難しい言葉で易しい内容を語るくらい、人々をアキレさせるものはない
「貧しい言葉で豊かな明日を語るくらい、人々をシラケさせるものはない」
8月9日付朝日新聞の「折々のことば」に紹介されていた天野祐吉さん(コラムニスト・編集者)の言葉だ。
菅総理や西村大臣の会見を聞くと、うなずける。
しかし、このことは政治家や官僚だけに当てはまることではない。
ぼくはマーケティングの仕事を長年やってきたけど、日本の学者や研究者はどうしてマーケティングをこうも難しくするんだろう、と思う。本来は、おもしろく、わくわくする内容なんだけど、彼らが書くとコチコチの学問的な内容となって、さっぱり分からなくなってしまう。
現代マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー教授の「Marketing Management」は世界中でテキストとして使用されているが、誰でもが分かるように易しく書かれている。それに比べて日本のテキストは……
「難しい言葉で易しい内容を語るくらい、人々をアキレさせるものはない」
天野祐吉さんの言葉を利用させてもらうと、こうなるかな~。
がんばれ、留学生!
都内のビジネス系専門学校で、留学生に「マーケティング」を教えるようになって3年が経つ。ベトナム、ネパール、台湾、モンゴル、ウズベキスタン、中国、スリランカ、ミャンマー、メキシコ、など、多くの国からの留学生だ。
彼らは今、新型コロナの影響で自国に帰ることもできず日本に居続け、アルバイト収入も減って苦しい生活をしている。しかし、言葉や文化の違いを乗り越え、皆それぞれを尊重し助け合って仲良くやっている。そんな彼らを見ていると、愚かな政治家が国家・国民のためと称して(実は自分のメンツのために)他国と争っているのが情けなく思えてくる。
マーケティングとは、生き残るための実践的な考え方であり活動だ。しかし、それは、他者を押しのけて自分だけが生き残ることではない。他者とは異なる独自の考えと活動で棲み分け的に共存していくことだ。
目を輝かせてぼくの授業に参加してくれる留学生に、そのことを是非伝えたい。そして、彼らが母国に帰った後、母国と世界との懸け橋になってくれたら、こんなに嬉しいことはない。
がんばれ、留学生!
ときどきビールは、手紙になる
前回のブログに、「うまい」「おいしい」を連発するビールメーカー各社のCMにはうんざりしている、と書いた。ビールのCMで他に何か言うことないの?と思っていたら、いいじゃない!っていうビールのCMを見た。
両親が、娘の結婚式の引き出物である自分たちの名前の入ったビールグラスでビールを飲みながら娘の昔話に花を咲かせている。そこには「うまい」とか「おいしい」なんていうありきたりな言葉は存在しない。ただ、ビールを楽しみながら、娘と過ごした昔を懐かしく思う。ビールを飲みほしてグラスの底をのぞくと、そこには「これからもよろしく」という文字が見える。それを見て、父と母が嬉しそうに笑う。そして、「ときどきビールは、手紙になる」「よろこびがあふれ出す。それがビール」という字幕で終わる。さすが、キリンビール。
なんか、家族の温もりが感じられていいなぁ~。ビールはただ飲むだけのものじゃない。相手にメッセージを届ける、手紙にもなるんだ、とこのCMで知る。
そう言えば、以前『嵐』の二宮君が年賀状のCMで「年賀状は、贈り物だと思う」と年賀状を別の視点から捉えて宣伝した。年賀状を止めて電子メールなどにスイッチする若者が増えている中、年賀状を単なる新年の挨拶ではなく、その年の最初にもらう大切な贈り物としてポジショニングしたこのCMで年賀状の発行枚数は対前年プラスとなった。
ビール離れが止まらない。ビール好きのぼくにとっては残念でたまらない。でも、このビールのCMでビールの別の良さを知って、ビール愛飲家が増えてくれるといいなぁ……