○ヴワル魔法図書館
とは思えないチープさ、
ちょっと大きな大学の図書館である。
本棚に映るPCLの影。近づく足音。
PCLの声「怖いやろ? 編集したからな、この私が……」
大麻を抑え、本棚に隠れているRIM。
RIM「(はぁはぁ)なかなかやるじゃない!」
MRSの帽子の影が、どんどん大きくなる。
MRSの声「魔女のことは魔法使いに任せておけっ!」
RIM「MRS!? アンタの助けなんかなくても、
あんな奴、私一人で充分よ!」
八卦炉を構えるMRSの手。
MRSの声「そんだけしゃべれんなら大丈夫だな。
お前はさっさと異変の主の所へ行けよ!」
八卦炉が光り出す。
MRSの声「財布!マスタースパーク」
光る図書館。
○唯の家・唯の部屋(朝)
烏賊の駄菓子を咥えたまま寝落ちしていた唯。
唯が投稿したRIMの絵。
閲覧数はほとんどなく、評価もコメントもない。
唯「(強がり)まっ、私は絵が特別うまい訳でもないし……」
唯は伸びをして部屋から出ていく。
○テレビの画面(朝)
野田内閣が映っている。
今は平成23年の冬。
○唯の家・台所(朝)
唯の母・陽子(39)がテレビを見ている。
食べ終えた食器は洗われず積まれている。
唯は台所を静かに覗く、陽子しかいないことを
確かめると黙って入ってくる。冷蔵庫を開けて
豆腐を取り出す。
鍋から冷めたもやしの味噌汁を新しい茶碗を
出していれる。
陽子「(テレビを見たまま)唯、またお風呂に入らずに
寝ていたの……」
唯は無視して豆腐と味噌汁を持ってきて座る。
醤油を豆腐にかけて食べ始める。
陽子「(関心なさそう)温めなくていいの」
唯は無視して食べる。
陽子「母さんの分は温めて持ってきて……」
唯「自分でしろよ」
陽子「アンタ、そのまま学校行く気?」