テニスにおける変化とは?

元記事 → Qu’est-ce qui a changé dans le tennis ?2 juin 2012

1928年以来、パリのスタッド・ローラン・ギャロス le stade Roland-Garros は最も大きなテニスの国際大会の会場の一つです。月日の流れとともに、テニスは大きく進化しました。備品だけでなく、チャンピオンも変わってきました。ローラン・ギャロスができて80年と少したちますが、このあいだにどんな変化があったのか見てみましょう。


なぜこれがきょうの話題なのでしょうか?
それは、6月10日までパリのスタッド・ローラン・ギャロスで世界最高峰のテニスプレイヤーが対決するからです。5月31日の木曜日にローラン・ギャロスで、トーナメント史上最長時間の一つである5時間41分という試合がありました。フランスのポール=アンリ・マチューがアメリカのジョン・イスナーを5セット目で破りました。

きょうのできごと
このビデオを見ると、アマチュアのテニスの試合だと思うかもしれませんが、これは1960年の全仏オープンテニスの決勝で、ニコラ・ピエトランジェリとルイス・アヤラの試合です。
Nicola Pietrangeli - Luis Ayala, Roland Garros 1960, Finale
2分31秒


2011年の決勝のラファエル・ナダルとロジャー・フェデラーの時速250キロのボールが飛び交う試合とは似ても似つきません。

Roland Garros 2011 Final Nadal vs Federer Full Match (12/16) HD
↓は英語音声、約14分


では、ローランド・ギャロスのトーナメント(全仏オープン)が始まってから何が変わったのかあげておきます。

ラケット
木製のラケットはもっと軽いカーボンファイバーやアルミニウム製に変わったので、扱いやすくなりました。

また、振動を伝えないアンチ・ヴァイブレーターがつきました。これはガットのあいだについている小さなもので、ボールを受けたショックで起こる振動を抑えます。

この装備は、選手の怪我も防ぎます。選手の肘はちょっとした振動でもこたえるからです。ローランド・ギャロスの次の試合で選手のラケットを注意深く見てください。アンチ・ヴァイブレーターを見ることができるはずです。

ガット
昔は、テニスラケットのガットは牛の腸という自然のものを使っていました。しかしそれはとても高価なので、腸のガットはナイロンなどの合成ファイバーに変わっていきました。ガットはボールの衝撃を受け止めるのに充分強いものとなり、自分の思ったところにボールを返せる柔軟なものとなりました。

ボール
1970年代終わりに、テニスボールの色が変わりました。白いボールはライン上に落ちた時よく見えないので、黄色いものになり、地面の上で見やすくなりました。

その上、今のボールの素材は20世紀初めのものとは違います。世界の大きな大会では、プレッシャーボールを使っています。ボールを作るときに中に空気をいれます。

ボールはゴム製で中が空です。このためボールの跳ね返りがよりよくなり、またスピードも早くなります。その反面、耐久性はなく、頻繁にボールを交換する必要があります。

選手
今日のテニスはずっとスピードがあり、試合はずっと長くなっており、選手もそれに耐えられるように変わっていきました。今の選手は昔の選手よりずっと長時間試合をし、力を出せるようになっています。

こうするために、選手は一日に数時間練習し、ランニング(la course à pied)や筋肉トレーニング(musculation)もしています。また、世界中の強豪選手の平均的な体格がずっと大きくなり、1970年代の選手より8センチも背が高いです。

食事
ノヴァック・ジョコヴィック選手と彼の食事を覚えているのではないでしょうか? 2010年にジョコヴィック選手はパンやシリアル、パスタに入っているプロテインであるグルテン入りの食品を摂取するのをやめました。今日の選手は、食べ物に以前よりずっと注意をはらっています。

新記録
1月のオーストラリアオープンの決勝では、およそ6時間の試合でノヴァック・ジョコヴィックがラファエル・ナダルを破りました。

今年、別の記録も生まれました。それは最高速のサーブの記録です。オーストラリアのサミュエル・グロスは5月の韓国でのトーナメントで時速263キロメートルのサーブを打ちました。これより早いスピードを出すには、F1の車に乗らなければなりません。



きょうの用語

chelem (トランプ・スポーツで)スラム、完勝

英語のslam より。意味は「押しつぶすこと」

faire le grand chelem = そのシリーズのすべての試合で勝つこと。

テニスでは、4つの世界的なトーナメント(全仏オープン、全豪オープン、全米オープン、ウインブルドン選手権)に勝つこと。ラグビーではシックス・ネイションズに全勝優勝すること。



きょうの単語

Roland Garros フランスのパイロット。1913年に世界で初めて地中海横断飛行をしました。

1928年にパリの郊外にスタジアムが建設され、彼の功績をたたえてスタッド・ローラン・ギャロスという名前がつけられました。

全仏オープンの行われる場所で、クレイコート(terre battue)です。



最後までお付き合いありがとうございました。
次回の子ども新聞の記事でまたお会いしましょう。

pen