唯「ネットのボイドラなんて、そこまで流行らないだろうし、
初めてだし、これでいいか……」
唯はパソコンを操作して、
唯「(RIMの声で)RIM役の葵です。今回は大好きなRIMで、
こんな素敵な大作に参加させていただきまして大変光栄です。
また、TUHUの作品に参加していきたいと思います」
唯はマウスを操作、クリック。
唯「送信もおしまい! あとは、今のトークをつけて
企画者が投稿してくれるって話だし」
ヘッドセットを外す唯。
遠くから聴こえてきる陽子と男の喘ぎ声。
唯はヘッドセットを装着しなおす。
唯「キモッ! 娘がいるのに昼間っから!」
唯は無心に味のあるTUHUキャラ(MRSなど)の絵を描いていく。
○静画サイト
閲覧数も少なく、コメントもない唯の味のあるTUHUキャラの絵たち。
閲覧数が急に伸びだし、コメントがつき始める。
『AOI姉貴オッスオッス!』
『これがRIMちゃんの絵ですか?』
『壊れるなぁ……個人情報ガバガバじゃねぇかよ』
『お絵かき可愛い……』
閲覧がさらに増えていく。
コメントやいいねで埋まっていく。
○町中華『紅屋』・店内(夜)
割烹着の唯が伝票を手に、男性客2名から注文をとっている。
男達は舐めるように唯を見る。
唯は顔を少ししかめつつ、
唯「ご注文は?」
男1「おぉっ! 本当にRIMだ! RIMちゃんだ!」
男2「RIMちゃんが作ったラーメンを食べたいな」
戸惑った表情の唯。
唯「……RIM?」
男2「とぼけちゃって」
男1「AOI姉貴って見た目もRIMの生き写しなんすね」
唯「! 葵って、まさか!?」
男2「(かまっぽく)もうRIMったら冷たぁ~い」
男達はニタニタと困っている唯の反応を楽しんでいる。
○唯の家・唯の部屋(深夜)
ドカドカと入ってくる唯。
陽子の声「唯ちゃん! どうしたの?
今日は元気に入ってくるのね。いつもは静かなのに(皮肉)」
唯はパソコンを点けるとヴォイスドラマの投稿動画を確認する。
百万再生に迫る勢い。
ホモコメに溢れ返っている。
唯「何これ!!」
唯「何でこんなて再生されているの!」
『ホモの力で100万再生』とデカデカと表示される。
唯は慌てて、お絵かきの確認をする。
お絵かきにもホモコメがびっしり、
閲覧数は数十万単位。
唯「えっ!! 何で!? これは葵名義じゃないんだけど……」
『AOI姉貴』という文字列。
唯「エー・オー・アイ姉貴って何? 何この気持ち悪いコメント!」
唯は検索サイトに『AOI姉貴』と入れ検索。
まとめwikiがトップ表示。
『AOI姉貴』をクリック。
中には、唯の本名はおろか学校名にバイト先、生年月日、
身長や体重、ご尊顔までも綺麗にまとめられている。
唯「私じゃない!」
青ざめた表示の唯。
スクロールしていく、
唯「何で! どうしてこんなことになっているの!」
RMLAの声「(鼻づまり)もう、のこったわよ!」