原:Tさんはお伺いした勉強方法を自分で確立したわけですが、勉強方法は人によって最適な方法は異なると思います。勉強法を確立するためのポイントを教えてください。


T:まず勉強すること、そして、人の話を聞くことと自分の頭で考えることとをバランスよくやることです。勉強法を自分の頭で考えるためには、ある程度材料がそろってないとそもそも考えることすらできないんですよ。なので、ある程度はまず勉強して、さらに人の勉強法を聞く必要があるんですよね。一方で、人の話を聞いて取り入れたりするだけだと、自分の適性に合った勉強法である保証はないわけですから、自分の頭で考えて取り入れるかどうか判断する必要があるわけです。よく例えるんですけど、一度見たら全部を記憶できる能力を持った人がいたら論証例を端から見て全部叩き込んでいけばいいんですけど、それは他の人にとっては全く意味ないわけじゃないですか。それは極端すぎるかもしれないですけど暗記が得意な人とか、あるいは一つ一つ積み上げて体系化していくのが得意な人とかそれぞれですよね。自分のことを一番知っているのはやはり自分なので結局最終的な学習方は自分で考えることになるわけです。(笑)


原:そうですね。受験生のみなさんも、Tさんの勉強法を参考にしつつ自分の勉強法を確立してください。それでは、Tさんから受験生にメッセージを一言お願いします。


T:いやー、頑張って下さいの一言しかいえません。ホントそれだけですよね。あまり考えずに勉強したとしても、大学生というだけでそれなりの勉強法は知ってるはずなので、あえて変なことしない限り毎日14時間くらい勉強すればまず合格するはずですから(笑)


原:最後はやる気ですか?(笑)ちなみにTさんは自分ですごい勉強したなっていう感覚とかあります?


T:あります。受験期になってくるとだんだん他のことがどうでも良くなってきって時間が空いたら勉強ばかりやってましたね。自習室についたら座って1分後には勉強しているという感じでした。これってとても大事なことだと思うので皆さんにも是非実践して欲しいです。細切れな時間でも集中して取り組めば有効に使えるはずですから、「まとまった時間がないから」とか言わず、貪欲に勉強して欲しいですね。

原:Tさん貴重なアドバイスありがとうございました。11月からの司法修習がんばってください。最後に、この対談が受験生のみなさんの今後の勉強にお役に立てれば幸いです。みなさんの合格を心よりお祈りしています!がんばってください。

原:勉強の学習計画は立てましたか?例えば・・月曜の午前に簿記のこの分野をやるとか。


T:いつ何をやるかという計画は一切たてませんでした。その計画がくるったら絶対やらなくなっちゃうじゃないですか。(笑)私は答練が残っている間はその答練に向けてその答練の範囲でやるべきことを書き出して、それをどういう順番かはともかくとして、全部潰すことをでたらめにやってましたね。ただその答練までに終わらせるという締め切りはきっちり守っていました。


原:答練で指定された範囲だけで勉強していたのでは、その前に勉強したところとか忘れていくじゃないですか。そういう復習はどこでやっていましたか?


T:そうですね~。私は答練を叩き潰すだけで精一杯だったので、基本的に復習しなければ次が理解できないというようなところは戻って復習しましたけど、それ以外は戻って復習しているというわけではなかったですね。そのかわり、答練でいい点数を取ること自体は目的ではないですが、ある程度その範囲に関してはあんまり復習しなくて良いくらいできるだけ高いレベルまで持っていく。そうするとそもそも戻って復習するという必要が減ります。で、次の答練にいくって感じでしたね。締め切りを後に回しちゃうとどんどんだらけるだけなので、来た締め切りには必ず間に合わせるようにしていましたね。


原:出題範囲がなくなってからの計画はどうしていましたか?


T:範囲がなくなっても、締め切りが本試験までになっただけで、やるべきことを書き出して1つずつ潰すといった方法は同じでした。大体2週間とか1ヶ月とかそれ位のスパンでやるべきことだけ書いて1つずつやってました。本試験問題から見て、今の自分に足りない穴は何かっていう風にどんどん考えてくと、優先的に埋めるべき穴がわかります。例えば簿記の問題集を端から端までやるとなると、不要な問題とか、もうできている問題も全部やってしまうことになります。そうではなくて、本当に受験に何が必要で、何が必要でないかということと、自分が何ができて、何ができないかを判断して、必要なことを書き出してそれを1つずつ潰していました。

原:入門期で本試験と自分の実力との差を把握した後、上級に入ってどのようにその差を埋める勉強をしていましたか?まずは計算科目から教えてください。


T:そうですね、例えば私の場合は一番象徴的だったのが簿記の構造問題ですね。当時の簿記って制約条件として時間が明らかに足りなかったので、連結とか本支店とか、あのへんを100%完璧に解答することは絶対に不可能であると悟りました。細かいとこの知識はせっかく苦労して入れても使えないで終わってしまうので、その辺は思いきって切って、どちらかというと基礎的な部分を押さえて、そこは確実に取っていくようにして、細かいところの演習をやる時間は他の科目に回したりしていましたね。


原:要はリスクアプローチをしたってことですよね。ただ、旧試験制度と新試験制度では、時間的制約という面ではかなり異なりますから若干リスクアプローチの対応も変わってきますね。


T:そうですね。あと、出題可能性っていうところだけではなくて間違えた時のインパクトっていうのも考えました。他の人ができるところは当然取らなきゃいけないですし、他にも、例えば原価計算の費目別とかを落とすとその後全部飛んでしまいますので、そういったリスクは消す必要がありますのでしっかり勉強しました。


原:理論科目ではどうでしたか?


T:そうですね~。理論科目の場合は模範解答がすごい綺麗に作られていて、とても良い物だと思うんですけど、それを完璧に再現する労力は大変だと思うので模範解答を与えられたときにそれは暗記するのではなくて自分なりに咀嚼して頭に入れる必要があると思います。


原:よく模範解答を丸暗記する人とかっていますよね。理解に根付いた自分の答案を書けるようにならないと理論科目の負担は大きくなる一方だと思います。


伊勢:ん~いい事言うな(笑)


T:キーワードを接続詞の矢印で繋げて骨組みだけを自分で抜き出せるようになれば十分だと思います。


原:そうですね。それ僕もやってました。次に短答式試験については、何か特別な勉強をしましたか?


T:短答は問題解くのがやっぱり一番いいと思いますよ。計算でも理論でも短答で出せるところって大体絞られてくると思うので、予備校から提供されるものをきっちり潰してやれば合格点は間違いないと思います。問題を制作する側になって思ったんですけど、条文とかを素で読んでみると、出そうなとこって既に問題になってるんですよね。また、知識として持っていても反射として出せなければ意味がないですから、そういった意味でも問題演習は重要だと思います。


原:勉強している上でわからないところが出てきた場合はどうしていました?


T:ある程度考えてもわからないことは、とりあえずパスして先にすすみました。とりあえず先にすすむといつの間にか解るようになることが多かったですね。1つ解らないと次も解らない、というような連鎖的な分野はそんなに多くないですし。わからない部分があると気持が悪いという気持は理解できますが、そもそも会計士試験の範囲を全部わかっている人なんていませんから。(笑)1つわからなくて、そこで延々とまっているのは時間がもったいないですから、むやみやたらに先生に質問したり、調べたりする前に、とりあえず先にすすんでしまうというのをお勧めします。完璧主義は挫折への第一歩だと思って、あまりこだわり過ぎないほうが良いと思います。