現役最強打者の嘆き
「またか・・・。」
数多くの選手が激しく競争しあっているメジャーリーグにおいて
現役最強打者と呼ばれる男がいる。
セントルイス・カージナルスのアルバート・プーホルスだ。
2001年の満票選出の新人王でもあり、2005年のナリーグMVP。
そして現役で最も3冠王に近い男と形容される。
恐らく現役選手の中で打撃3部門(打率、本塁打、打点)で、
彼以上、もしくは同等の成績が毎年コンスタントに期待できるのは
ヤンキースのアレックス・ロドリゲスくらいではないだろうか。
しかし2006年に念願のワールドチャンピオンに輝き、
順調なキャリアを歩んでいるかに見えるプーホルスが今苦しんでいる。
大きな故障をしたわけでもなければ、大不振に見舞われている訳でもない。
薬物問題でキャリアが窮地に立たされている訳でもない。
むしろ並みの選手を遥かに超える成績を今季も残し続けている。
ただ、勝負されないだけ・・・。
現時点(4月22日)でプーホルスは既に20四死球を記録している。
21試合消化をしているから、1シーズンに直すと約170四死球になる。
もちろんプーホルスの選球眼が良いと判断できるかもしれないが、
7年間のキャリアの中で1度も100死四球を超えたことがない彼にとって異常な数字。
そして敬遠数も既に6個と、こちらもかなりのペースである(1シーズン50個ペース)。
昨年の敬遠王がバリー・ボンズ(当時ジャイアンツ)の43個だから、そのペースのすごさが分かる。
(アリーグはブラディミール・ゲレーロ(エンゼルス)の28個)
しかし四死球もメジャーでは高評価されるし、それ自体は強打者の証でもある。
問題はそれによって本塁打や打点などの個人成績が伸びないことだ。
これは3冠王を期待されているプーホルスにとっては致命的となる。
もちろん彼はチームへの貢献が最優先だと考えているだろう。
しかしボンズの本塁打記録更新を狙える可能性のあるようなスラッガーが、
四死球によって個人成績が伸びず、引退後実力に見合った評価を受けなくなることを危惧しているのだ。
この現象にはいくつか理由があるが、1番の理由と言えるのがプロテクションの無さだ。
チーム最強打者が勝負を避けられないようにするには、その後に優秀な打者を置くことに限る。
個人成績では最強打者には勝てないかもしれないが、
塁上にランナーがいると抜群の勝負強さを発揮できる打者がいると
投手はチーム最強打者と勝負せざるを得なくなる。
しかし現在のカージナルスに、プーホルスを十分にプロテクト出来る打者はいない。
候補はいる。投手から打者に転向したリック・アンキール、2000年の本塁打王トロイ・グラウスだ。
2人とも長打力があり、プロテクションとしては申し分ないように思える。
しかし両者共に打率は低く、三振も多い。安定度、勝負強さ共に物足りないのだ。
優秀なプロテクション打者になるには、1)安定した打率を残せる安定感、2)勝負強さが必須となる。
この条件を満たしていたのが、ジャイアンツ時代(1997-2002)のジェフ・ケントだ。
当時ジャイアンツの最強打者と言えば、2001年に年間本塁打記録を更新したバリー・ボンズだった。
3番に座るボンズが圧倒的な実力を持ちながらも、勝負を避けられずホームランを連発できたのは、
稀代の勝負強さを持った4番ジェフ・ケントのおかげだった。
実際ケントが在籍していた期間(1997-2002)のボンズの四死球数は1シーズン平均140個だったが、
ケント移籍2年後の2004年には232個まで膨れ上がった。
昨年までならカージナルスにもプーホルスを援護できる打者がいた。
現ブルージェイズのスコット・ローレンだ。
2004年に124打点を記録したように、勝負強さはかなりのもの。
さらに健康であれば3割近い打率に25本前後のホームランが望めるのだから、理想の打者であった。
しかし怪我の多さとラルーサ監督との確執により、ローレンはチームを去った。
現在チームは予想以上に好調だが、一方プーホルスは我慢の時を迎えている。
それでもグラウスやアンキール、クリス・ダンカンらが調子に乗れば、いくらかプロテクションにはなる。
ベテランが去り、若手主体の移行期にあるカージナルスにとって
プレーオフ戦線に生き残るにはプーホルスの打棒に大きな比重がかかる。
しかし彼にはそのプレッシャーを物ともしない実力があるのだ。
プーホルスが開放された時、再びレッドバーズが頂点に昇り始めるだろう。(4/22/2008)
写真:
1枚目popcultured.wordpress.com
2枚目Donald Miralle/Getty Images
