A-Rodの次に重要なヤンキー
「Jorge Posada(ホルヘ・ポサダ)」
2008年4月28日、常勝軍団ヤンキースのラインアップからこの馴染みの名前が消えた。
ヤンキース投手陣を支え、打撃でも捕手として球界屈指の打棒を魅せる
ホルヘ・ポサダが休養以外で欠場したのは2001年に出場停止処分を喰らって以来だった。
その日のことをポサダと同じくヤンキースの生え抜きであるデレク・ジーターは、
「本当におかしな日だった。いつも見る名前がないんだから」とコメントした。
ポサダ欠場の理由は右肩回旋筋の炎症。これで6週間欠場を余儀なくされた。
レギュラーとしての復帰は6月の中旬と予測されている。
それではどれだけポサダのこの長期欠場がヤンキースの今シーズンに影響を与えるのか。
強豪であり、資金力もあるヤンキースなのだからカバーできるのではないか。
しかしポサダの欠場はそんなに簡単な問題ではないのだ。
実際ポサダが欠場し始めてからの16試合でヤンキースは7勝9敗。
それまでが13勝12敗だったのだから、ポサダ欠場からヤンキースは負けが込みだした事になる。
もちろん現役最強打者の1人アレックス・ロドリゲスの欠場も影響しているだろうが、
王建民以外が低調な先発陣、投手陣全体で見てもリーグ10位の防御率のヤンキースにとって
守備が上手いわけではないが、
チームリーダーとしての能力があり、経験豊富な捕手ポサダの影響もかなりある。
超有望株と期待され、ヨハン・サンタナ(メッツ)との交換でも手放さなかった2人の若手投手、
フィル・ヒューズとイアン・ケネディに与えた影響も大きい。
今シーズンのブレイクが期待された2人だが、ヒューズが0勝4敗で防御率は9.00、
ケネディも0勝2敗で防御率8.37と散々な結果になっている。
2人の能力がまだメジャーレベルに達していないと言う考え方もあるが、
毎回違う捕手と組んでピッチングをしなければいけなかった事情も大きい。
実際にヒューズは6先発で4人、ケネディは5先発で3人のキャッチャー相手に投げている。
ほとんど毎回キャッチャーが違うのだから、ピッチャーとしても実力を出しにくいだろう。
また絶対的なリーダー捕手の欠場がどれだけ痛いかは、
ヤンキースのライバル、レッドソックスのジェイソン・バリテックの例を見るとより明白になる。
捕手としてのインサイドワーク、チームーリーダーの能力はメジャー屈指のバリテックは
ここ数年何度かケガによる欠場を余儀なくされ、チーム成績に大きな影響を及ぼしている。
まず始めに2001年。
この年7月7日の時点でアリーグ東地区の首位に立っていたレッドソックスだったが、
バリテックが残りのシーズンを棒に振るヒジの故障、その後チームは失速し、
結局東地区を制したヤンキースに13.5ゲーム差の大差を付けられてしまった。
そして2006年、バリテックが故障で4週間欠場した際、チームは9ゲームも負け越した。
そしてこんなストーリーもある。
今年1月にある大学で講義を行ったヤンキースGMのブライアン・キャッシュマンが、
学生からの「もしレッドソックスのレギュラーから1人を外すことが出来るなら誰を外すか」という質問に対し、
キャッシュマンは迷わず「バリテックだ。」と答えたという。
「メジャー最強のクラッチヒッター」デビッド・オルティズでも、
「天才打者」マニー・ラミレス、「最多勝エース」ジョシュ・ベケットでもなかったのだ。
そして今シーズン、前評判はレッドソックスに見劣りしていたものの、
やはり10年以上もプレーオフに進んでいるニューヨーク・ヤンキースは
今年もレッドソックスと熾烈なプレーオフ争いをするものだと思われていた。
現時点(14日)で20勝21敗でリーグ4位、首位レイズには3.5ゲーム差、レッドソックスには3ゲーム差だ。
ここ数年スロースタートなヤンキースにとっては満足いく数字ではないが、決して悪くはない。
オールスター辺りから個々の選手が実力を出し始め、いつものようにプレーオフに出る可能性もある。
しかしバリテックの例が示すように、チームが一気に悪い方向に傾くことも考えられる。
それほどホルヘ・ポサダの存在はヤンキースにとって大きいのだ。
アリーグのあるGMはこう言った。「A-Rodを除けば、最も重要なヤンキーはポサダだ」と。
