原:Tさんは入門期に、どのように勉強方法を確立しましたか?


T:ん~最初はまずは勉強することからですよね。最初の入門期の頃なんか、勉強方法考えようにもできないじゃないですか?例えば野球の素振りとかでしたら振っているうちに上手くなるのであって、いきなり上手いスイングを考えてもどうしようもないので、とりあえず勉強してみる!勉強しているうちに効率の良い面が判ってくるので、とりあえず何もやらないうちから勉強法を考えるのはやめた方が良いです。まずはやってみてどれが効率良くてどれが効率悪いかを考えて演習していくって言うのが良いと思います。


原:勉強法で悩む前に勉強しろってことですか。(笑)じゃあTさんは自分が勉強していく過程でその勉強が効率的か不効率かを判断して自分の勉強スタイルをみつけたわけですね?


T:そうですね。


原:その効率性の判断はいつごろからできました?


T:大体入門期が完全に終わったときに本試験の過去問を見ると…解けないんですよ!解けないんですけど、過去問の解説を見ればなんとか何を言ってるかくらいは解るんですよね。その解る頃になったら積極的に過去問の問題と解説を見てどんなことを本試験で問われてるのかなってことを考えると、勉強していて今何をやるべきかどうかの判断も大体的確になると思いますね。予備校の問題はいろんなことを考えて作成されていて、例えば教育的配慮でつくられている答練と、実践的な答練とがあるんですけど、その温度差とかも自分で感じ取れるようになって、うまく答練を利用できるようになる。


原:受験生の中には量はこなしているのに成績がなかなか伸びない人とかもいるじゃないですか。そうゆう方の勉強方法についてはどう思いますか。


T:そうですね、やっぱり受験勉強って今の自分と合格レベルとの間を埋めるものですから、ゴールの方は過去問をしっかり研究して、自分の方は現状を反省しないと同じ事を繰り返しになってしまって前に進まないので、まぁ過去問研究と自分の学力の把握と言う面が大事だと思いますね。


原:つまり入門期はがむしゃらに勉強して、それをこなしたら最終目標を把握、そして自分の実力との差を知ってその差を埋める。そこの調整をうまくやるっていうのが勉強方法のポイントなんですかね。その他に入門期の勉強でポイントはありますか?


T:入門期は計算科目を中心に、特に簿記に関しては力を入れて勉強しました。それは、簿記をちゃんとやっておくことによって他の科目へのシナジーがある事と、簿記の理解をしておかないと上級期に入ったときに理論に手が回らなくなるからです。単に問題が解ける状態だと、上級に入って難解な論点で潰されてしまいます。継続的に触れていないと忘れてしまうような単純な知識はしょうがないとしても、理解自体が足りなくてそっちの理解に戻っているようじゃ絶対ダメです。私は入門期の頃から簿記に関しては問題が解けただけじゃなくて、何でこのような処理をするのかということを考えて勉強していたので、上級に入ってあまり簿記の入門期の内容に戻って復習するということはなかったですね。


原:その通りだと思います。入門期の計算科目の勉強度合いの差が、上級でボディーブローのように効いてくるんですよね。特に計算科目は一度理解して解けるようになると少し勉強を離れても忘却量は少なくてすむので、その分上級で他の科目に時間を割けるんです。この差は大きい。

原:今回はスペシャル企画として、公認会計士試験・新司法試験という二つの難関資格を突破されたTさんに資格試験勉強の極意を伝授していただきたいと思います。まずは、Tさん新司法試験、合格おめでとうございます。


T:ありがとうございます。


原:試験勉強について伺う前にTさんの経歴を教えてください。


T:大学2年で会計士試験の勉強を開始して4年のときに2次試験に合格しました。そして、次の年から法科大学院に行きながら会計士の実務経験を積み、法科大学院の3年生の時に修了試験を受け合格、公認会計士登録をし、卒業後の今年の新司法試験で合格しました。


原:すべてストレートで合格ですね。すごい…。国家三大資格のうち2つをストレートで取ってきているTさん…ついでにもう1個いかが?


T:無理ですから(笑)


原:しかし2つの難関試験をストレートで合格するなんて、受験生が喉から手が出るほど知りたいような独特の勉強法があるのではと思います。公認会計士試験において、勉強方法で悩む受験生はかなり多くいます。実際私が受験生だった時に勉強方法で悩む時期もありました。今日はTさんに勉強方法について質問させていただきますのでよろしくお願いします。


原:まずは、一日あたりの勉強時間って大体どれくらいでした?


T:そうですね、一日勉強できる環境がある場合とかは9時間くらいやるときもあったんですけど、学校があるときや部活にいくときには半日とか丸一日時間がとられますので、ホント朝の2時間しかできない日とかもありましたし、勉強時間は結構でたらめだったんで何時間って言うのはちょっといいにくいですね。


原:ちなみにその部活とかっていつ位までやってたんですか?


T:一応あの~受験の時もやってました。


原:えっ?受験の時って試験日直前までですか?


T:はい…試験日の3日前まで弓ひいてましたね~(笑)


原:じゃあ授業と部活の以外の時間を見つけて勉強していたわけですね。


T:そうですね。まぁ空き時間は全部勉強に突っ込んでました。電車の中とかでもずっと勉強してましたし。カードやテキスト一冊持っていればホントに端から読めばいいので、細切れの時間って必ずなにかやってましたね。『○○がないから勉強できない』とかはやめるようにしてました。


原:難しい試験を2つも合格している人って時間の使い方が全然違いますよね。ちなみに勉強がストレスに感じたことやスランプに陥ったこととかありますか?


T:成績が悪かったことはあったんですよ。年明けの1月とか2月とかの結構上級生の時って短答模試の簿記で3点しか取れないことが2回続いたりとかしたんですけど、その時には既に過去問を見ていたので、こんなに本試験が難しくないってことを知っていて、本試験では解けると思っていたのでそんなにスランプって感じには陥らなかったです。


原:答練や模試って本試験レベルよりも難しいときってありますからね。


T:教育的効果としてあれはやっておくべきでしょうけど、それで解けなくても直ちにへこんではいけない。本試験のときに解けるようになっていればいいんですから…と思ってやっていればそんなにスランプに陥ったりするようなことはないんじゃないかと思います。でもスランプには陥らない代わりにすごい不安はありました。絶対に受かるのかって言われると不安だったし、公開模試受けるときまで自分がどれくらいなのかっていうのは全然分からなかったので最初は不安でしたね。

明日より、スペシャル企画「LEC講師★対談」第2回を掲載します!


第2回の対談は・・・

『原口 純 LEC専任講師 × T LEC制作の隠し玉

今回のゲストは「ミスター・ダブルライセンス」、Tさん。原口講師がその学習方法の真髄に迫る!


請う、御期待!



プロフィール

原口 純 LEC専任講師

平成16年度公認会計士第2次試験合格。現在、08上級講座【財務会計論】を担当。大手監査法人での経験を活かし、受験テクニックに偏らない、広い視点にたった講義を展開。通称「ぐっちょん」。


Tさん

平成15年度公認会計士第2次試験合格。平成19年修了試験合格・公認会計士登録。同年、新司法試験合格。「LEC制作の隠し玉」。難関資格試験を最速で駆け抜ける受験界のスーパーアスリートなのだが、電卓打ちはそれほど速くはない。