元気のいい女性ランナーさんたちに
ついて行くのが段々と辛くなってきた頃
大きな右折が見えたので、そこまでを目指す
そして、意を決して歩く
深呼吸
右足の付け根に痛み
右足だけで走っているようなもんだから、仕方ない
けれど攣りの兆候は無し
スピードが徐々に落ちてはきたけど
心は折れてない
折れちゃーないんだけど、痛いもんは痛い
背中見知りの年上お姉様も辛そうに走ってる
ついて行きたいけど、走れない
ならば!とめっちゃ早歩きしたら
抜いた、抜けちゃった
でも、早歩きも疲れるんだよなぁ
走ったり、歩いたり、抜いたり抜かれたり
たぶん、35キロ地点くらいでの話
30キロから随分タイムが落ちているので
たぶん応援ナビ見ているであろう夫が
心配してるだろうから
まだ走っとるよーと、念を込めて黒いやつを踏む
最後の救護所の案内が見えてきた
看護師さんが
スプレー?こっち、おいでおいで
よほど物欲しそうな情け無い顔してたんだろうな
椅子に座らされて
どこ?痛いの?
左足首にスプレーお願いします
あと、下半身全部にも
足首?捻った?少し休んだら?
制限時間があるんで走ります
看護師さんは私の左足首を両手で包んで
あっためてくださった
あったかかった
ありがたかった
まだ頑張れる
そう思った
エイドに袋入りのあんパン
走りながら1個食べらんないからスルー
したけど、引き返してやっぱり貰う
ポーチのゴムに挟みこんで、持ち帰り
誰も並んでないトイレ発見
あとどんだけ時間かかるかわかんないので、寄る
両足の疲労はどんどん溜まってくるのだけど
ペースはさらにさらに落ちてくるのだけど
相変わらず案外心は折れてなくて
5時間半、無理だなー
結局やっぱり6時間かぁ
と、切り替えは軽やかww
さすがに40キロまでくると
タイムはどうあれ、ゴールできるぞ!と確信
たぶん最後まで攣らないな、と謎の確信
けれど続けて走れる距離もどんどん短くなる
最後の上りだよー、がんばれー
沿道からの声でコースを知る
上りは足に優しいから好き、だったのにねぇ
でも、ここだけは歩かない
下向いて超ピッチで動き続けてれば、頂上
疲労が身体中を支配していくのを感じながら
思っていたことは
くまくま2回目フルの2018年2月の愛媛
人生初攣りに25キロくらいから襲われて
30キロくらいには全身攣りだしたので
半べそで最後の10キロほとんど歩いた時のこと
あんなに歩いたから当然ワースト
5時間0分8秒
……とっくに超えてんじゃん
今日は走ってるのになぁ
やっぱ最初から5分台で走れなきゃ
面白くねーな
治さなきゃ
100m先スプレーあります
看板発見
救護所はもう無いはずだけど、アガる
主催の新聞社さんのテント発見
長机に並ぶ大量のスプレー
ご自由にどうぞー
握れない
握れてもきっと何もできない
すみません、掛けてもらうことできますか?
はい、いいですよー
また少し、元気を補給してもらったお陰で
もうちょっと、あとちょっと
ゴールはどこだ?
あと1キロって何キロよ??
くーっっキッツいなぁ
ようやくゴールが見えてきた
ラストスパートなんてできないけど
精一杯振り絞って黒いやつを踏む
無事ゴールできたよ〜
はい、止まってくださーい
狭いから?
係員さんたちが前に立ちはだかって
歩くように促されたのだけど
一度止まってしまったから、もう踏み出せない
足にチカラが入らなくて右も左も上がらない
うわっ、コケる
すみません!動けません‼︎
あらら、大変、車椅子〜‼️
車椅子に乗せられて
そのまますぐ横の救護テントへ収容
ドリンクもらって毛布掛けてもらって
でも、低体温でも足攣りでもないので
応対はシャキシャキできるもんだから
このまま更衣室まで行きましょうか
うっかり通り越しかけた
チップ回収と完走バスタオルの受け取り
ドリンクまで貰って
ちょっと恥ずかしい車椅子ドライブ100m
大きな段差も楽々越える、さすが看護師さん←プロ
車椅子のまま荷物を受け取り
パーテーションで仕切られた更衣スペースまで
あっという間に運んでいただきました
ありがとうございます
ありがとうございます
歩いて移動してたら、たぶん行き倒れてましたww
看護師さんとお別れしてから
ガーミン止めてないことに気づきました
慎重に動きながら着替えて
足を引きずりながらズルズルとゆるゆると
松江駅へ向かいました
そんなわけで、こんなラップ
本当の記録は
最後まで読んでくださった方
ありがとうございます
お疲れ様でした
おしまい