(抜粋文献:Sports Illustrated 5月3週号)
2008年4月28日、常勝軍団ヤンキースのラインアップからこの馴染みの名前が消えた。
ヤンキース投手陣を支え、打撃でも捕手として球界屈指の打棒を魅せる
ホルヘ・ポサダが休養以外で欠場したのは2001年に出場停止処分を喰らって以来だった。
その日のことをポサダと同じくヤンキースの生え抜きであるデレク・ジーターは、
「本当におかしな日だった。いつも見る名前がないんだから」とコメントした。
ポサダ欠場の理由は右肩回旋筋の炎症。これで6週間欠場を余儀なくされた。
レギュラーとしての復帰は6月の中旬と予測されている。
それではどれだけポサダのこの長期欠場がヤンキースの今シーズンに影響を与えるのか。
強豪であり、資金力もあるヤンキースなのだからカバーできるのではないか。
しかしポサダの欠場はそんなに簡単な問題ではないのだ。
実際ポサダが欠場し始めてからの16試合でヤンキースは7勝9敗。
それまでが13勝12敗だったのだから、ポサダ欠場からヤンキースは負けが込みだした事になる。
もちろん現役最強打者の1人アレックス・ロドリゲスの欠場も影響しているだろうが、
王建民以外が低調な先発陣、投手陣全体で見てもリーグ10位の防御率のヤンキースにとって
守備が上手いわけではないが、
チームリーダーとしての能力があり、経験豊富な捕手ポサダの影響もかなりある。
超有望株と期待され、ヨハン・サンタナ(メッツ)との交換でも手放さなかった2人の若手投手、
フィル・ヒューズとイアン・ケネディに与えた影響も大きい。
今シーズンのブレイクが期待された2人だが、ヒューズが0勝4敗で防御率は9.00、
ケネディも0勝2敗で防御率8.37と散々な結果になっている。
2人の能力がまだメジャーレベルに達していないと言う考え方もあるが、
毎回違う捕手と組んでピッチングをしなければいけなかった事情も大きい。
実際にヒューズは6先発で4人、ケネディは5先発で3人のキャッチャー相手に投げている。
ほとんど毎回キャッチャーが違うのだから、ピッチャーとしても実力を出しにくいだろう。
また絶対的なリーダー捕手の欠場がどれだけ痛いかは、
ヤンキースのライバル、レッドソックスのジェイソン・バリテックの例を見るとより明白になる。
捕手としてのインサイドワーク、チームーリーダーの能力はメジャー屈指のバリテックは
ここ数年何度かケガによる欠場を余儀なくされ、チーム成績に大きな影響を及ぼしている。
まず始めに2001年。
この年7月7日の時点でアリーグ東地区の首位に立っていたレッドソックスだったが、
バリテックが残りのシーズンを棒に振るヒジの故障、その後チームは失速し、
結局東地区を制したヤンキースに13.5ゲーム差の大差を付けられてしまった。
そして2006年、バリテックが故障で4週間欠場した際、チームは9ゲームも負け越した。
そしてこんなストーリーもある。
今年1月にある大学で講義を行ったヤンキースGMのブライアン・キャッシュマンが、
学生からの「もしレッドソックスのレギュラーから1人を外すことが出来るなら誰を外すか」という質問に対し、
キャッシュマンは迷わず「バリテックだ。」と答えたという。
「メジャー最強のクラッチヒッター」デビッド・オルティズでも、
「天才打者」マニー・ラミレス、「最多勝エース」ジョシュ・ベケットでもなかったのだ。
そして今シーズン、前評判はレッドソックスに見劣りしていたものの、
やはり10年以上もプレーオフに進んでいるニューヨーク・ヤンキースは
今年もレッドソックスと熾烈なプレーオフ争いをするものだと思われていた。
現時点(14日)で20勝21敗でリーグ4位、首位レイズには3.5ゲーム差、レッドソックスには3ゲーム差だ。
ここ数年スロースタートなヤンキースにとっては満足いく数字ではないが、決して悪くはない。
オールスター辺りから個々の選手が実力を出し始め、いつものようにプレーオフに出る可能性もある。
しかしバリテックの例が示すように、チームが一気に悪い方向に傾くことも考えられる。
それほどホルヘ・ポサダの存在はヤンキースにとって大きいのだ。
アリーグのあるGMはこう言った。「A-Rodを除けば、最も重要なヤンキーはポサダだ」と。
(抜粋文献:Sports Illustrated 5月3週号)

