陽子「あの人は唯なんかに興味ないわよ。
私にぞっこんだから」
唯「……私の裸を見たって言ったでしょ」
陽子「一緒に暮らしてんだから、見たくなくても
目に入ることはあるでしょ」
唯「わざわざ風呂に来た」
陽子「仕方ないじゃない。洗面所があるのは
そこだけなんだから……」
食べ終えた唯、食器はそのままで出て行こうとする。
陽子「母さんは39よ、この先、一人じゃ寂しいわぁ」
唯は台所から出ていく。
陽子「あの人なら寝ているからシャワーだけでも
浴びなさい。臭いわよ……」
遠ざかる足音。
陽子の視線はテレビのまま。
○唯の家・唯の部屋(朝)
静かに部屋に入る唯。
目に入るRIM人形。
唯は徐に制服を脱ぎ出す。
安物、ペラペラのRIM衣装を着だす。
唯はヘッドセットを取り出して装着、
パソコンを点ける。
唯「初めまして、(どんどん小さな声)北沢ゆ……、
(大きな声)葵です!」
唯「性別は女子。RIM役のcv募集とのことで
応募させていただきます。では、台詞を
言っていきます。『(高い声で)休憩中よ。』
『なかなかやるじゃない!』『残念ね!』」
唯は一呼吸を置く。
唯「ボイスドラマは初めてです。TUHUの作品が
本当に好きです。RIMが大好きなのでぜひやりたいです!」