数多くの選手が激しく競争しあっているメジャーリーグにおいて
現役最強打者と呼ばれる男がいる。
セントルイス・カージナルスのアルバート・プーホルスだ。
2001年の満票選出の新人王でもあり、2005年のナリーグMVP。
そして現役で最も3冠王に近い男と形容される。
恐らく現役選手の中で打撃3部門(打率、本塁打、打点)で、
彼以上、もしくは同等の成績が毎年コンスタントに期待できるのは
ヤンキースのアレックス・ロドリゲスくらいではないだろうか。
しかし2006年に念願のワールドチャンピオンに輝き、
順調なキャリアを歩んでいるかに見えるプーホルスが今苦しんでいる。
大きな故障をしたわけでもなければ、大不振に見舞われている訳でもない。
薬物問題でキャリアが窮地に立たされている訳でもない。
むしろ並みの選手を遥かに超える成績を今季も残し続けている。
ただ、勝負されないだけ・・・。
現時点(4月22日)でプーホルスは既に20四死球を記録している。
21試合消化をしているから、1シーズンに直すと約170四死球になる。
もちろんプーホルスの選球眼が良いと判断できるかもしれないが、
7年間のキャリアの中で1度も100死四球を超えたことがない彼にとって異常な数字。
そして敬遠数も既に6個と、こちらもかなりのペースである(1シーズン50個ペース)。
昨年の敬遠王がバリー・ボンズ(当時ジャイアンツ)の43個だから、そのペースのすごさが分かる。
(アリーグはブラディミール・ゲレーロ(エンゼルス)の28個)
しかし四死球もメジャーでは高評価されるし、それ自体は強打者の証でもある。
問題はそれによって本塁打や打点などの個人成績が伸びないことだ。
これは3冠王を期待されているプーホルスにとっては致命的となる。
もちろん彼はチームへの貢献が最優先だと考えているだろう。
しかしボンズの本塁打記録更新を狙える可能性のあるようなスラッガーが、
四死球によって個人成績が伸びず、引退後実力に見合った評価を受けなくなることを危惧しているのだ。
この現象にはいくつか理由があるが、1番の理由と言えるのがプロテクションの無さだ。
チーム最強打者が勝負を避けられないようにするには、その後に優秀な打者を置くことに限る。
個人成績では最強打者には勝てないかもしれないが、
塁上にランナーがいると抜群の勝負強さを発揮できる打者がいると
投手はチーム最強打者と勝負せざるを得なくなる。
しかし現在のカージナルスに、プーホルスを十分にプロテクト出来る打者はいない。
候補はいる。投手から打者に転向したリック・アンキール、2000年の本塁打王トロイ・グラウスだ。
2人とも長打力があり、プロテクションとしては申し分ないように思える。
しかし両者共に打率は低く、三振も多い。安定度、勝負強さ共に物足りないのだ。
優秀なプロテクション打者になるには、1)安定した打率を残せる安定感、2)勝負強さが必須となる。
この条件を満たしていたのが、ジャイアンツ時代(1997-2002)のジェフ・ケントだ。
当時ジャイアンツの最強打者と言えば、2001年に年間本塁打記録を更新したバリー・ボンズだった。
3番に座るボンズが圧倒的な実力を持ちながらも、勝負を避けられずホームランを連発できたのは、
稀代の勝負強さを持った4番ジェフ・ケントのおかげだった。
実際ケントが在籍していた期間(1997-2002)のボンズの四死球数は1シーズン平均140個だったが、
ケント移籍2年後の2004年には232個まで膨れ上がった。
昨年までならカージナルスにもプーホルスを援護できる打者がいた。
現ブルージェイズのスコット・ローレンだ。
2004年に124打点を記録したように、勝負強さはかなりのもの。
さらに健康であれば3割近い打率に25本前後のホームランが望めるのだから、理想の打者であった。
しかし怪我の多さとラルーサ監督との確執により、ローレンはチームを去った。
現在チームは予想以上に好調だが、一方プーホルスは我慢の時を迎えている。
それでもグラウスやアンキール、クリス・ダンカンらが調子に乗れば、いくらかプロテクションにはなる。
ベテランが去り、若手主体の移行期にあるカージナルスにとって
プレーオフ戦線に生き残るにはプーホルスの打棒に大きな比重がかかる。
しかし彼にはそのプレッシャーを物ともしない実力があるのだ。
プーホルスが開放された時、再びレッドバーズが頂点に昇り始めるだろう。(4/22/2008)
写真:
1枚目popcultured.wordpress.com
2枚目Donald Miralle/Getty Images

